Haramain Collection
ユニセックス、アラビアン・バニラムスク。
アル・ハラメインの売れ筋ではどのショップでも必ず名前が上がる、ハラメイン・コレクション。ココナッツ+バニラ+サンダルウッド=ちょっぴりマイソール感を出そうと努力した感も伺える、非常に最大公約数的なアラビアン・バニラムスクで、まろやかで肌馴染みも良く、いい意味で力みがありません。持続も十二分、なるほど人気の程が伺えます。つけ始めは中庸ですが何故かスパイシーな表情が加わり、しかも徐々に拡散してくる底力があり、おまけにボトルも大盛りの35ml、量り売りに至っては100g$55と、質量ともに猛烈経済的といえます。ただしフォーマル度は低めなので、身近な普段使い向けでしょう。
価格： CPO 35ml $36 量り売り： 100g $55
ウー度 ★★☆☆☆
White Musk
ユニセックス、フレッシュ･フルーティ･ムスク。
どこのメーカーもホワイト･ムスクは出していますが、言われなければこれがアラビアン･フレグランス、いやムスクとは思わず通り過ぎてしまいそうな、誰もが常識的に「良い香り」と感じる、いわばトイレタリーの延長ともいえるフレッシュ・フルーティなホワイトムスクです。ショップによってはこれが一押しの売れ筋というから、皆「楽な香り」を求めているのかがわかります。廉価ラインの定番、スルタンも同じ路線で、付け厭きない空気のような存在ですが、体臭と混じるとオリジナリティが演出できる個人の引き出しを大事にしているのかもしれません。試みに真夏、デオドラントなしにつけてみるのも一興でしょう。
価格（量り売り）：※1 tola £8.95
ウー度：☆☆☆☆☆
Sultan
ユニセックス アラビアン・フルーティフレッシュ。
ホワイト･ムスクと比べると、少しムスキーで少しウードもありそうな、多少アラビアン的表情のある、スルタン。王の名を持ちながら最廉価帯の代表作というのがネーミングの粋で、そういえばシャイク（プリンス）、シャイカ（プリンセス）という名の香りも大体安価です。毎日つけてもつけ厭きない、男性だったらアフターシェーブの香りがお父さんの香り、みたいな位置づけの定番香ではないでしょうか。パッケージもベタで、かつアラブ過ぎない汎用型の香りなので、予算抑え目で貰った人もちゃんと使える良いお土産になりそうです。
ボトル：EDP 50ml $15 CPO 12ml $15
量り売り：100 g $65
ウー度：★☆☆☆☆
Bukhoor
ユニセックス（女性向け）、 アラビアン・フローラルインセンス。
アラブ香（インセンス）、バフールについてはASQの回で述べましたが、個人的に今回の取材を遠し出会った様々なアラブの香りで、出会えてよかったと心から思えた香調のひとつがこのバフール（ブクォール）・オイル。大体どこのメーカーもインセンスとしてのバフールに合わせ、香油としてのバフール・オイルも出していますが、白眉はASQとしてもアル・ハラメインのバフールも大変良くできており、元々が低価格帯の設定となるバフール・オイルにおいて、庶民派メーカーが意地を見せた出来映えです。ASQと同じくローズやジャスミン、アイリスやリリーやガーデニアといったフローラルがバニラムスクや香木と共に溶け込み、ミドル以降は滑らかなフローラルウッディムスクになります。西欧でも中核となる香料ですが、西欧との接点を見いだせないほどアラビアン。なお、この香油にウード片を浸してバフールにするため、これ自体にウード香はありません。
価格 量り売り ※1 tola £8.95
ウー度 ☆☆☆☆☆
Sandal Rose
ユニセックス、フレッシュウッディローズ。
伝統的なアラビアン･ブレンドは大体アラブ6大香料（ウード、ムスク、アンバー、サンダルウッド、ローズ、サフラン）の配合比率を変えて異なる表情を生み出していますが、単純にどれかとどれかをマッチングさせるコンビブレンドも多く、このサンダルローズも素直な材木系サンダルウッドとフレッシュなローズを合わせ、ローズが主役のすっきりしたウッデイローズに仕上がっています。変にココナッツやバニラ、ホワイトムスクを盛り込んでベタベタ甘々にしていないところが高感度。拡散が弱めなので、普段使いのオフィス用にもお奨めです。
価格 量り売り ※ 1 tola £8.95
ウー度 ☆☆☆☆☆
