フランスのグラン・パルファン、キャロンの代表作で、「岩間に咲く花」
をイメージして作られた、1933年創始者エルネスト・ダルトロフ調香の
クラシック版フルールドロカイユ(Fleurs de rocaille)です。
1993年にリニューアル版が発売になった後暫く廃盤となっておりましたが、
近年復刻いたしました。きりっとした背筋の伸びるようなフローラルブーケ
で、アルデヒドも効果的に加わり、クラシカルな身持ちの良さを感じます。
オーデトワレと比べ、ベースにしっかりと甘くパウダリーなキャロントーンを
堪能できます。
パルファムですが、香り立ちも香りもちも控えめで、この控えめさ加減が
長らく日本女性に愛されてきた所以かと思われます。
ところが、新ロカイユでも書きましたが、既にこの旧ロカイユは日本では
過去の香りになってしまったのか、銀座三越にキャロンが再上陸した際
最初のラインナップに旧ロカイユが入り、新ロカイユは入らなかった所、
ロカイユ再発と聞きつけて買いに来た当時のファンが、これではない、と
がっかりして帰っていく、と販売員さんが言っており、そちらのほうが
残念に思いました。
ちなみに、日本ではEDTの取扱ですが、旧ロカイユのEDTは
ほかのキャロンのEDTに比べ、殊更ロットで香調が変わり、
買うたびに香りが違うので戸惑います。去年あたりの並行輸入品は
やる気のない薄くて尖ったホワイトリネンのようで、パルファムとは
似てもにつきませんでしたが、今三越で扱われている最新版の旧
ロカイユは、何故か濃度もしっかり、キャロントーンど真ん中の
ロカイユになっています。
改良方向に向かっているのは喜ばしいことですが、是非日本の方
にも往年のキャロントーンの魅力を再確認して欲しいものです。