La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Monsiuor Balmain (1964/1990) / A Gentleman takes Polaroids chapter two:A gentleman's best favourite ever

立ち上がり:べちば
 
着衣後:さわやかな柑橘系の香りだが微妙にスモーキーな雰囲気も潜んでいる。夏によく合う香り
 
1時間経過:香りはほとんど飛んでしまい。肌に鼻を近づけて微かに香る程度、スモーキーさは消える
 
5時間経過:ほとんど抜けている。香りのニュアンスは昼と変わらず
 
10時間経過:夏だけに汗臭さにほぼ香りは蹴散らされている。
 
ポラロイドに映ったのは:
湿気の無い朝6時半、東北の地方都市の朝を散歩する高校社会教師。

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ムッシュ・バルマン EDT 100ml 現行ボトル

Tanu's tip
最初にお断りしておきますが、このコーナー、ジェントルマンのコメントは無修正です。したがって、立ち上がりの「べちば」は、前回レビューしたゲランのベチバーへの偏愛が感じ取れる、愛らしい書き間違いです。さて、ロベール・ピゲのフラカ、バンディといった怪香を作った美貌のレズビアン調香師、ジェルメーヌ・セリエは、戦後のクチュリエ、バルマンでも腕を振るいますが、バルマンに残した香りはどちらかというと依頼主がもうちょっとダウントゥアースな指向性の持ち主だったのか、ヴァン・ヴェールや、ジェントルマンが5,6年愛用しているこのムッシュ・バルマンといった、力まずに愛用できるデイタイムにふさわしい香りで、このムッシュ・バルマンも、2度のリニューアルでも殆どテイストが変わらない、レモン&サンダルウッドの優しいウッディシトラスです。傍にいる人も心地よい、しかし男の胸板はちゃんとある、そういうこざっぱりとしながらハートのあったかい男性のイメージ、とでもいいましょうか。ちなみにジェントルマンの姪っ子がこの香りを気に入って「おじちゃん、いい香りー」と回らない口で褒めていたのを思い出します。バルマンは権利が転々とし、現在も新生ラレーやモンタナを扱うエンパイア・オブ・センツという会社がプロデュース(ライセンスは2012年インターパルファムが取得、よってボトルにはインターパルファム名が明記)になった時点で、グリーン・フローラルアルデヒドの名香、イヴォワールやオーディヴォワールなど、名前だけ残って香りは一新、影も形もなくなってしまいましたが、幸いメンズは大して考えてなかったのか、最新リニューアル版もジェントルマン曰く「体感は若干違うが、大勢に影響ない」程度の僅差だそうです。いい香りに必ずしも重厚な高級感は必要ない、欲しいのは寛ぎと飽きの来ないこと。そういう意味では、香りは全く違いますが先日ご紹介したキャロンのプール・アンノムに存在意義が近いと思います。東北の地方都市で朝の散歩を楽しむ高校の社会の先生が、みんなムッシュ・バルマンみたいな爽やかさとあったかさを備えていたら、学生さんは将来の不安も薄らぐかもしれません。
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