La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Scandalwood (2017)

A Gentleman Takes Polaroids Chapter thirty three : Cabaret Gentleman
 
立ち上がり:名前の通り。甘い香りとウッド系の香りが混ざってかなり強く迫ってくる。すぐ甘い香りは背景に退き、ウッド系の方が強く出てくるが
 
昼:ウッド系は薄くなりローズ系の甘い香りが出てきます。結構表情が変わってきます。
 
15時位:大分香りが薄くなってきましたが 後半はまたウッド系とムスクの残香が出てきたような。全体としては好みです。甘さも程よい感じですし。
 
夕方:15時頃の印象のままフェードアウト、但し、今回は時勢柄殆ど出歩くこともなく、家に居ただけ、という通常と異なる状態なのも考慮に入れなくてはいけないかと。
 
ポラロイドに映ったのは:うーん・・・どうしても会社名の「HERETIC」という単語を見るとキングクリムゾンのライブブートレグを思い出してしまい他が出てこない。良い香りですよ!ただメーカー名がねえ・・・
 
Tanu’s Tip :
 
前回のジェントルマンコーナー「サンダルウッド・ジェントルマン」からあっという間の1ヶ月が過ぎ、現在は絶賛輝かない黄金週間の後半戦です。この間、Team LPTの現況は タヌ)勤務先より引続き自宅待機指示により、4月の出勤は3日のみ。テレワーク対応も行われないため出勤日は地獄の業務山積により消化しきれず5月に持ち越し。在宅中はタヌワークが結構忙しく、在宅勤務でいったら毎日残業状態で目下の楽しみはNetflixでウルトラマンを見る事 ジェントルマン)勤務先のリモートワークが整い、基本在宅勤務、時々時短出勤。4月はプラモ戦車2台、ロボット1匹作成。連休中はオンライン飲み会で深酒 ハン1)タヌワークの為、隔日でタヌ家に出勤*、LPT directの業務請負および配送業務。インスタグラムで不定期開催するLPTVライブ配信時はタヌトーク放送事故防止のためタンバリンを叩く…といった状態です。
 
この1ヶ月強、感染防止のために様々な業種の営業に対し休業要請が出されました。中でも東京都が提示した具体的な休業要請には夜の歓楽にまつわる施設が多く含まれ「ヌードスタジオ」と「のぞき劇場」に都民が驚愕したのは記憶に新しいところです。ダンスホール、ナイトクラブ、キャバレー…ナイトクラブ(語尾下がる)?クラブ(語尾上がる)、百歩譲ってディスコとか言ってくれたらリアルにわかる。でもダンスホールはないだろう、キャバレーだって…でも、確かにキャバレーは中止になりました。2月29日開催予定だったキャバレーLPT(招待制イベント)は4月中旬、そして5月中旬へ2度の延期も虚しく中止。今後の予定は、会場である貸し会議室自体休業している上、コロナウイルス感染拡大防止の自粛解除が見えない中、全く目処が立ちません。
 
かくして世間的にもLPT的にも営業できないキャバレーですが、世の中がこんなことになるずっと前から決まっていたジェントルマンコーナーの33番目のお題、それは「キャバレー・ジェントルマン」。キャバレーにまつわる香りを3つ、タヌコレクションからピックアップしてまいりました。
 
キャバレーといえばストリップ、又の名をバーレスクダンス。世界で最も有名なバーレスクダンサーといえばアメリカの秘宝、ディタ・フォン・ティーズ。今年、年女の彼女は50近い現在も第一線で活躍していますが、世界中で興行が中止または延期になっているため、生ディタ様を拝めるのはしばらく無理かもしれませんね。かつてLPTでもディタ・フォン・ティーズが自身のブランドより発売したセレブ香水、Dita von Teese(2011, ナタリー・ローソン調香)を紹介した事がありますが、今回登場するのは、アメリカのヴィーガン・フレグランスブランド、ヘレティック・パルファムズが2017年にコラボレーションしたスキャンダルウッドです。
 
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オーナー調香師であるダグラス・リトルが目指すのは、100%天然「由来」の原料のみを使用した、セクシャルなアプローチのフレグランス。まずブランド名が「異端香水」。100%ヴィーガンで天然由来…というと、ナチュラルでシンプルな、ライフスタイル系のイメージを想像しますが、ヘレティック・パルファムズの路線は180%極北、むしろ斜め上。「花は植物の生殖器」そういう目線で天然の花香料をふんだんに使用したフローラルシリーズや、ドラァグクイーンやゲイスター、ストリッパーとのコラボ作品を次々輩出している、最も聞きづてならないアメリカン・インディブランドです。

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ヘレティック・パルファムズのオーナー調香師、ダグラス・リトル。目がマジ
天然由来、という事は、天然素材から生成した安全性の高い合成香料も巧みに使い込んでおり、天然香料のみで作るおままごと香水とは一線も二線も画しています。アメリカン・インディといっても、中二病の学芸会風ではなく、ヴィジュアル・コンセプトはかなりスタイリッシュで洗練されており、欧米では、エロはヌードスタジオやのぞき劇場のような見世物小屋の延長ではなく知的な嗜み、というのがこんな所でもチラ見えしています。公式サイトでは作品毎に全成分が開示されており、自らを丸裸にして逃げ場をなくす生真面目さにアメリカン・プライドを感じます。残念ながら香水はアメリカ国内発送のみ、火を灯すとガラスに描かれた衣装が透けてディタ様がマッパになるキャンドルなら日本発送してくれます。

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バーレスク・キャンドルシリーズより、ディタ・フォン・ティーズをモチーフにしたフルールティーズ。温まるとディタ様がマッパに。チュベローズ、ガーデニア、オレンジブロッサムにココナッツ、女むんむん王道フローラルの香り。10オンス、約40時間点灯可能。ワックスは、喘息の発作などを起こす有害物質を発生しない100%植物性。日本発送OK、1個US$65(日本向け送料US$29)
スキャンダルウッドは、読んで字の如し「スキャンダルなウッド」、ローズ香るしっとりとしたスパイシーサンダルウッドで、ブラックペッパーやコリアンダーのピリッとしたスパイスに、スモーキーなラブダナムが生肌を縛り上げた革ベルトのようなアクセントになっており、もち肌のディタ様がボンデージでくんずほぐれつしている様が巧妙に香りへ投影されている秀作です。白檀のお土産扇子感はゼロ。サンダルウッド物にありがちな、マイソール感を出したいばかりココナッツ寄せ→だれてしつこく台無し、とならず、肌の上にしっかりスパイスが残りほとんど甘さが前面に出る事なく幕を引くので、これからの暑い時期にはぴったり。男女問わずお楽しみいただけます。

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スキャンダルウッド EDP 50ml(現在は30mlと30ml+10mlパーススプレーセット、100mlの3サイズ)
日本でも、ノーズショップあたりが置いてくれても良さそうですが、このエログロ加減はエタリーブルドランジュの比ではなく、あちらがどこかニヤついた眼で確信犯的に知的エロのエスプリを楽しんでいるとしたら、ヘレティック・パルファムズは、良くも悪くもシリアスで、大人のおもちゃをむき出しで握りしめている際どさがあるので、ウィットの範疇で市場が受け止め切れるか、ちょっと微妙に日本じゃ無理目に感じます。その辺が、ジェントルマンの愛するキングクリムゾンの、ロックの世界における位置づけに似ているのかもしれません。ヘレティック作品、これからどんどん紹介していきます。

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King Crimsonのブートレッグ作品、Heretic。音源はクリムゾンの公式サイトで視聴可能
*ハン1家とタヌ家は道路を挟んで数分の場所に位置し「空気の中を移動しているだけ。他所様の家に行くのとは違う。政府が奨励する「ステイホーム」に反していない」(ハン1談)
 
 
 
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