La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

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Perfumer Nathalie Feisthauer

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Nathalie Feisthauer
今年のLPTは「ナタリーでいっぱい」!ベテラン調香師ナタリー・フェストエア、自薦を含む代表作と経歴、本邦初特集
 
パウダリーでダウナーな作風が特徴の当世二傑粉物女王、ナタリー・フェストエア。
今年のLPTは「ナタリーでいっぱい」でした。2021年最初のレビューがMDCIのロムオガンツ、最新レビューがスーレマントのオディジアーク・ニュメロシス、現時点で端から端までナタリー一色です。偶然の一致にしては、縁があり過ぎます。そこで、LPT11周年を記念して、調香師ナタリー・フェストエア特集をLPTVで行いました。

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ナタリーさん。トップ写真よりこちらのポートレートの方がご自身に近い
【略歴及びMeet LPTV紹介作品】赤字はナタリーさん自薦
 
生年月日は不明ですが、経歴から察するにハン1さんより少し若いくらいで、もし日本人だったらリアルタイムでウルトラマンをご家族と一緒に見ていた世代ですね。ちなみに私は再放送世代です。
 
1977年 YSLのオピウムに衝撃を受け、1年かかってボトル購入。その後、調香師になることを決意
1983年 ルール調香学校、今のジボダン・パフューマリースクール入学。同学初のグラース以外出身者の入学者となる
1986年卒業、ジボダン(フランス)に就職、その後1990年に渡米されます。以降は下記の通り。調香作品としてナタリーさんの名前が挙がるのも、1990年代からになります。
 
<ジボダン・ニューヨーク時代>1990-1994
 
1990年から4年間、ジボダン・ニューヨークに転勤、アメリカで活躍します。特にジボダン所属調香師としては初のエスティローダーブランド作品を手掛けた功労により「エスティにジボダンへの扉を開かせた人」と異名をとりました。
 
Havana (1994) / Aramis
タバコノートの効いたアロマティックフジェール、プラスタクシーの後部座席なジオッサン系ですね。今嗅ぐとさすがにひと昔前のイキった男感があります。今年エスティローダーはアラミスなど定番価格帯ブランドを相次いで手放すことを発表しましたが、このハバナは既に廃番なので、これが亡くなってどうこう、という段階はもう過ぎています。

ELISABETH ARDEN / JEAN-LOUIS SCHERRER : Nuits Indiennes
オリエンタル系、甘さを引きずらない抑えたアンバーバニラ。好きな人にはカルト的人気を誇っていたシェレルのインデアンナイトですが、残念ながら入手したヴィンテージボトルはセミカビジュースで、トップの立ち上がりからミドルに展開するまでは仮死状態でしたが、その後は本来の寸止めの効いたアンバーバニラにパウダリーなアクセントが出てきて、確かに作風を感じることが出来ました。
 
<ジボダン・フランス時代>1994-2008
 
1994年、パリに帰国、再びフランスのジボダンに所属します。多くのメインストリーム作品を手掛けますが、その時の流行り物ばかり作らされて辟易していたそうです。その中で、当時ジボダンの同僚だったラルフ・シュヴィーガー(YSLのベビードール、/ アエデスのアイリス・ナザレナ、マルちゃんのリップスティックローズなど)と共作のオーデメルヴェイユがエルメスのコンペに通ります。当時はランコムのミラクが大ヒットしていた時期、キンキンしたフルーティローズな流行とは真逆の、潮に流され浜に打ち上げられたアンバーグリスをテーマにラルフ氏と共作した香りだったので、どんなクライアントも、クリエイティヴなものをと言ってくるけれど、最終的にはどうでもいいフルーティフローラルを欲しがる。なんだかんだ言っても結局はそろばん勘定なんだ。だからコンペに通ったのは嬉しいけど、こんなの売れんのか?と思っていたら、予想を反してまさかの大ヒット、パリの街中で色々な人からオーデメルヴェイユが香ってきたそうです。オーデメルヴェイユの成功で、沢山の方から褒められたけれど「それはひとえに、自分に依頼をしてくれたクライアントのおかげだ、決めたのはクライアントだから」と答えていたそうです。
いかに調香師が職人であり、自由に腕を振るう事が難しい世界に生きているかを語っている一コマですね。

Eau de Merveilles (2004) / Hermès

オーデメルヴェイユが登場した当時のエルメスは、まだ専属調香師を置かず、古くはエドモン・ルドニツカ、ギィ・ロベール、亀井明子、モーリスルセルなど、色々な調香師が手掛けていました。エルメスがジャン=クロード・エレナを専属調香師を置いたのは、このオーデメルヴェイユが発売されたのと同じ2004年で、専属になる少し前から庭シリーズを手掛けていました。2018年に専属引退、現在はクリスティーヌ・ナジェルが専属調香師を務めています。香りとしては、トップ-ミドル-ラストと展開する香水の基本形から離れ、3つのキーノート、オレンジ-アンバーグリス(パウダリーバニラっぽい欧米のアンバーよりは、本来の龍涎香のイメージ、浜の塩味を感じる乾いたアニマリックノート)-シダーウッドが、弧を描きながら一体化し、また離れるという新しい香調で、複雑かつ明快な表情、オードトワレの軽やかな明るさと、しっかりした持続性と拡散性を備えた、欧米の香水に対する要求を完全にクリアした秀作です。

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オーデメルヴェイユ EDT 100ml
Putain des Palaces (2006) / Etat Libre d'Orange
21世紀に入り、徐々にニッチ系ブランドが台頭してきます。ニッチブランドの中には、フレデリック・マルのように新興勢力としてネームバリューの補完に高尚なコンセプトと有名どころの調香師を揃えて高額価格帯の作品を出す一方で、どこまで本気でどこまで冗談かわからないコンセプトと、名前に反してしっかりした作品を次々に出す、エタリーブルドランジュのような知的エロの殿堂みたいなブランドも出てきました。オーデメルヴェイユを共作したラルフ・シュヴィーガーも4作手掛けています(近作ではExit the Kingなど)。ELO最大のヒットとなるプタンデパレを手掛けますが、後にこの香りが一人の女性の人生を大きく変える事になります。

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プタンデパレ EDP 100ml ひどい名前だがブランドの顔でもある作品

 
<シムライズ時代>2009-2014
 
A L'Iris (2013) / Le Cercle des Parfumuers Createurs
2008年10月、在学中を含めると24年以上在籍していたジボダンを離れ、シムライズに転職します。シムライズには5年少々在籍しましたが、2014年早々に退社、その後独立し、2015年にご自身のラボ、LABscent (ラブセント)を立ち上げます。この5年間の間に手掛けた一つに、中間価格帯ブランド、サークルデパフューマーがあります。
2018年4月日本上陸、今年日本撤退したNo longer in Japanブランドで、現在流通しているものはデッドストックです。輸入代理店フォルテの公式サイトにかろうじてロゴマークが残っていますがリンク切れ、諸行無常ですね。このア・イリス(実際はア・リリスと発音)も、主軸のアイリスに、洋ナシとムスクをトッピング、以上。みたいな、価格相応のシンプルな香りですが、1)中間価格帯で2)厳選した良い香料にフォーカスし3)有名どころの調香師に頼むというコンセプトは、より手ごろなエッセンシャル・パルファムが継承し、本年日本上陸もしていますし、公式サイトが日本発送もしてくれます。

 

<独立:LABscent>2015-現在
※独立後の作品は、ほぼメゾン・クリヴェリ以外はLPTで紹介済なので、香りの紹介は過去記事へのリンクとさせていただきます。
 
 

シムライズから独立したナタリーさんが構える自宅兼アトリエ、LABscentは、パリのモンマルトルにあるサクレクール寺院のほぼ裏手にあります。アメリの舞台にもなった、そのサクレクール寺院から歩いて5分、つまり物凄いいい場所にアトリエを構えています。屋上でガーデンパーティができる位いいところみたいで、ピュアディスタンスのインスタグラムで見ました。LABscentでは一般のお客様向けにオーダーメイドの香りも作ってくれるそうで、インターン生も大募集しているので、われこそはという人は是非応募してみてください。

2015年からのナタリーさんは精力的に新しいブランドとタッグを組んでいきます。ラボ立ち上げ当初は、退職前の処方だったのか、メインストリームブランドものが多いですが、独立後に手掛けた最初の大きなプロジェクトが製品化したのは2016年からとなります。その依頼主は、10年前、エタリーブルドランジュのプタンデパレを自分のシグニチャーとして長らく愛用していたオリビア・ブランズブールというアート・キュレーターでした。
スーレマント(SLM)
2016年2月創業、実際の発売は2017年からで、現在マンハッタンにSpace240というご自身のアートギャラリーがSLMのメインスタジオになっていますが、オーナーがNY在住というだけで、ブランド自体は製造から出荷まで一貫してフランスで行っている、100%フランスのブランドです。2020年、イギリスのフレグランス賞、FIFIアワードUKでベストニューカマーを受賞した事から一気に注目が集まりました。このオリビアさん、大学3つも出ているんですよ。リヨン大学で翻訳、パリ芸術高等学院(IESA)でアートマネジメント、最後はソルボンヌ大学の大学院で美術史を学んだ方です。勉強ばっかりですね。その後ドイツに渡り幾つかのギャラリーでキュレーターとして働いた後、アートマガジンを発行したり、2012年からは高砂香料でファインフレグランス部門のディレクターも務める程香水業界にも深く関わっていきます。高砂のキャリアと前後してスーレマントの前身となるフレグランスブランド、アタッシェモアを2009年に創業します。アタッシェモアは現在も続いており、来年リブランディング予定との事で、SLMとは全くベクトルの違うエッジィな作風(オリビアさん談)との事。こちらも要注意ですね。そのオリビアさんが、長年愛用していたプタンデパレの作者に折り入って調香を頼んだのが、ナタリーさんだったわけです。
元ネタは、19世紀末に書かれた媚薬の処方集。実際に分厚い古書をネタ本としてお持ちです。媚薬は英語でポーション、RPGゲームにもよく出てくるアイテムですよね?だいたい水薬で内服薬、それを香りに昇華させる一大事業がSLM作品です。
「SLMの香りはどれもつけ心地の良さが一番の特徴。心地よい香りで、自分を解き放って、やがて生まれてくる自信から魅力が増して、結果的に相手を魅了する。それがSLMの媚薬効果なの(オリビアさん談)」仰る通りです。香りの詳細は、上記リンクでお楽しみください。
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SLM。左よりオディジアーク・ニュメロシス 100ml、キュイール・ドリャン(パッケージ)、プードル・アンペリアル14ml

Parfums MDCI

2003年創業、クロード・マーシャルさんと奥様のカトリーヌさんの二人で、自宅で運営しています。MDCIでは先日、フランソワ・ドゥマシーの後任で、パルファン・クリスチャン・ディオールの専属調香師に任命されたフランシス・クルジャンもプロメッスドローブやローズドシワ、廃番になったアンレブマン・オ・セライの3作を2006年に手掛けています。MDCIは、ボトルのキャップが彫像になっているデザインのボトルのシリーズから始まって、2019年から新シリーズ、ペインターズ&パフューマーズシリーズに移行しました。このシリーズは、フランス人ならだれでも知っている名画を題材に、調香師さんにその絵の世界観を香りで表現してもらう、というコンセプトとしてはいたってシンプルなものです。現在6作あるなか、半分の3作がナタリー作。
「絵を見てください、お願いします。以上」依頼内容がシンプルなだけに、作り手の引き出しと感受性がものすごく影響する、ある意味恐ろしい依頼です。同じ絵を見ても、何を感じ、どう思うか、絵の先の世界まで見えるか、千差万別だと思いますが、MDCIによる調香師ナタリー・フェストエア評としては「ご自身のスタイルがしっかりあり、インパクトの強い作品を作る確かな調香技術を持つ凄腕の調香師。MDCIにも素晴らしい作品を3作作っていただき、いずれもセールス的に成功した。気軽にお話できる気さくな方」との事で、既に成功事例となっています。オリジナルレビューは上記リンクで、ここでは簡単におさらいします。
L'Homme aux Gants (2019) / MDCI
元画:ティツィアーノ「手袋の男(1523)」今から500年近く前の作品
イタリアの紙幣にも本人の肖像画が乗るほど有名な画家で、90才まで現役バリバリの大御所だったが、なんとペストで死去。
香りは時流に即したウード感のあるアーシーなウッディオリエンタルで、ジェントルマンは「甘栗ウード」だと言っていました。あったか香料満載の秋冬お勧めの香りです。
Cuir Cavarier (2019) / MDCI
元画:ジェリコー「突撃する近衛猟騎兵士官(1812)」ジェリコー21才の作品
32才で病没、辞世の句は「まだ、何もやっていない」
ユニセックスに使えるすっきりとしたローズウード、2010年代から流行しているシプリオールというちょっと土臭い香料がキーノートになっているので、ジェントルマンのポラロイドには「土とバラが一緒くたになった香り」に映りました。
L'Aimée (2020) / MDCI
ダヴィッド「エミリー・セリズィアールと息子の肖像(1795)」
フランス革命の3年後、家族を守るため離婚した元嫁の妹とその息子を描く。その後画家は元嫁と再婚。最新作レレガンの男性がご主人で、モデルの妹さんは子供が10才くらいの時に病死。
オロナイン系フローラル、スモモとかベリーとか、フランスのおうちの庭で普通にできてる酸っぱい果物とか、その辺の草を踏んだ時の匂いに始まって、王道のスズラン・ローズ・ジャスミンと王道フレンチフローラルになっていくところに、軽やかな粉物感があります。香水史を100年位一気に駆け巡る、幅広い時代背景を持つ、ネオクラシックな現代の香り、決して古臭くならないのは香りの抜け感、メイクで言ったらものすごく丁寧な薄化粧。個人的に、MDCIレディス作品中最も好きな香りの一つ、まさにこの絵の若いママさんの、ポッとした柔らかい表情そのものです。きゅっと僕の手を握っているその僕がこっちをガン見しているのも愛おしい。
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MDCI。左よりロム・オー・ガンツ、キュイール・キャバリエ、レメーいずれも75ml

Maison Crivelli

今年になって、あちこちの海外香水店で新規取り扱いが始まった、メゾン・クリヴェリ。創業者チボー・クリヴェリは、30代半ばくらいの青年実業家で、ESSEC(エセック経済商科大学院)パリの商科大学でMBAを取得、在学中に北京の清華(せいか)大学にも留学したスマートな破竹のどエリートです。
2008年MBA取得後はルイヴィトングループ、パルファンジバンシィのトラベルリテール部門へ幹部候補として就職、さすがMBA取ってる人はごぼう抜きです。北京留学がご縁でジバンシィ、ディオール、ゲランと同じグループ内の香水ブランドのアジア担当としてシンガポールや香港に数年ずつ勤務後2016年末でルイヴィトングループを退社、その後すぐの2017年1月にメゾン・クリヴェリを起業。5年足らずで11作をリリースするピッチ早目の展開で、ニッチのトレンド、EC販売のトレンド、とにかく「よく仕組まれた」感のあるブランド。作品としては結構押しの強いパワフルな香り立ちと持続性が売りで、依頼する調香師もカンタン・ビシュやベルトラン・ドシュフュールなど人気調香師からリシャール・イバヌやナタリーさんのような重鎮まで、組んでる調香師を見ても、なんとなく話題の取れる人に依頼している感じがします。メゾン・クリヴェリでは2作手掛けているうち、今年の夏リリースのリス・ソーラベルグがナタリーさん自薦だったリス・ソーラベルグを試してみました。
Lys Sølaberg (6.2021) 
香りとしては、クインス(マルメロ)、ユリ、ガイアックウッドがキーノートの、マットなフルボディのウッディパウダリーシプレで、アイリスの粉物感をキャロットシード+パチュリで演出すると、ぐっとマット感が増しますね。フィヨルドに咲く一輪のユリをイメージしているそうですが、ユリ感は殆ど感じず、漠然としたフローラル。立ち上がりの不透明感に混じった、ちょっとおいしそうな酸味はマルメロとワインリース、ワインの搾りかす。底力のあるしっかりした香りで、繊細な香りに感じるムエットよりも実際肌に載せた方が力強さがでます。雑に嗅ぐと、最近ニッチの世界ではどこでも作っていそうな重ためな粉物ですが、不思議と癖になる。ハン1さん高評価。

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メゾン・クリヴェリ。リス・ソーラベルグ EDP 30ml

Puredistance

トリは、今年の9月28日に世界発売となったピュアディスタンス最新作、№12をご紹介します。ナタリーさんご自身も「№12は、絶対の自信がある」と太鼓判を押していた作品です。
普通、調香師は依頼主からこういう香りを作りたいというオファーを受けて、試作を重ね、そこから依頼主の意図する香りを選んで製品化するのが一連の流れですが、№12の場合は成り立ちが全く異なり、一言でいえば調香師からの逆指名で生まれたのがこの№12。もとはナタリーさんが、いつかこの作品を製品化してくれるところはないか夢見ながら作ったプライベートコレクションの一つでした。2018年のある時、ピュアディスタンスのヤン・エワウト・フォス社長が友達の香水店オーナーから「調香師のナタリー・フェストエアさんが、ピュアディスタンスと一緒にやりたがってるから、連絡してあげて」とメールが来たので、電話をしたらオランダのピュアディスタンス本社まで、プライベートコレクションを11種持参して渡蘭。社長のひと嗅ぎ惚れで即決し、製品化したわけですが、ピュアディスタンスはこの№12を「調香師の夢、グランド・パフューム」というサブタイトルで紹介している理由は、冒頭でご紹介した大手香料会社所属時代にずっと噛みしめていた「クリエイティブとか言ったって、最後は結局そろばんなんだ」という積年の思いから、自分ならこういう香りが作りたい、世に出したいと作り溜めていたご自身の作品があって、遂に念願かなって製品化した。調香師を30年続けてようやっと叶った夢が№12だから「調香師の夢」という冠をかぶっているわけです。夢が叶って良かったですね!

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№12 パルファム 60ml(左)、100ml(右)
№12(9.2021)
香りとしては、ヴィジュアルがすべてを物語っている、深みのあるローズ勝ちなパウダリーフローラルですが、この世に咲かない蒼い薔薇が花開く-ブルーローズの花言葉は「不可能」。遺伝子操作で人工的に作り出しても、藤紫が限度のブルーローズは、バラ育種家にとっては夢の花。心の眼にはありありと見える、見えざる美しさを香りにしたのが№12です。この香りを一言で表すなら「クイーン・オブ・ピュアディスタンス」でしょう。ポール・デルヴォーが生涯描いた美女の如く、抜けるような白い肌に蒼衣をまとい、白金色の長髪をたたえ、深い深い闇の中で発光する紺青の女王、それが私の眼に映る№12の姿です。
 
 
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Meet LPTVでご紹介した作品のサンプルをagent LPTでお試しいただけます。

(Indian Nights, No.12以外)


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