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Arabian Fragrance guide 11: Oudh Al Anfar

Oudh al Anfar


country:UAE from India

http://oudhalanfar.com/
(現在リニューアル中の為、サイトは大変なことになっています)

1950年インドのアッサムにて創業した老舗ウード商、ウード・アル・アンファーは、息子の代となり1995年にインドから湾岸諸国へ販路を拡大すべく拠点をドバイに移し、ラアス=アル・ハイマに55,000haの生産工場を設立、地味ながらも高品質なウード原木、産地別ウードオイルやウードブレンドを良心的な価格で販売しています。2006年、代表作であるムハラット・ウード・アル・バダル(Mukhallat Oudh Al Badar、メンズ香油)のヒットによりアラブ諸国だけでなくイギリスを中心に欧米にも名が知れるようになりました。一方でご多分に漏れずウード・アル・アンファーもスプレィ香水を多数輩出、ウードの伝統を活現したものから西欧のトレンドに乗ったものまでバリエーション豊富に取り揃えています。とはいうものの、ここ日本からは二軍ウード商の印象が強く、コストパフォーマンスの高い良質なブレンドを出してくる割にはパッとしないのが残念です。なお、ムンバイのフセイン・アンファー・パフュームは同根だがウード・アル・アンファーとは異なる会社で、お家騒動で袂を分かつ兄弟分の間柄のようです。
※価格はPerfumesArabia(無印、2014年6月現在)、英国内平均価格('*'、eBay.co.uk、2014年6月現在)

 

Mukhallat Al Oudh Anfar (Silver)
ユニセックス、アラビアン・スウィートウードブレンド。

アンファーのムハラットシリーズ4種では、基本となるのがこのシルバーボトルです。
パッケージ品で20ポンド程度、安いところだと15ポンド足らずで手に入る価格帯のものとは思えない、ボトルも香も良心的な大変バランスの良いウードブレンド。個人的にはウードブレンドならこの1本があれば充分で、実際手持ちの中でももっとも出番の多いのがこれ。同じウードブレンドであるアジマルのMDAOMとはベクトルの違うブレンドで、ローズとアンバーが多めなのか、優しい甘さが心地よいです。アラブ6大香料のバランスが良く、沈香の持つ精神の鎮静作用をしっかり感じることもできる、寛ぎのブレンドです。オフィスなど日常使いもつけすぎなければ問題ありません。コストパフォーマンス的には最高の出来に思える、実際アンファーでも売れ筋のトップクラス。

ベルベットの布団に横たわっている、ずっしり重い金属製のボトル

価格:CPO12ml£19.20

ウー度★★★☆☆

 

Mukhallat Al Oudh Anfar Zhabi (Gold)
ユニセックス、アラビアン・スモーキーウードブレンド。

上記の兄弟分で、同じ金型のゴールドボトル。こちらはシルバーボトルとうって変わってスモーク香の強いウードが大量投入されており、メーカーに問い合わせたところ、ブレンドの案配は企業秘密だが、ウードはシルバーよりも多く使われているとのことです。かなりメンズ寄り、しかも普通のメンズはこなせない気がします。ブレンドとしては正直あまりバランスが良いとは言えず、スモーク系ウードが苦手な方には難しいかもしれない辛口。 

ゴールドとシルバー。ウードブレンドでもかなり表情が違う

価格:CPO12ml£19.20
ウー度★★★★☆


Mukhallat Al Oudh Wardi
レディス、アラビアン・クリーミーローズウードブレンド。

ムハラットシリーズでは後発、かつワンランク上のワルディ(ピンク)とアシュハ(グリーン)。ワルディとはアラビア語でバラを差し、このムハラット・アル・ウード・ワルディもフレッシュでナチュラルなローズをふんだんに盛り込んだウードブレンドで、クリームピンクの芳醇な5月のつるバラが身体を包み込むような美しいローズウードとなっています。主役はあくまでローズ、よそでは当然ピンを貼るウードもムスクもサンダルウッドも黒子に徹し、さながら物凄い俳優陣を脇役に回した贅沢な舞台を見ているようで、西欧のローズとは表現法の違うアラベスクローズ。衣類への残り香が強いので、違う香りをつけたい場合は一度洗ってからの方が良いでしょう。

 

価格:CPO12ml£23.99
ウー度★★☆☆☆

 

Mukhallat Al oudh Akhsar
ユニセックス、アラビアン・グリーンウードブレンド。

ムハラット・アル・ウード・ワルディのローズを控えめにしたぶん、より爽やかなグリーンノートを加え、ユニセックス仕立てに変調したのがこのムハラット・アル・ウード・アクサー(Akhsarの意味がわかりません、どなたかご存知の方はご一報下さい)。ムハラットシリーズでは一番ライトなウードブレンドで、グリーンフローラルとウードブレンドのいいとこ取りのユニセックス調に仕立ててあるので、中東香に慣れていない方でもすんなりエントリーできるでしょう。購入先のParfumsArabia(英)では発売早々ベストセラーにランクインするほど好評価で、ウードブレンドにも香りの軽量化が進んでいるのが良くわかります。

 

価格:CPO12ml£23.99
ウー度
★★☆☆☆

ムハラットシリーズ。左より、オリジナル(シルバー)、ゴールド、ワルディ、アクサー

 

Burj Al Anfar Silver
レディス、フルーティシプレ。

ウード・アル・アンファーのカジュアルライン中、ベストセラーのブルジュ・アル・アンファー。価格もトップセラーであるムハラットシリーズより1ランク安く、要領も20mlと多めで、香りとしても日常使い向けです。同じ金型でゴールドとシルバーがあり、こちらのシルバーは2000年代中盤に大ブレイクし、すでに盛りの過ぎたと言えるパチュリピーチ系フローラルウッディで、完全に西欧化が進んでいる香調です。ボトルがごっついアラブ調なので、顔と中身のギャップが激しいですが、どこのアラブメーカーも欧風ラインを増殖させ、欧風好きなアラブ人やみなしアラブ趣味の欧米人双方の支持を得ている昨今、このシルバーブルジュもいかにも量産型の売れ筋狙いといえましょう。


価格:CPO20ml£19.55
ウー度
☆☆☆☆☆

 

Burj al Anfar Gold
ユニセックス、アラビアン・ウードブレンド。

双子のブルジュのうちゴールドは、スタンダードなアラビアン・ウードブレンドで、ブルジュより格上のムハラットシリーズに比べると、異邦人でも格の違いがわかるほどカジュアルな印象。その分彫りが深すぎないので、手頃で敷居の低いウードブレンドのエントリークラスといえますが、これでなくてはと思えるものが感じられないのが残念。その差はスーパーの食品売り場に並ぶ、1斤98円と148円、ハーフで128円の食パンをトーストにした時の違いに似ていて、いつものあれが一番となります。知った事言うな、とたかが通りすがりの異邦人の戯言に対する声なき不平がブルジュの口から聞こえてきそうです。

 

価格:CPO20ml£19.55
ウー度
★★★☆☆

 

Dehn Al Oudh Cambodi
ユニセックス、シングルウード。

カンボジア産ウードオイル100%のピュアウード。アンファーはウード商だけあって、手頃なパッケージ品のほかに希少な産地別ウードオイルを精選して扱っています。こちらはウードオイルの主要産地、カンボジア品の普及版といえる価格帯のもので、アンファー・ウードの基本となる香調が、若干のスモーク香をはらんだ益荒男ぶりであることがわかります。甘さはありませんが背筋の延びる樹木の香りに、日本でも珍重される「沈香」としてのウードが持つ鎮静作用をきちんと感じ取れます。あまり香りが持続しないので、疲れたときの気分転換用にデスクに忍ばせておくのもお奨めです。


 
価格:量り売り CPO1/2tola£44.95*
ウー度★★★★★