La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Eau Divine (2009)

立ち上がり:爽やかな香りですが、l'homme de coeurと比べると甘みが強い。つけ始めはキツめ。
昼:甘みが抑えられてきてこの時間あたりから良い香りになってきた。落ち着いたシトラス系の香り
15時頃:これも持ちがいいですね。終盤はグリーン系の香りですが。いい感じで残ってます
夕方:15時の時と印象変わらず、持続力も良いし残香感も嫌味じゃないし。今回のシリーズは全体的に当たりです。
ポラロイドに映ったのは:子供の頃はお坊ちゃん顔だった友人がどんどん変貌してしまい、中年になってから会ったら嶋田久作状態になっていた。まあ良いかんじで歳とっているんだがその間、彼の人生でどういう事があったのか凄い知りたいが迂闊に聞くと危険そうな雰囲気も…

オー・ディヴィーヌ EDP 100ml レディス型フラコン
Tanu’s Tip :
女性もの・男性ものをはっきり分けた作風で、1986年からゆっくり歩を進めてきたディヴィーヌが、レディス5作、メンズ3作を輩出後、初めて出したユニセックス系の香りが、ブランド9作目にあたるオー・ディヴィーヌです。王道ながらそれぞれの個性が際立ち、互いに似た香りがない中、男女問わず愛用できる香りというのは当時のディヴィーヌとしては新機軸で、香調として選ぶとしたら、やはりそう来るか、のクラシックなオーデコロン系でした。この作品は、ヤン・ヴァスニエとリシャール・イバヌの共作です。

王妃の水(SMN)やオーアンペリアル(ゲラン)、ジャンマリファリナ(ロジェガレ)を前世に、オーソバージュ(ディオール)を鼻祖とし、70年代のクリスタル(シャネル)やオードランコムに流れるシトラスアロマティックで、主軸はオレンジフラワー。立ち上がりのグリーンマンダリンにコリアンダーとナツメグがふんわり香り、ちょっとおいしさもちらつかせながら、ベースにはしっかりとアンバー・ムスク・ラブダナムが居るため、ただ軽いだけではなく、胸板のある香り方をします。オードパルファムなので、すぐ体温で飛んでしまう事なく、所作について肌からふんわり立ち上ぼります。このベースが意外と漢っぽくて、女性がつけると場合によっては「お相手の借り物」になる可能性があり、個人的にオー・ディヴィーヌはメンズ枠に置いたほうがしっくりくる感じがするので、ディヴィーヌで女性が軽めのシトラスフローラルとしてお使いになるなら、オー・ディヴィーヌと同軸線上にあり、アイリスが主役でより透明度の高いレスプリ・リーブルをお勧めします。

レディス型フラコンは、同じ底面積で縦に50ml→100ml→200mlと倍、倍で大きくなる
オーディヴィーヌは、昨年の盛夏にも一時期ジェントルマンに実装してもらいましたが、さすがに香りは長持ちしないながらも、汗に混じっても残香がだれずに心地よく使えたようで、ポラロイドは撮っておきませんでしたが、好印象という書置きは残っていました。真冬に使っても寒々しくならず、通年お使いいただけると思います。
嶋田久作。左より①帝都大戦(1989)②シン・ゴジラ(2016)③シン・ウルトラマン(2022)
そんなさわやかで男らしさも感じられるおいしい香りでポラロイドに映ったのは、嶋田久作状態の旧友。ここだけ読むとドン引きジエンドみたいなので、旧友の名誉のためにいうと、ジェントルマンにとって嶋田久作が見えたという事は、かなりの高得点。日本屈指のバイプレイヤーとして、大型映画には欠かせない重鎮俳優の嶋田氏は、映画デビュー作の「帝都大戦(1989)」の加藤役があまりにセンセーショナルで、いったいこの俳優さんは、最初にこんな人外で当たっちゃって、これからどういう映画に出るんだろう…と思っていたら、かなり役幅が広くて、最近では特に庵野秀明作品で大臣系の配役で登場しますが、ちゃんと有事の外務大臣、総理大臣としてすごい存在感で、非常に好印象です。個人的には、数年前の不祥事でミソがついてしまいましたが、個人的には嶋田久作と同じくらいピエール瀧が好きで、「シン・ゴジラ(2016)」で陸自の作戦指揮官、「引っ越し大名(2019)」の侍農夫など、出番は少ないですがストーリーの肝になる場を担う力があり、これからも頑張って欲しいと思っています。って、なんの話だっけ?
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