La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

無断転載禁止

Entries from 2013-01-01 to 1 year

Happy holidays !

Story #5 / Papa

「父」 私の父は生前貿易商を営んでおり、商談・スーツで外出の際は、必ずシャネルの5番をつけていました。別にこだわりがあったからではなく、父の世代で最も名の知れた香水であること、海外出張の折には取引先の事務の女性へのお土産として、常に香水を買…

Parfum Sacre, now and then (1990-2013)

Parfum Sacre, now and then (1990-2013) パルファム・サクレ(1990)は、キャロンの近作(コンテンポラリー)で最も人気のある香りで、発売20周年を記念して「パルファム・サクレ・アンタンス(Parfum Sacre eau de parfum intense)」が作られたり、2013年に過去…

Montaigne (1986/2007)

Montaigne (1986/2007) フランスのグラン・パルファム、キャロンより、1986年にメゾン限定品として発売され、その後2007年秋リニューアルされフランス・セフォラ他限定店舗にて発売となったモンテーニュです。現在はパルファムとEDPの2展開です。国内での販…

Caron Les Parfums Rares

Caron Les Parfums Rares フランスのグラン・パルファム、キャロンは、かつてはカネボウが代理店として一時代を築きあげましたが、カネボウ倒産と前後して一時日本撤退、その後2010年より現在の代理店、フォルテが再上陸させました。カネボウ時代から数多く…

Caron Les Parfums Fontaine, urn fragrances

Caron Les Parfums Fontaine, urn fragrances 【パルファム・フォンテーヌについて】 キャロンが1903年の創業より発売し、一般流通を終了した名香を含む全12種類の大変希少なパルファム(香りによってはEDPもあり)を、キャロンブティックにてバカラグラスの…

Story #4 / Travel with hope, travel with joy 2

「おじいちゃんに会いたい」 後編 ロンドンから列車で2時間、そこから車で小一時間、ピーク・ディストリクト国立公園内にあるお宅に伺うのですが、日本の感覚で余り長居してはご迷惑になると思い、空港到着後、時差調整を兼ね正味1日ロンドンに滞在し、週末…

Story #4 / Travel with hope, travel with joy 1

「おじいちゃんに会いたい」 前編 2009年の春、英ネットオークションサイト、eBay.co.ukを見ていたら「50年間タンス保管の未開封香水」というのが出てきました。歴史的名香、マダムロシャスPDTとカボシャールEDTのヴィンテージで、マダムロシャスは1960年、…

Les creations de Monsieur Dior: Dioressence (1969), Diorella (1972)

Les creations de Monsieur Dior: Dioressence (1969), Diorella (1972) 2009年、世界中のディオールファンの熱望に答え、エドモンド・ルドニツカ作中心に過去の名香5点をまとめたクリスチャン・ディオール・ヨーロッパ専売のコレクション・Les creations d…

J'Adore L'Or essence de parfum (2010)

J'Adore L'Or essence de parfum (2010) 初出の好評を受けてディオールらしく二匹目、三匹目のドジョウが次々と生まれたジャドール(1998)ですが、オリジナルのジャドールをより高級な天然香料(アブソリュート)主体に再構築したEDP版ジャドール・アブソリュ…

Merefame (1979)

Merefame (1979) 1959年創業で現在化粧品業界売上全国10位のメナードが、創業20周年を記念し、全社上げて発売したシグニチャー・フレグランス、メルファムです。 現在も販売されており、価格もパルファムが30mlで35,679円、オードトワレも 60mlで10,185円と堂…

Shiseido domestic perfume lines 2

Sourire/スーリール(1977) 国際的ヒットとなりデッドストック品などには破格のプレミアがついているインウイが華々しく登場した脇で同じ年に生まれたスーリール(1977)は、2009年の改廃で廃番となった香りの一つで、発売時はオードパルファム(60ml2,625円、ピ…

Shiseido domestic perfume lines 1

Memoir/メモアール(1963) 現在販売されている定番のオーデコロンで、一番古くからあるのはこのメモアールです。1963年に10mlのパヒュームが1,000円にて発売後、1990年にパッケージを一新、ラインナップはパヒューム、オーデコロン、ファンシーパウダーとなり…

Shiseido domestic perfume lines, '60-'80's

Shiseido domestic perfume lines, '60-'80's 創業よりいち早く国産香水の生産に着手した資生堂は、日本を代表する化粧品メーカーとして数多くの香水を輩出し、ブランドを代表するホワイトローズナチュラル(1936)やすずろ(1976)といった高価なものから、街の…

Story #3 / Goddess of gold dust

「砂金の女神」 理化学用品で、スクリュー管瓶というものがあります。スクリュー式のキャップで密閉し、粉末や液状の試料を保存するガラス瓶の事で、本来は理化学的分析・保存用途に使われるのですが、液漏れしない・開け閉めが簡便等の利点から、個人の香水…

DIVINE(1986)、DIVINE L'Eternel Feminin(2010)

DIVINE(1986)、DIVINE L'Eternel Feminin(2010) 1986年にフランスのディナールで開業したニッチフレグランスブランド、ディヴィーヌ(Parfums DIVINE)の、ブランド名を冠した初出の香り、ディヴィーヌは、ピーチとコリアンダーで幕を開け、ガーデニア、チュ…

L’Inspiratrice (2006),edition 2013(2013)

L’Inspiratrice (2006),edition 2013(2013) ビクトリア朝時代のイギリス人に大人気だったフランスの海岸保養地、つまり現在は単なる海辺の田舎町ディナールで1986年に開業したパルファム・ディヴィーヌ(Parfums DIVINE)は、まだニッチフレグランスという言葉…

Azzaro Couture (1974/2008)

Azzaro Couture (1974/2008) カジュアルラインのフレグランスを数多く輩出しているクチュリエ、ロリス・アザロが1974年にメゾン初の香りとして発表し、長らく廃盤となっており、2008年秋にリニューアルしたアザロクチュールのオードパルファムです。ゲランを…

Mitsouko (1919) vintage parfum

Mitsouko (1919) vintage parfum 今更ここで紹介するのもどうかと思いますが、クラシック香水の金字塔の座を譲る事は今までもこれからもないであろう、ミツコについて思い浮かぶ事柄をのべさせて頂きます。 ミツコは第一次大戦が終結するも、その傷跡がまだ…

Liu (1929/2006)

Liu (1929/2006) ジャック・ゲラン謹製、世界大恐慌の年に登場したゲラン珠玉のフローラル・アルデヒド、リウの2006年復刻版EDPです。ゲランBAさんも堂々「化合物の香りです」と紹介するほどアルデヒドもりもりで、こちらは現在パリジェンヌ・コレクションと…

Guerlain Classic Fragrances

Guerlain Classic Fragrances 少し前までゲランが日本で「ブティックフレグランス」と称して限定店舗で販売していたクラシック香水全6種です。現在は一般のレディス香水のラインナップに合流し、取扱い濃度も拡大し、選択の幅が広がりました。相変わらず取扱…

Story #2 / Perfume house founded in 1828

「香りの王室」 肌寒い日が続いた雨上りの夕暮れ、同僚を誘って東京駅の老舗百貨店へ香水を買いに行きました。「香りの王室」と賞讃されるそのブランドは、作品の個性が強く、つける人を選ぶ作品もある一方で熱心なファンも世界中に多くいます。私のお目当て…

Opardu (2012)

Opardu (2012) 昨秋、4番目の香りとして発売されたレディスの香り、オパルドゥです。これが、粉物ファンには抗う事の出来ない秀逸なパウダリー・フローラルで、レディス3点のうち突出してクラシックです。対象年齢は3点のうちぐっと高め、賦香率も堂々32%、…

Antonia (2010)

Antonia (2010) エム(2010)と同時発売されたレディスの香り、アントニアです。エムの回で17.5mlはベーターカプセル様だと申しましたが、アントニアの場合本体のガラスがアイと同じく透明で中身が見えるので、より試験管風なのですが、このボトルに共通してい…

Puredistance M (2010)

Puredistance M (2010) アイに続き2010年末に発売された2種のうち、エムは現行ラインナップとしては唯一メンズになり、17.5mlボトルの面立ちも口径の太い弾丸を思わせるいぶし銀、いきなりこのボトルが机の上などに転がっていたら、一瞬何なのかわからないか…

Puredistance 1 (2007)

Puredistance 1 (2007) ピュアディスタンスでは、公式ウェブサイトを見るとPDF資料あり、イメージ動画あり、香りのイメージとなる単語やイラスト、音楽、衣装、美しいモデルや風景等々、実際に香りを試す以前から、これでもかと脳内イメージを構築するキーワ…

Black (2013)

Black(2013) オランダはフローニンゲンの小さな香水ブランド、ピュアディスタンスの5作目となるブラックは、ブランドとしては初のユニセックスタイプのフレグランスで、いつもの17.5ml試験管タイプと60ml中型養毛剤タイプ、お徳用100ml大型養毛剤タイプのフ…

Puredistance, Master Perfumes

3.厳選モダンクラシック香水紹介 The Essential Guide to Modern Classic Perfumes Puredistance, Master Perfumes 1990年代前半から、一般市場向けの新作香水はパルファム濃度が作られず、オードパルファム1種またはEDP/EDTからスタートし、人気が出たらよ…

Story #1 / Je Reviens

8.香水は素敵な出会いを呼ぶ Some Memories, Some Aromas 香水を通じて巡りあう一期一会の出会い、稀有な友情の始まり、そして別れ…LPT店主の思い出を綴ります。 「再会」 Story #1 / Je Reviens 2008年の春先から2010年秋までの2年半、国内では入手困難なク…

Quelque Fleur (1912)

Quelque Fleur (1912) 2009年から販売元となったモナコのロフト・ファッション&ビューティーディフージョン社は、零落したウビガンのステイタスを取り戻すべく、経営戦略をRDPRグループに委託し、2011年にフゼア系の語源となり、最初に合成香料クマリンを使…

contact to LPT