La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

無断転載禁止

Luberon (2012)

立ち上がり:一瞬、酸味の強い香りが拡がるが瞬時にスパイス系の香りに入れ替わる。独特だ。こんなの他で嗅いだことなし。
 
昼:ラベンダーの香りの周辺にスパイス系の香りがまとわりついてる感じ。不思議な香りだ。嫌いではないが少し鼻につく。
 
15時位:かなり香り方が微かになってきた。シダー系の香りに変わってきている
 
夕方:大分落ち着いた香りになっておしまい。最初の印象が強烈でしたがだんだん手馴れてきた感じです。
 
ポラロイドに映ったのは:最初は強烈な作風で出てきたが、だんだんお茶の間系になっていった漫画家。「いがらしみきお」だな。蛭子さんではない。あの人はキャラも漫画も変なままだし。
 
Tanu's Tip :
 
本来ならば続けて投稿するところのジェントルマンコーナー最終日、月末月初に差し掛かり忙殺されるうちに6月も第1週が終わろうとしています。
5月は、勢い余って何度もインスタグラムでライブ配信をしてしまい、皆様へのお目汚し、お耳汚しを大いに反省しております。天罰が降ったのか、5月最後のライブ配信後、うっかりプロフィール欄の生年月日をブログ開設日である2010年11月29日に変更した途端「年齢が13歳に達していません」と、誤ってLPTのインスタは9歳の人間がやっている事になり、アカウントが凍結されてしまいました。現在異議申し立て中ですが、いくら身分証明書の画像を送っても、一向に凍結が解除されないままです。すっかり子供おばさんと化したLPT、あんまりな話ですが全部自分が悪いので、晴れてFacebook(インスタグラムの親会社)が私の異議申し立てを認めず、現在のLPTアカウントが永遠の子供おばさんとして削除された場合、今まで地味に投稿し続けた英文での香水紹介やお悔やみの数々は、ネットの藻屑と消えてしまうと思うと残念でなりませんが、とりあえず本丸はこのブログなので、被害甚大と言うほどでもなく、もしそうなったとしてもインスタグラムは一からやり直せばなんとかなります。と自分に言い聞かせています。
 
かくして、心の平静を保つのにおすすめのラベンダー特集のオチが、こんな己の愚かさを噛み締める中途覚醒ゴーズオンな結果になろうとは、先週の今頃これっぽっちも予想していなかったのですが、しんがりを務めるのは、前回キャバレー・ジェントルマンでバーレスクをご紹介したマリア・カンディーダ・ジェンティーレの、同時期に発売されたパルファムシリーズから、リュベロンです。

f:id:Tanu_LPT:20200605171054j:plain

リュベロン パルファム30ml(現在は15mlと100mlの2サイズ展開)
フランス南東部プロヴァンス地方、赤ワインの主要生産地で知られるコート=デュ=リュベロン。豊潤な大地に花咲くラベンダー香る春風をギュッと閉じ込めた、マリア様のリュベロンは、春風という言葉の印象から思い浮かべる軽やかさとは程遠い、ずっしりとしたマットな粉物ラベンダーで、ラベンダー・ローズ・オークモス、以上。というシンプル、かつ素材の良し悪しと調香師の匙加減が物凄く左右しそうな香調は、とても比重が重く、フワッとスプレーしても香りの帯が下へ下へと沈みながら、空気の対流によって鼻まで届くと、これがまた昇天確約なパウダリーラベンダー。それも決していい風呂入った系ではなく、薫香のたなびきにも似た崇高な香りで、同じ時期に発売されたバーレスクのラベンダー版とでもいうべき、パチュリの代わりにオークモスで粉物感を醸し出しているところが大きな違いで、より湿っぽさを感じます。これもまたマリア中毒という奇病(現在罹患中)を引き起こしそうな、人によっては好き嫌いが分かれそうな、かつ癖になる香りなので、ここまで来ると日本撤退も納得、という感じですが、バーレスクと甲乙つけがたい逸品です。リュベロンをつけたジェントルマンの後を歩くと、たなびく芳香にマリア中毒が悪化し、翌日自分もつけている、そういう香りです。ジェントルマンのいう立ち上がりの酸味は精油感の強いローズで、ラベンダーも途中から主役ではなくなり、渾然一体としたロージーなパウダリーシプレに落ち着き、バーレスク以上に男女問わず使える香りですが、透明感のある香りに馴れている人や、クラシック香水が苦手な人には少々息苦しく感じるかもしれないので、馴れるとたまらない魅力のリュベロンは、万人にお勧めしたい香りというわけではありません。個人的には、この記事を書いている今まさに、半分脳が昇天しています。
 
そういう意味で、ジェントルマンのポラロイドに映った、いがらしみきおの作風にも通じるものがあると言えますし、さらに言うなら、ノーメイクだと北朝鮮の工作員風な子供おばさんだが、ライブ配信用に身支度すると、とりあえず少なくとも成人女性に目視可能な自分自身のようでもあります。
 
既に日本撤退したマリア・カンディーダ・ジェンティーレは、公式サイトでも勿論購入可能ですが、欧米で広く取扱店があり、日本からも比較的入手が容易なブランドです。中でもスンツヴァルのオンラインストア、Fragrance & Art は、MCGに限らず取扱ラインナップがLPTファン御好、免税対応かつ送料が非常に良心的なので、マリア様から非売品の石鹸やサンプルなどのお恵みより免税対応の方がありがたい、または他ブランドとの合わせ買いをしたい方にお勧めです。
 

f:id:Tanu_LPT:20200531141322j:plain

左:ブレイク前 右:ブレイク後のいがらしみきお代表作

f:id:Tanu_LPT:20200531141347j:plain

店主タヌ 左:ライブ配信前 右:ライブ配信後。どちらもハン1撮影。コロス

【ジェントルマンコーナーでご紹介した香りをお試しいただけます】

今春より、ブログ記事との更なる連動に進んでいる読者専用ウェブストア、LPT direct。過去ジェントルマンコーナーでご紹介した香りで、現在LPTがボトルを所有しているものについて、各回限定10セットご用意。最新回のラベンダー・ジェントルマンのサンプラーは下記リンクよりどうぞ。あの香りがこれだけデスメタルで、その香りがそんなにジェントルマン高評価で、この香りがどれだけ中毒性が高いか、ご自身で体感してください!


contact to LPT