La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Monsieur Rochas eau de toilette concentree (1969)

立ち上がり:ムッシュジバンシーと近い香りですがそれよりスパイシーな感じが強く感じる。
 
昼:最近つける「ムッシュ」なんちゃら系はみな昼には消え失せてしまいますなあ・・・・ジバンシーよりスパイシーな残り香はやや多いような気がしますが。
 
15時位:どこ行ったの?という感じですが肌に鼻近づけると結構香り残ってるだよな。近接戦闘専用(?)か?
 
夕方:サヨウーナーラー。いつの間にか消えたけど一応お別れの挨拶はしておくよ。
 
ポラロイドに映ったのは:向こうから打ち合わせの相談されたんでスケジュール空けた、当日用にやたら図や表を使った資料がPDFで来た。読んでもポエムのような文章だけで良くわかん→当日、約束の時間に来ない、携帯繋がらない、メール返信無しで半日経過後「行けませんでした。別の日で空いてる日ありませんか?」というメールをよこす仕事相手。(実際会うとやたら弁が立つとこが微妙)
 
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ムッシュ・ロシャス オードロワレ・コンセントレ(左、中)、オーデコロン
 
Tanu's Tip :
 
「ムッシュ、ムッシュ、ジェントルマン」と称し、新年初のジェントルマンコーナーを颯爽と飾るメンズクラシック3選、ラストはこれまた「香水は、良い香りでなければならない」という究極の格言を残し鬼籍に入った巨匠中の巨匠、ギィ・ロベール師(1926-2012)がロシャスで作った唯一のメンズフレグランス、ムッシュ・ロシャスをご紹介します。ロシャスは先にムスタッシュ(1948)を初のメンズとして発売しており(こちらはエドモン&テレーズ・ルドニツカ夫妻の共作という珍しい夫婦合作で、日本撤退したフレデリック・マルのテレーズ香水により、奥さんも著名な調香師、と発売当時はよく紹介されていましたが、実際何を作った人なのか、作品を紹介している記事は日本で見たことがありません。ちなみにマルちゃん日本撤退についてですが、伊勢丹では終売したものの、現在ドリスヴァンノッテン本店やトゥモローランド渋谷本店などで細々と取扱いはあるようで、一応公式ウェブサイトには販売拠点として残っています)、メンズの第2弾をマダム・ロシャスのメガヒットを生んだロベール師にお願いしたのは自然な流れだったのかもしれません。写真ではオーデコロンと濃度の高いコンセントレがありますが、ジェントルマンには後者を試してもらいました。現在は廃番です。
 

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「おはよう」「お疲れ様」挨拶はビジネスの基本です、たとえ相手が返事をしなくても

 
フジェールの基本に則りラベンダーとオークモスでこんもりアウトラインを築き、ジオッサンな温かさと包容力がありながらガルバナムやカモミール、カルダモンなどスパイシーな寛ぎのアクセントで、60年代もそろそろ終わりを告げる時代にふさわしい軽さも持ち合わせたアロマティック・ウッディシプレのムッシュ・ロシャス、これまた品よく、かつ男らしくまとまった、肌なじみの良い香り立ちで「これは接近戦用か?」といいところに気づいたジェントルマンですが、敵の正体を暴く前に消え去られてしまったものの、別れの挨拶を欠かさない礼儀正しさがいいですね。空気を乱さず、肌で温かく香る。いいじゃないですか。ムッシュだけに香り方が紳士的ですね。しかしポラロイドに映ったのは、こんなのご免こうむりたいビジネスパートナーの姿。いい香り、素敵な場面を目の当たりにしても、思い出すのは困った人の事ばかり。よく仕事の悩みを抱えている方にアドバイザーみたいな人が「オフィスのドアを開けて一歩外に出たら、会社の事は全部忘れましょう。それが一番の治療です」って気軽く言うのを耳にしますが、それができたらその人はそもそも貴方にそんな事、打ち明けないのでは?という気がします。
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