La Parfumerie Tanu

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Guerlain Homme l'Eau Boisee (2012)

立ち上がり:お!良い感じ。ベチバーの中に微かに柑橘系
昼:印象余り変わらず
15時位:かなり微かな香りになってきました。でもいい感じ
夕方:消滅
ポラロイドに映ったのは:中学の頃に床屋に髪切りに行くと「お仕事は何されてんですか?」と聞かれ憤慨していたが、歳をとっても印象変わらず。昔は見た目が実年齢を飛び越えていたが段々実年齢より見た目が若くなり加齢と共にイケメンになった奴

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ゲランオム・ローボワゼ EDT 50ml 国内販売中

Tanu's Tip :
 
2)値崩れして安いもの
ゲランオム・ローボワゼ
(2012, ゲラン、50ml€66/国内定価8,856円⇒実売価格50mlUS$25.9)
前回に続き、このカテゴリーでゲランの近作をご紹介します。
2008年、ゲランのメンズフレグランスラインに新しく加わったゲランオム。オリジナルは当時流行っていたモヒートの香りをモチーフにしたと結構な話題になったのを覚えています。このゲランオム・ローボワゼ(2012)は、ゲラン・オムのドジョウとしては4番目に発売されたもので、ボトルの金型はオリジナルと一緒。ちなみに現在ゲランは一般品のボトルデザインの統一をほぼ完了し、ゲランオムシリーズも現在のベチバーやアビルージュなどクラシック品と同じ汎用メンズボトルに変わっています。写真は発売当時のオリジナルデザインです。
 
ゲランオム・ローボワゼは発売から5年が経過しましたが、廃番にならず国内でも継続販売しており入手性が高く、都内のゲランカウンターでBAさんに話しかけられ「主人は普段ベチバーをストック買いするほど愛用している」と伝えたところ、勧められたのもこの香りです。国内価格は50mlが税込8,856円、フランスでは定価€66と国内価格とほぼ同じですが、御多分に漏れずディスカウンターにだくだくと流出しており、実売価格は送料込3,000円弱。前回のアビルージュ・ロー(実売価格US$21.98)より若干強気ですが、それでも充分アフォーダブル認定です。

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ボトルデザインが変更に。この金型、無駄になっちゃったね

甘さのないハーバルグリーンとベチバーが、オリジナルのゲランオムでも中核となっているジューシーなライムと共にはじけ、天然ボタニカルを巧みに合わせた極上のロンドン・ジンのような爽快感が溢れる、心地よいグリーン・シプレのローボワゼは、前回公開質問した「ミツバチとゲラン友の会(通称ミツバチ会)」の主宰、ムッシュ・ゲラン氏も「ゲランの近作メンズとしては指折りの秀作」と太鼓判を押すほど出来の良い作品で、さすがゲランのベチバー(1961)愛用者のジェントルマンだけあって、ベチバー過積載のローボワゼに対し、第一印象は「いい香りだ!」とかなりの好印象。アロマティックですがラベンダーが入ってこないのでフジェールには転ばず、おっさん臭くありません。香りが飛びやすい柑橘系香料であるライムが重要な表情になっているため、持続は弱含みですが、EDTなので仕方ないね、で済むレベルです。シトラス系は物足りないけれど、がっつりメンズ香はこなせない、という方へ、良き香りへの扉になってくれそうなポテンシャルも感じますので、パートナーへのプレゼントにもこの実売価格なら贈る方も受け取る方も嬉しい1本です。
 
さて「ティエリー・ワッサー流ベチバーの現代的解釈、二重丸」ともいえるローボワゼ、若い頃は老け顔で万年おやじ呼ばわりされていたのに、気づいたら他の誰よりも見た目の加齢が緩やかで一番若く見える、年齢不詳万歳みたいな中年男性がポラロイドに映った程高評価でしたが、ジェントルマン的には「ベチバーだったらいつもの方がいい」そうで、残念ながらジェントルマン流ベチバー愛の牙城を崩すには至りませんでした。定番商品も慢性ディープディスカウントのゲラン、当のベチバーですら100mlボトルが実売3,500円ちょいというお寒い現実です。せっかくご紹介はしましたが、だったらベチバー買っとけと、私もいそいそと買い置き補充するすてきな奥さんでいようと思います。どうもすみません。

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きれいな透明アクリルをたっぷり使っていたキャップ

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