La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -


L'Essence de Cerruti (2009)

A Gentleman takes Polaroids chapter sixteen : 
Gentleman's cheap thrills 2
 
立ち上がり:爽やかな香り!だけどすぐパウダリーな香りに変換
昼:レザー系の香りが強くなってきました
15時位:ムスク系のよくある男もんの香りになってきた
夕方:結構まだ香るけど良くある匂いといえばそれまで・・・かな。
ポラロイドに映ったのは:子供の頃は可愛かったのに30過ぎたら人一倍ムサい顔になってしまった残念な男。

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レッセンス・ド・チェルッティ EDT 50ml 日本未発売

Tanu's Tip :

 
1)元々安いもの
レッセンス・ド・チェルッティ
(2009、チェルッティ 定価不明、国内未発売、実売価格50ml US$18.62) 
前回の安物買い特集が本当に銭失いもの勢ぞろいだったので、少々反省して実装に値するものだけをご紹介できるよう、少ない予算で探し出してまいりました。
 
日本ではあまりポピュラーではありませんが、欧米ではアフォーダブル系フレグランスとしては安定の信頼を勝ち得ているイタリアのファッションブランド、チェルッティのフレグランスラインから、レッセンス・ド・チェルッティ(2009)をご紹介します。このチェルッティというブランドは、もともと1881年、イタリアはビエラで生地工場からスタートした紳士服ブランドで、ファブリックメーカーとしても非常に評価が高く、高級紳士服の生地に使われています。一方フレグランスはコティがライセンス生産しており、1)定価が判らない位どこでも安く、2)人気が定着していて品質もまずまずで、3)流行にさほど左右されない、幅広い年代が身の丈でつけられる香りを40年間出し続けている、一般ユーザーには「頼れる空気」のような存在です。チェルッティの評価を確実にしたのはレディスの代表作、1881(1995)で、現在も定番人気があり、欧州では免税店からドラッグストアの場内(セルフ買いではなくレジカウンターで買う)まで、幅広く手に入ります。

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頼れる空気、チェルッティ

このレッセンス・ド・チェルッティも、アメリカからの送料込で50ml2,100円とアフォーダブル満点合格。しかも調香はピュアディスタンス製品を多く手がけるアントワーヌ・リーで、おまけにこの香り、同じくアントワーヌ・リーが調香したトムオブフィンランド(2007、エタリーブルドランジュ)のインスパイア系とまで言われており、話題性だけでも目が離せません。とはいうものの、強烈なパインニードルやパウダリーレザーが香り、殺菌力の高いトムオブフィンランドのように衝撃的な印象はなく、ごくごく一般的な、普通にメンズフレグランスと言って思い浮かべるアロマティックウッディ路線に、ちょっとだけレザー、ちょっとだけパウダリー、ちょっとだけ〇△□…というだけで、決してレザーパンツに局部の形がくっきりとか、大臀筋に何かが挟まっているとか、そんなイメージは微塵も浮かんできません。大丈夫です。日常使いに気負わず使い、50mlなら数か月で気分よく使い切って、また次の新たな(安い)出会いを普通に楽しめばいい、そんな付き合い方をしてほしい香りです。ポラロイドにはちょっと残念な男性が映ってしまいましたが、20年前に30過ぎたジェントルマンから、子供の頃は可愛かった普通のおじさんへの応援歌が念写されたと思ってご容赦ください。ジェントルマンだって子供の頃は金魚とかソフビに夢中だった可愛い田舎の男の子でしたが、変な音楽を聴き始めて変なおじさんに成長しただけです。

 
常々申し上げておりますが、こういう価格帯のものが日本でももっと充実して欲しいと思います。日本に限らず更に言うなら、実際のクオリティなど玉石混交なメゾンフレグランスや老舗ブランドの限定品など、本当はたがが香水に何万も払うのはバカバカしいと思いながら、ステイタス半分、大衆香水への不満半分で買っているのでは、と穿った眼で見たくなることも多々あります。いいものが安いに越したことはないし、何事にも適正価格というものがあり、そこを越えたら趣味の世界です。趣味が悪いとは勿論言いませんが、ハレの香りに清水ダイビングするのはいいにしても、日常使いーケの香りの価格帯がもっと充実してこそ日々の生活にもメリハリが生まれますし、そういう意味では「普段は国産、お出かけには舶来香水」というバランスの取れていた戦後昭和の国産香水が元気だった頃の日本のほうが、香りの文化度はむしろ高かった気がします。

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小2枚と小銭で買える普段着。それがいい