La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Vetiver Guerlain (1961) / A Gentleman takes Polaroids chapter two:A gentleman's best favourite ever

立ち上がり:

つけたばかりはモスの香りと少しスモーキーな感じ

着衣後:同上

1時間経過:同上
 
5時間経過:昼は殆ど自分では香りは感じられ無し。
よく気をつけるとやや青果っぽい感じの甘い香り。スモーキーな感じは抜ける。
 
10時間経過:夕方には殆ど香りは抜ける。つけた場所をよく嗅ぐと微に匂う位。普段使いにはこういう方が使い易い。
 
ポラロイドに映ったのは:ドイツの尉官クラスの将校
 

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ベチバー EDT 100ml (日本発売は50mlのみ)

Tanu's tip
本日より3日間「ジェントルマンのお気に入り」と称し、Dr.Budgieが通年迷わず手を伸ばす、または復活を願ってやまない3本をご紹介します。目下、ジェントルマン一番のお気に入りがこれ。ある日友人に「旦那さんは香水なに使ってんの?」と聞かれ「うーん、楽天の特売でCK oneとか、送料の埋め草に買ったり…」「あんた、自分が1本何万って香水使ってて、旦那にはそんなんでいいわけ?」と厳しく指摘されました。確かに、その頃のジェントルマンは、一応水準点とは思われる有名どころの特売品を、それは適当に買い与えられていたのですが、確かにそれでは申し訳ない…と、いきなり店主タヌが選んできたのがこのベチバー。この1本との出会いで、ジェントルマンは急激に鼻が肥えていきました。「普段使いにはこういう方が使いやすい」って、ずいぶん生意気な口を利くようになったものです。今回ポラロイド用に6プッシュで試香してもらいましたが、ベチバーに限って言えば、あまりに好き過ぎて普段はなんと欧米人も真っ青の12プッシュ。その為「物足りないなあ」とぼやきながらのレビューです。さてジャンポール・ゲランが祖父ジャック・ゲランとオードを共作したのち独り立ち、初めて手掛けたメンズフレグランスがベチバーですが、ビターなシトラスノートがはじけた後は乾いたベチバーとくぐもったオークモス、パウダリーなオリスルートに重すぎないタバコ&レザーが重なります。 レディスのクラシック香水が次々に廃番、リニューアルしていく過程で失われた名香のバイブレーションがしっかり残っており、ヴィンテージ香水のベースノートに残っている「痛んでいない部分」のウッディパウダリーノートを感じることができます。ベチバーをレイヤリングのベースに使い、モダンなフローラルを重ねれば、ぐっとクラシック香の表情に変わります。ユニセックスフレグランスとしても秀逸なベチバー、最近のゲランはやたら若向けばっかりで…という奥様、是非ベチバーをお試しください。それにしても「普段使いの香り」で映るのがドイツ将校、それも尉官クラス。ジェントルマンのデイリーライフには、フレンドリーな存在として中間管理職あたりのドイツ将校が住んでいる、と、今後のポラロイドのために覚えておいてください。
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