La Parfumerie Tanu

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London Calling 2 : London Perfumeries Guide | JOVOY Mayfair |

お次は、これもロンドン香水店巡りの話題性№1、ジョヴォワ・ロンドンをご紹介します。

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ジョヴォワは、女性調香師ブランシェ・アルヴォワが1923年創業した香水会社でしたが、2006年青年実業家フランソワ・エナンにより復刻、過去のアーカイヴを蘇らせるとともに、当時徐々に勢力を増しつつあったメゾンフレグランスを扱う高級香水店としてパリにオープン、その後ル・マン店、中東4店に続きヨーロッパでは初のフランス国外に出店したのが、今回訪問したジョヴォワ・ロンドンです。フォートナム&メイソンから徒歩10分程度、表通りからちょっと入った、銀座で言ったらみゆき通りのような雰囲気の、メイフェアの一角とは思えない静かなコンジュイト通りに面しています。
訪問時、スタッフの皆さんは9月28日のグランドオープニングパーティを控え、最後のデコレーションに忙しくしていました。グロスミスのブルック姉妹も、グロスミスのシェルフをデコレーションするためジョヴォワに集合。ブース用サインボードやボトルを持ち込み、一生懸命セッティングしていました。ジョヴォワは地下1階・地上1階の2フロアあり、天然光が差し込む半地下の窓以外は、間口が狭く奥行きの深い店内はまるで秘密の部屋のようで時間の感覚を失います。まあ、見応えのあるボトルがこれだけ並んでいれば、そこがどこであろうと時を忘れるのが香水ファンの本懐というものですが。

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左上からNeela Vermeire Créations 右上Jacques Fath, 左下AJ Arabia, Masque Milano, Aedes, 右下Jul et Mad
ブルック姉妹がボトルデコレーションをしている間、スタッフのジェサラさんが丁寧に対応してくれました。
- 9/28がオープン日だと伺いましたが、沢山記事が上がっていたので、てっきりもうオープンしてものだと思っていました。
ジェサラ「一応夏に開店はしたけれど、もっぱらプレスやブロガー向けのソフトオープンだったのよ。9月28日のグランドオープニングパーティを持っていよいよ本格稼働します」
- 今春パリのジョヴォワに行ったLPT読者が、スタッフさんが大変親切で、お店中まわって色々紹介してくれて、とても楽しかったと言っていました。
ジェサラ「ジョヴォワのスタッフは、皆パリのジョヴォワ本店で数日間しっかり接客のトレーニングを受けて各店に配属されるの。40ほどのブランドとその製品を熟知し、ブランドを越えたすべてのラインナップからお客様にあったものを選んで差し上げることができるわ」

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1階、入口正面から。壁面には細かい棚が沢山あります。グロスミスも1Fにディスプレィ

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地下1階。1Fよりもゆったりとしたスペースで、天然アンバーも展示。ピュアディスタンスも専用テーブルとチェスボード、ゴールドのチェスターフィールドソファでお出迎え。フォートナムズよりもジョヴォワで幅を利かせていました
ジェサラさんは、オープン前の多忙な中、次々に香りを紹介してくれて、ムエットひとつにしても1枚1枚エンピツで香りの名前を書いて渡してくれました。そこでせっかく頂いたムエットを後でゆっくりおさらいしたいと、ホイ次ホイ次…と渡されるムエットをポイポイしまっていたLPTムエット袋が大活躍、25x180mmサイズのOPP袋がジョヴォワのムエットにピッタリサイズで、ジェサラさんもブルック姉妹も「そんなバッチリな袋はどこに売っているの?」と大はしゃぎ。LPT e-storeの商品だと言ったらビックリしていました。
エレナー「ムエットに香りをつけて袋に封入して試してもらうなんて、口コミで拡げる最強のツールね!」
- ありがとうございます。それでは、ジョヴォワでの売れ筋を教えてくださいますか。
ジェサラ「まずはジョヴォワのオリジナルシリーズよね。それとペシェ・カーディナル(パルファムMDCI)、ピュア・エクストリーム(M.ミカレフ)、AJアラビアの#2、#5は人気よ」 

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グランドオープンまであと3日 ディスプレィできましたー

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ジェサラさんにコロネーション・アンバーを嗅がせてもらうケイトさんと見守るエレナーさん くっさー
浜辺に漂着した希少な天然アンバーグリスをコレクションしているジョヴォワ、アンバーグリス展示室があり、頼むとガラスドームから手袋をはめて取り出し試香させてくれます。年代によって香りが枯れてしまったもの、まだまだ毛が生えたように獣臭がするものと、大きさも香りの状態も様々 本物は初めて見ました。また限定デザインの詰替用ボトルや、豪華なボトルカバーをジョヴォワ向けに用意しているブランドも多く、ディファレントカンパニーのクロコダイルカバーを大きくフィーチャーしていました。日本でも販売のあるディファレントカンパニーですが、ビッグインジャパンではなく正当に評価されたブランドなのが今更理解できました。ラニアJ(下)は、英国ではジョヴォワ限定発売、どれも胸に迫る迫力でウー度★★★★☆のウード・アッサムが秀逸でした。
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新しもの好きの香水ブロガーがミラノやフィレンツェの見本市でバンバン写真を挙げているようなブランドが勢ぞろいしているお店、と言えば一番イメージがつかみやすいのではないでしょうか。モダンで洗練された店構えの中には老舗級ニッチブランドのほかにも結構アバンギャルドなブランドや中東市場を意識して大量発生したウードのタケノコ系ブランドも多いので、おのずと取扱商品はオリエンタルウッディなものが充実しています。パリに行かなくても、ジョヴォワはもうロンドンにある。良かった良かった…そんな出処不明の安堵感に包まれながら、楽しいひと時を満喫しました。
 
取扱ブランド
Aedes de Venustas - Alexander J - Arty Fragrance - Atelier Flou - Beaufort London - Begim - Berry - Berdoues - Chabaud - Coronation Ambre Gris - Dauphine - Eight & Bob - E.Coudray - Evody - Eternal Gentleman - Franck Muller Perfume - Isabey - Jacques Fath - Jeroboam - Jovoy - Fragance du Bois - Grossmith London - Indult - Institut très Bien - Jul et Mad - La Parfumerie Moderne - M.Miccalef - Maison d'Hauteville - Masque Milano - MDCI - Nejma - Neela Vermeire Créations - Olfactive Studio - Parfumeurs du Monde - Profumum Roma - Prudence - Puredistance - Rania J - The Different Company - The House of Oud - Volnay - Welton London - Widian
 
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