La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Entries from 2010-12-01 to 1 month

No.5(1921)

私の父は生前貿易商を営んでおり、商談・スーツで外出の際は、 必ずシャネルの5番をつけていました。別にこだわりがあったから ではなく、父の世代で最も名の知れた香水であること、海外出張の 折には取引先の事務の女性へのお土産として、常に香水を買い置…

Early Roses(2010)

ティーオ・キャバネル5作目の香りとして、この秋発売された、アーリー・ロージズです。 名のごとく、朝露に輝く軽やかな青みを帯びたローズで、ムスクやパチュリを かさねた重量感もなければ、シトラスに転んでリニアに香ることもない、 バランスの良いロー…

Meloe(2008)

ティーオ・キャバネルがオリエンタル系の極み・アライーヌを輩出後に発売した、 アライーヌの対角線上にあるようなオー・レジェール(サマーフレグランス)、 メロエーです。 オー・レジェールですので、性質上キャバネルの香りの中でもっともライトな、 あっ…

Julia(2005)

2003年に家督のレシピを現代的な解釈で再興しているニッチ・フレグランスの ブランド、ティーオ・キャバネルが2005年、オーアと共に発売した初のフレグランス、 ジュリアです。 オーアが芯の強い大人の女性というイメージ、イブニングにも向く正装感を持つ 一…

L'Aimant(1927) *recent version PDT/EDC

戦前、フランソワ・コティが直接調香に関わったコティの作品で、 一応廃盤になっていない香りのひとつ、レーマンです。 典型的な戦前のフローラル・アルデヒドで、ローズがしっかりと 香ります。路線的には時代的にNo.5の同軸線上にありますが、 5番がもうち…

Aldehyde - IMO

アルデヒドとは、合成香料の一つで、他の香料をうまくまとめ、拡散させる 力が強く、相互作用でアルデヒド特有のパウダリックな甘さが強調され、 独特の香り立ち(リフト)が心底好きという方は内外問わず多いと思います。 今流行の香りではありませんが、時…

Emeraude(1921) *recent version EDC

コティが1921年に発表したパウダリー・フロリエンタルの名香、エメロードの オーデコロンです。 現在ではオーデコロンのみの発売となっています。 フレッシュシトラスのトップに始まり、フローラルやパチョリ、サンダルウッドが 香り、パウダリーにまとまる…

Paris(1922)

コティが1922年に発表し、瞬く間に英米でベストセラーとなった名香、パリです。 コティはこのパリの大ヒットでアメリカに進出、ニューヨークにアメリカ本社を設立しました。 以降、長きに渡り、コティの看板商品として、ロリガンやレーマン、エメロードなど…

Nuance(1975)

コティが1975年に発表した、ニュアンスのオーデコロンです。 軽やかな中にも温かみのある、ウッディフローラルの逸品です。 ラベルに、1991年までコティの親会社だったファイザーの名前が あることから、少なくとも製造後20年近くは経過していると思います。

La Rose Jacqueminot(1904)

近代香水王、フランソワ・コティが1904年に発表した最初の香り、ラ・ローズ・ ジャックミノです。近代の香水史上、最も重要な香りの一つです。 コティはこのラ・ローズ・ジャックミノの成功で次々に名香を輩出、後に続く 「ロリガン(1905)」 「エメロード(19…

L'Origan(1905) * recent version EDC

コティが1905年に発表した歴史的名香、ロリガンのオーデコロンです。 現在ではオーデコロンのみの発売となっています。 フランソワ・コティがラ・ローズ・ジャックミノに続き調香した 第2番目の香りで、数々のパッケージ、セット物が長きに渡り 発売されまし…

Magie(1950)

1935年に調香師・アルマン・プティジャンが香水店として創立し、 今や世界的ブランドとなったランコムが、1950年に発売し、2005年に 「ラ・コレクシオン」として復刻した名香、マジーのオーデパルファムです。 プティジャンの調香としては最大のヒット作とな…

Climat(1967)

1935年に調香師・アルマン・プティジャンが香水店として創立し、 今や世界的ブランドとなったランコムが、1967年に発売した名香、 クリマです。クリマは2005年「ラ・コレクシオン」としてオリジナルの 調香にてEDPで限定復刻されたほか、一般流通品としてフ…

Oha(2005)

ジュリア(2005)と同時発売された、ティーオ・キャネル初の香り。 穏かで端正なローズシプレ。パチュリローズのバランスがローズよりで 多少ビターな感じなので、甘さ控えめですっきりしています。 手持ちの香りとの比較では、ディヴィーヌのランスピラトゥリ…

Jubilation25(2007)

アムアージュ創業25周年を記念して作られた香り。メンズもあり、 レディスのJubilation25に対し、メンズはJubilationXXVとつづります。 調香は2004年に国際的ファッション協会であるFGIの新人賞にあたる ライジングスター賞を受賞し、ジバンシーやアザロの香…

Narcisse Blanc(1922)

フランスのグラン・パルファン、キャロンが1922年に発売した、 ナルシスブランのパルファム・エクストレ(香水)です。 1911年に発売され世界的名香の名を欲しいままにした、ナルシス ノアール(黒水仙)のいわば妹版で、調香師は勿論エルネスト・ ダルトド…

Montaigne(1986/2007)

フランスのグラン・パルファン、キャロンより、1986年にメゾン 限定品として発売され、その後2007年秋リニューアルされフランス・ セフォラ他限定店舗にて発売となったモンテーニュです。 現在はパルファムとEDPの2展開です。 キャロンは、クラシック香水ば…

Narcisse Noir(1911)

フランスのグラン・パルファン、キャロンが1911年に発売した、 20世紀の名香を語る上で絶対外せない傑作、ナルシス・ノアールです。 「黒水仙」の名を持つこの香りは、現実には存在しない黒水仙なるものを、 オレンジブロッサム、ローズ、ジャスミン、ウッド…

Muguet du Bonheur(1952)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの1952年発売後今もなお 愛されているすずらんのシングルノート、ミュゲ・ド・ボヌール (幸福のすずらん)です。 すずらんは、天然香料が採れないため、すずらんの合成香料を使うか、 幾つもの天然香料を調香してす…

Bellodgia(1927)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの1927年発売の代表作で、 創立者E・ダルトロフが北イタリアのベラージオ湖の美しさに感銘し、 そこに咲くカーネーションをイメージに創作した名香です。 キャロン公式HPではシングルフローラルノートとされています…

Fleurs de Rocaille(1933)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの代表作で、「岩間に咲く花」 をイメージして作られた、1933年創始者エルネスト・ダルトロフ調香の クラシック版フルールドロカイユ(Fleurs de rocaille)です。 1993年にリニューアル版が発売になった後暫く廃盤と…

Fleur de Rocaille(1993)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの代表作で、 「岩間に咲く花」をイメージして作られた、フルール・ド・ ロカイユの1993年リニューアル版EDTです。 正式名称はFleur de rocailleとなっており、キャロンの公式 ホームページでもクラシック版として復…

Pour une Femme(1949/2001)

フランスのグラン・パルファン、キャロンから、2代目調香師M・ モルセッティ調香で1949年に発売され、その後2001年に現キャロン 専属調香師であるR・フレッスによりリニューアルされた、プール・ ユヌ・ファムです。 フランキンセンスやアンバー、ベンゾイン…

Nuit de Noel(1922)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの1922年発売の代表作で、 創立者E・ダルトロフが華やかながらも静謐なクリスマスの夜にインス パイアされて創作した、オリエンタル・フローラルの名香です。 ローズを基調に、ウッディとサクソン・モスがミステリア…

Dia woman(2002)

調香は現エルメス専属調香師、ジャン・クロード・エレナで、 エルメスでの現代的で薄口な作風とはうって変わって、フレンチ クラシックなフローラル・アルデヒドです。ゴールドと面立ちは 似ていますが、ダイアはさらに透明度が高く、オマーン特産の シルバー…

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