La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Violette Precieuse(1913/1999/2006)

フランスのグラン・パルファン、キャロンから創立者E・ダルトロフの
調香で1913年に発売され、その後1999年のリニューアルを経て2006年末に
フランスのセフォラ限定で再発売された、ヴィオレット・プレシューズの
オーデパルファムです。

パウダリーなスミレの花や葉にアイリスが全面にでた、ドライで甘さのない、
ビターなグリーンフローラルです。オレンジブロッサム、すずらん、ジャス
ミン、ムスク、サンダルウッド、ベチバーをベースにおいていますが、
かなりクールなイメージで、香り立ちも控えめです。オーデパルファム
としては軽めな方だと思います。

ヴィオレット・プレシューズは、海外では熱狂的なファンが多い一方で
限定品の為、殆ど流通していませんでしたが、この2006年版は1999年版と
比べ、その話題だけで1回飲めるほど香りが変わった事で物議をかもし、
1999年版は大変評判が良かったためか、あっという間に2006年版は
アウトレットショップへ大量流出してしまいました。これはこれで、
という評価がまったく得られなかった、不遇な復刻版であります。

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