LPTのリアルイベント「Cabaret LPT vol.7」を、本年2月に続き再び都会の辺境、または二級都市・池袋にて開催、今回も盛況に終わりました事をご報告させていただきます。老朽化した昭和のビルの一角に忽然と現れたキャバレー会場には、泊りがけ参加の方や初参加の方も多くあったうえ、まさかのオーバーブッキングで会場の定員を上回るぎゅうぎゅうの盛り上がりに、Team LPT一同も感激の開催となりました。
La Parfumerie Tanuといえば、日本画のタヌキがこれまでアンバサダー役を努めてくれていましたが、今回より台湾直送、麻豆代天府 *の庭で見つけた謎のハリボテ・文旦ちゃんが登場!昔ボンタンアメってありましたよね?今もあるかな?あるみたい。 その文旦です。文旦は麻豆の特産品でもあり、ひょうたんみたいな恰好の文旦が、店主タヌの妹かと思ったファンキーなハリボテに大変身!昨年末から折々LPTのSNSに登場しています。今回のオープニングビデオは、そんな文旦ちゃんが縦横無尽に動きます。
*店主タヌ及びハンブルサーバント1号ぼんあねの父方祖父と伯父が、土地の龍神伝説に基づき建立した、台湾南部最大級の廟。観光名所としても有名で、奉納参拝と観光客でごった返す人気スポットとなっている。超がつくほど交通不便。
オープニングビデオ鑑賞中の会場内
【テーマ:Age of Neo-Powderistについて】
- ウードブームの次に来たのは粉物だった -
4年前、昨今の欧米ブランドが次々にウードを題材にするウードブームに対抗して、A Stranger in Arabというタイトルで、本場中東のアラビアン・フレグランスの一大特集を行いました。
トム・フォードプロデュースで2003年に登場した、イヴ・サンローランのM7(エムセット)を発端に、中東市場を獲得したい欧米のブランドがこぞって彼らにとって全く身近でなかったウードを取りいれ、なんちゃってウード香水がビッグバンを起こしていた真っ最中だった当時にくらべ、今ではすっかり当たり前、どこでもやってる食傷気味のウードにかわり、市場を席巻しているのがアイリスを主軸に置いた、パウダリーな香り、つまり粉物香水です。
パウダリーな香りはアイリスだけで作るのではなく、他にも花香料としてはバイオレット、ヘリオトロープ、ミモザ、アーモンド、ウッディ系ではパチュリ、サンダルウッド、シダーウッド、ベース香料としてはムスク、トンカビーンなど様々ありますが、中でも高価なアイリスを使用している、というのがひとつのウリになっていて、巷にはイリスなんとか、なんとかプードレという名前の新作が続々登場しています。
ただ、この粉物ブームは今に始まった訳ではなくて、すでにキリよく2000年から始まっていた事を、今回の特集、エイジ・オブ・ネオパウダリスト、21世紀の粉物ばんざいでテーマ毎に詳しくご紹介いたしました。
【パターン1: 双璧、または別格:2000年、ネオ・パウダリストの幕開け 】
1.Teint de Neige (2000)「雪の色」タルコ系の金字塔
2.Iris Poudre(2000)「粉物イリス」旧世界からの遺産 割と普通なフローラルアルデヒド系
【パターン2: 化粧台のエレベーター 】
口紅、白粉、化粧台 化粧の匂いで気分が上がる。自然体、断固反対の作り物礼賛
3.Lipstick On / Maison Martin Margiela (2015)
4.Bruise Violet / Sixteen92 (2016)
【パターン3: 真性タルコ系 】 粉物はタルコに始まり、タルコに終わる
5.150 Parfum / Profumi del Forte (2011)*
6.Rose Nue / Les Parfums de Rosine (2017)
7.No.19 Poudre (2011) ジャック・ポルジュ作 アイリス+ホワイトムスク
8.オリジナルNo.19(EDP) アンリ・ロベール作 アイリス+ガルバナム+オークモス
9.L'instant Magie (2007) アーモンド&ホワイトムスクで粉物度を強化 シルベーヌ・ドラクルト&ランダ・ハマニ作
10.L'instant de Guerlain (2003) マグノリア&アイリスで粉物 モーリス・ルセル作 ゲランで初のマグノリア
【パターン5:ゾンビ最新情報】
11.Perlerette (1925/2014) 旦那の先祖が「偶然見つけた」ヴィンテージ香水の創業主だった!夫婦で復興
12.Pourpre d'Automne (1924/2017) 復興ブランド進化系:ブランドの看板はイケメンチーム
13.1889 Moulin Rouge (2010) 「ムーランルージュ」1889年創業のキャバレー バーレスク(ストリップ)大道芸やフレンチカンカンで有名
14.Maitresse (2006)「愛人」ヴィヴィアン・ウエストウッドの息子がやってる高級エロ下着ブランドのレトロモダンなフレグランス
15.Tom of Finland (2007)「トムオブフィンランド」世界で最も有名なフィンランド人アーティストとしてフィンランド大使館もイチオシ、ムーミンを越えた!トーベ・ヤンソンもLGBT
今回はキャバレーだけでなくLPTとしても初の試みである、パリ特派員取材報告が登場。またブログからさらに一歩進んでクラシック香水にフォーカスする事の多いキャバレー史上初、メーカー協賛を頂戴しまして、パルファム・ヴォルネィ(写真左)とメゾン・ヴィオレ(写真右)より、それぞれご紹介した香りのサンプルを参加者プレゼントとしてご提供いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。一方で、予想を上回る参加者数の為、読者プレゼント分まで放出してしまい、残念ながらプレゼントコーナーができません。次回はちゃんと用意いたしますので、お許しを!
紹介した香りのボトルを実際に手に取れることは、リアルイベントならではのお楽しみですが、テーブルの前部にはピュアディスタンスのボトルディスプレィ及び先日のMeet LPT&Puredistanceで初登場のティスティンググラスボードが、2台(6本分)から3台(9本分)へと更に進化して登場。後部にはCabaret LPTのテーマに即し、21世紀の粉物が勢ぞろい。名前だけ聞いていた事のあるボトルを実際お手に取ったり、ライブショー中お配りしたムエットで気になる香りを直接肌に乗せて香り比べをするなど、存分に体感していただきました。
Age of Neo-Powderistでご紹介した21世紀の粉物について、パリ特派員報告や過去記事の再編集も含め、近日中にブログでもご紹介いたしますので、お楽しみに!
【LPT e-storeからのお知らせです】
Cabaret LPT vol.7にご参加できなかった皆様に、期間および数量限定でご紹介した主な香りのサンプルを頒布いたします。12種類が一度に試せるお得なパックと、お好きな香りを4種類選べるPick fourパックの2種類ご用意いたしましたので、ブログ記事を読みながら香りもお試しになりたい方は、是非リンクからご覧ください。お申込は6月10日(日)まで。申込〆切後にサンプル作成をいたします。発送は6月下旬を予定しております。