La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Poivre / Coup de Fouet(1954)

1954年発売。2代目調香師ミシェル・モルセッティ/フェリシエ・ヴァンプイユの
コンビ作で、当時流行のニュールックにあわせた斬新な香りを打ち出すべく生み
出した、世界最辛の香りです。カーネーションとローズを柱に、スパイシーな
クローヴとカイエンヌ・ペッパーがオーバーラップ。甘さと辛さの絶妙なハーモ
ニーにノックアウトされた世界中のファンがポワーヴルを買い求める中、
更に軽やかなオードトワレ版として1957年に生まれたのがクードフエ(Coup de Fouet)
です。とはいえ香り立ちは控えめで、パルファムとしてはあまり長持ち
しない方です。男性ファンも多数。クードフエのほうがよりドライで、コショウの
辛さがつけた瞬間鼻にひゅっときます。
ポワーヴルもクードフエも、習慣性のある香りで、私がオークションで取り扱って
いた時も、忘れられない、何とかもう一度手に入れたいという相談をいくつも
受けました。ただ、残念ながら、本年クードフエは廃盤となってしまいました。
クードフエなら日本にいてもかろうじて海外通販で買えたのに残念です。
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