La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Antaeus (1981) / A Gentleman Takes Polaroids chapter six : Gentleman in Winter

立ち上がり:革の香り&少し甘い、
でも噎せるような感じではなくさわやかな気分
 
昼:付け始めのクセの強さが取れ甘いけど不快では無い香りが残る
 
15時位:印象変わらず
 
夕方:かなりうっすらな香りになったが良い感じで持続してます。
これは良いですね。これからの季節に合いそうです
 
ポラロイドに映ったのは:80年代をチャラけた感じに迎合せず駆け抜けた漢!
スタジャンやMA-1とか着ない!
DCブランドじゃなくて伝統的なバーバリーとかアクアスキュータ
ムのコート着てる人!

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アンテウス 100ml M君、ありがとう ありがたく使わせていただきます

Tanu's Tip :
 
今回の「冬のジェントルマン」、いや2016年7月からスタートしたジェントルマンコーナー中、現時点でジェントルマンが最も気に入り、レビュー終了後「これ頂戴」と私物に昇格したのが、シャネルにおいて前専属調香師、ジャック・ポルジュが就任後初めて手がけたアンテウスです。実はこれ、後輩のM君が駐在先の香港から国内業務へ異動の為帰国する際、主人のお土産にどうぞ、と頂いたものでしたが、M君の太っ腹なお土産に店主タヌ大喜び。しかも私へのお土産はキュイールドルシーのEDT(現行品はEDPに処方変更された為、ある意味貴重)でした。キュイールドルシーは、M君が香港シャネルの旗艦店へ出向いて、あれこれ嗅いだ末、鼻で選んでくれたもので、ポイントは「一番鎮静作用の強いもの」だったそうです。私は彼の眼に、よほど普段興奮気味に映っていたのでしょう。
 
父ちゃんは海神ポセイドン、母ちゃんは大地の女神ガイアという錚々たる親御さんをお持ちの、ギリシャ神話の英雄、アンテウス。武勇伝は数知れずその力無限大、倒しても倒しても蘇るもんだから宿敵ヘラクレスも手を焼きますが、母ちゃんが大地の女神だったため「地に足がついてないと力が出ない」という弱点を見破られ、地面から持ち上げられて退治されてしまう、というあっけない末期をとげてしまいます。
 
我々日本人にはギリシャ神話の英雄という存在はDNAにないため「アンテウス」という名前を聞いても即座にそのキャラクターを彷彿し、名前から香りを連想できる方は多くはないと思いますし、その結果日本でアンテウスのイメージはセールスに結びつきにくかったかもしれませんが、香りとしては非常に完成度の高い、耽溺性を帯びた端正なウッディレザーシプレで、アロマティックなハーブにパチュリローズとミルラの甘さを隠し味に、重厚なラブダナムやオークモスが支え、ちょっとダーティなカストリウムまで登場し、その美しさは神の域に達している、といいたくてアンテウスの名を与えた、と納得です。とはいえ、決して難易度の高い香りではなく、やはりこれも冬から助走をかけて自分のものにして欲しい、過去の香りにして欲しくない名作です。
 
ちなみにアンテウスは、今秋世紀のガチンコ対談が念願叶ったピュアディスタンスのフォス社長が30年間愛用したゾッコンの香りで、社長のアンテウス好きは方々のインタビューでも頻繁に明言されていますが、そんな社長が今構想中なのが、パルファム濃度の持続性を叶えるシトラスウッディのメンズフレグランスだそうで「毎日テニスをするんだが、アンテウスのようなウッディレザーの香りでは、スポーツをするには重すぎる。かといって、シトラス中心ではすぐに香りが飛んでしまう。スポーツをした後、軽くシャワーを浴びても、ほのかにウッディノートが持続して、夜の街にも似合うような、そんな香りが欲しいね」と話してくれたその日の社長は、シトラス系の香りに自社品であるMをレイヤリングして、軽さを出しているんだ、とおっしゃっていました。確かに100年に1度の好天に恵まれた、つまり9月中旬なのにありえないくらい暑かったフローニンゲンでの社長は、現在のピュアディスタンス製品にはまだない、軽さと重厚さを併せ持った、えええ〜香りがしていました。今年はシェイドゥナ発売、来年はヴァルシャーヴァの世界発売が控えていますので、まだ先だとは思いますが、早く「社長の1本」が実現すると良いですね。
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