La Parfumerie Tanu

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AGTP Summer Special : (Stop !) Sport Gentleman

A Gentleman Takes Polaroids Chapter twenty nine :
(Stop!) Sport Gentleman
 

Encre Noire Sport (2013) by Lalique
 
立ち上がり:SPORT無しのENCRE NOIREと殆ど印象変わらず
 
昼:やはり変わらんなあ。多少柑橘系の香りが強いかな?
 
15時位:無印はこの時間位で夏は消えてしまっていたような気もしますがこちらはまだ持っています。
 
夕方:なかなか持ちが良い 夏の汗だくにも辛うじて耐えてます。でも香りの印象は無印と変わらない…(しつこいけど)
 
ポラロイドに映ったのは:頑張って東京デビューでイメージチェンジを目論むも靴まで手が回らず、ヨーカドーのデッキシューズ履いてそれが悪目立ちしてる若者

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アンクルノワール・スポール EDT100ml アンクルノワールが1割ほど薄まってシトラスましまし 「無印」が売ってない時、こっちの方が安い時は流用できます
オリジナル:アンクルノワール(2006)
香調:ウッディアクアアロマティック
トップ:ベルガモット、グレープフルーツ、サイプレス、ラベンダー
ミドル:ベチバー、アクアノート、ナツメグ
ベース:カシミアウッド、ムスク
調香師:ナタリー・ローソン
(香調はラリック公式サイトより) 
 

 Caron pour un Homme Sport (2015) by Parfums Caron
 
立ち上がり:イカン…これはキツい すみません!重く甘い香りに潰されそう。朝から自殺願望の相談受けているみたいな気分だ
 
昼:重さは薄らいで少し柑橘系の爽やかさでてきたかな?でも甘い。相談の内容が自殺願望から親子間の不和の相談に変わったレベルだ。
 
15時位:無駄に持ちが良いですね。早く消えて…
 
夕方:耐久力あるな。したくもない長電話を4時間以上突き合わされた気分だ。すみません。これは私には合わないみたいです。合う人には良いのでしょうが…
 
ポラロイドに映ったのは:80年代大学季節スポーツサークルの輩 ワキガ臭い。

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プールアンノム・スポール EDT125ml これが一番つらかった、つける方も傍で嗅ぐ方も
オリジナル:プールアンノム (1934)
香調:シトラスアロマティック
トップ:グレープフルーツ、マンダリン、バーベナ
ミドル:ラベンダー、ジンジャー、ナツメグ、シダーウッド
ベース:トンカビーン、ベンゾイン、ホワイトムスク、アンバーグリス調香師:ウィリアム・フレッス
(香調はキャロン公式サイトより) 
 

 Kenzo Homme Sport (2012) by Kenzo Parfums
 
立ち上がり:Caron pour un Homme Sportよりは許容範囲ですが なんか鉛筆っぽい匂いがする。
 
昼:落ち着いてきました それほど甘さもない。ジンジャー系の香りが出てきたような
 
15時位:ウッド系の落ち着いた香りになってきました。時間立つ毎に印象は良くなってきます
 
夕方:大分消えましたね。しかし何がスポーツなのか判らず。まあ…元々私自体がスポーツとは縁遠いのでここらへんを私に任せるのが間違いかなと。
 
ポラロイドに映ったのは:まあSPORTという名前がついた段階で私の印象が良いわけないんですよ。東京オリンピック反対!ウンコ臭い海に人を入れるな!暑い中長距離走らせるな!と演説してる私が見えれば…良いな。
 

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ケンゾーオム・スポール EDT100ml 箱からして勘弁してくれって感じ あと50年もしたら、貴重な風俗の記録になりそう
オリジナル:ケンゾーオム(1991)
香調:スパイスアロマティックウッディ
トップ:グレープフルーツ、ミント
ミドル:ジンジャー
ベース:シダーウッド
調香師:フランソワ・ドゥマシー
 
 
Tanu's Tip :
 
夏がもうすぐ終わります。夏と言えば明るい太陽、海、山、そしてスポーツ。きわめて安直な発想で、よくそんな単語がダンゴになって紐づけられているのを見かけます。おりしも来年はスポーツの祭典、2度目の東京オリンピック開催とあって、今年の東京は7月から交通規制シミュレーションで物流現場の混乱とか、トライアスロンの水質検査で大腸菌が規定量の2倍出たとか、必ずしもスポーツマンシップに則った、爽やかで明るい話題ばかりではありません。
 
そもそも日本の夏は高温多湿で心身共に厳しいことは、世界中でも知れ渡っています。今年はヨーロッパも熱波に襲われ、現地の知人友人に安否確認を取ったところ、特に来日経験のある方からは「暑いったって、日本の夏よりはマシだと思うよ」と何とも冷静な回答が次々寄せられました。「それより俺、今日誕生日なんだけど」という人もいました。
 
1964年の東京オリンピックが、かつての体育の日、10月10日に開幕したのは何故でしょう?公的な理由は、10月10日は「晴れの特異日」つまり、年間を通して晴天に恵まれる確率が高い日だから、という説が有効ですが、まあ所詮IOCがらみの偉い人の都合とか、1010で語呂がいいとか、たいした理由ではないにせよ、日本の夏は、55年前からとっくのとうに激暑だったからで、真夏の屋外で競技を行う選手の体調を気遣って、秋に開催するのはなんの問題もなかったのではないかと思いますが、2020年東京オリンピックは、アメリカでは秋にフットボール等ドル箱中継があり、米テレビ局は視聴率の分散を避けるため、IOCは放映権料を逃さなぬよう、大した目玉中継のない夏に開催する事にしたそうで、真夏の東京で国を背負って命がけでやってくる選手の健康についての配慮は二の次三の次という「選手不在」の理由に憤りを感じます。市井の民草である私には、世界の国からメダルに挑む、大切な選手の皆様の命をお守りすることができません。何か我が国に重大な有事不祥事が起き、各国が自主的に不参加を表明していただくのをただただ祈るのみです。その位、来年のオリンピックについては不安視しています。
 
香水の世界にも、スポーツフレグランスというジャンルがあります。目に見えて台頭してきたのは90年代だと思いますが、もっと前からオリジナル版をライトにしたオードスポール(Eau de Sport)ものは存在していて、例えば現在絶賛連載中のジャン・パトゥでは、ラコステのフレグランスで1960年代に発売されたラコステ・オードスポールを、昔の広告で知りました
 

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運動水
現代のスポーツフレグランスに共通するのは「しつこい爽やかさ」、キーワードはアロマティックです。昔のおっさんの頭臭いフジェール系の甘さがベースにあったりするものも多く、何を混ぜると、ああも口元からこぼれた白い歯がいつまで経ってもしまえないような、張り付いた笑顔みたいになるのか、決まってケミカルで、薄くて軽くてきつい「この世に存在しないアロマ臭」みたいな香りが、いつまでも消えません。まぜるな危険!スポーツする時につけても汗に負けず、マスキング効果も狙ったのかもしれませんが、汗とまじりあってもいい匂いでいられる香りは、洗わなくても臭くならないパンツと同じくらい矛盾しています。個人的には、どうしてもつけたいなら30分も持たないオーデコロン程度にしておいて、運動した後に汗を流してからいつもの香りをつければいいのに、と思いますが、この90年代に一世増殖したスポーツフレグランスは、21世紀からは「何かが当たったら出てくるドジョウ」という位置づけになり、なくなる気配がありません。勿論、スポーツフレグランスは運動時専用商品ではないので「できる、爽やかな男」の安易な演出として「スポーツ」という名前を付けるとちょうどいい。その程度のネーミングなんだと思います。
 
それでも、なくならないのは堅調なニーズがあるからで、何か一つでもいい事あるかも…と、スポーツフレグランスの良さをジェントルマンにポラロイドで映してもらおうと、とりあえずオリジナル版が本人の大好きな香り(アンクルノワール)とか、歴史的名香(プールアンノム)とか、四半世紀にわたってロングセラー(ケンゾーオム)のドジョウを連れてきたのですが、ご覧の通り3種試して2敗1引分。彼にとって定番であるアンクルノワールのドジョウ、アンクルノワール・スポールですら「無印(アンクルノワールのこと)があるから、これ要らない」と返品。他の二作に至っては、爽やかなラリーというよりは耐久レース、否、夏の我慢大会に惨敗した結果となりました。口惜しいのは、今回ご紹介した3点はいずれも廃番になっていません(ただし国内未発売)。生まれてたった数年で消え失せても誰も驚かないメインストリーム系香水の世界で、オリジナル版共々全員しぶとく愛されている。あれもこれも廃番、終売で嘆きの日々のLPTにとって、憎さ百倍の現行販売品です。
 
ジェントルマンは、スポーツに無縁の男ではありません。健康を気遣い、5年前からフィットネスクラブに入会し、彼なりに汗をかいています。ただ惜しむらくは、運動してスッキリしたとか引き締まったとか、そういう目に見えた結果にはつながらず、何故か入会して5年で5キロ太ったいう点です。最近ではヨガのクラスにも参加し、自分の汗で滑るほど汗をかくも翌日にプチぎっくり等健康被害も発生し、世の中のスポーツのイメージとはなかなかに乖離したスポーツライフを送っています。今回は、企画した私が一番安易に間違っていました。怒涛のジャン・パトゥ特集の息抜きだと思ってご笑納ください。どっとはらい。
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