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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Return of Aldehydic Perfumes / Introduction: Aldehyde, IMO

 

 

 

 

アルデヒド系香水王政復古

- Return of Aldehydic Perfumes -

- 古今東西アルデヒド系・粉物系の逸品を一挙紹介(代表作の年表と時代別特徴解説) -

 

Introduction: Aldehyde, IMO 

アルデヒドとは、他の香料をうまくまとめ、拡散させる力が強く、相互作用で特有のパウダリックな甘さが強調され、独特の香り立ち(リフト)を生みだす近代香水史上最も重要な合成香料のひとつです。アルデヒドが最初に香水へ用いられたのは、ウビガンのケルク・フルール(1912)だと言われていますが、非常に微量で、アルデヒドの効果を活かし切れているとはいえず、実際にはシャネル5番(1921)へ大胆に投入された香調をもってフローラル・アルデヒド系の誕生とするのが一般的でしょう。

誕生からまもなくして爆発的に流行したシャネル5番を鼻祖とするフローラル・アルデヒド系香水は、時代によって特徴的な表情が加わっていきましたが、1980年代後半から急速に衰退し、その作りこまれた「香水らしい香り」が逆に「香水臭い」と疎まれるようになりました。かくして現在のメインストリーム市場では絶滅危惧種の部類に属している、流行から外れた香りではありますが、2000年に入り、メゾンフレグランスを中心に復活の兆しも見え、新たな秀作も生まれています。アルデヒドの有無を問わず、パウダリー感が全面に出ている、通称「粉物系」の逸品が多いのも最近の傾向です。

序章では、アルデヒド系香水の誕生から現在に至るまでの、時代別特徴と代表的な香り、変化する推移を解説、次項より香りの詳細を一挙紹介します。全くの私見ですので、異論はあろうと思いますが、参考にして頂けると幸いです。一口にアルデヒド系といっても、時代や作風でかなりテイストが違いますので、お好みの逸品を見つけて下さい。

 

- 時代別推移と代表作 - ([ ]は香りの紹介なし)

period A:戦前 (20〜30年代)

特徴:少し重めで正装感のあるフローラル…
代表作:No5(period Xとして詳述)、No22、リウ(第2章で紹介)、フルール・ド・ロカイユ、レーマン、ジュルビアン

period B:終戦〜戦後(1940〜50年代)

特徴:甘くてパウダリックなフレンチ・シック系、ベビーパウダーっぽい…
代表作:アンティロープ、ルディス、バガリ(period Fで紹介)、カリプソ(同左)、[ランテルディ]

period C:高度成長期(60年代前半)

特徴:元祖の品格を踏襲しながらも、社会へと一歩前に出た女性の姿を形にした香り…

代表作:マダム・ロシャス、カレーシュ

period D:高度成長期後期(60年代後半-70年代)

60年代:グリーンが加わりながらもまろやかさもある香り…
代表作:黎明期としてマグリフ(1946)-クリマ、カランドル
70年代:グリーンとアルデヒドの強さが最大限開花して主張する女性のイメージが加わったスタイリッシュな香り…
代表作:アンフィニ、リヴ・ゴーシュ、ファースト、[ホワイトリネン]

period E:粉物系大爆発(80年代)

特徴:アメリカ人が髣髴する古き良きパリのイメージ、粉物系アルデヒドの大ヒット…

代表作:オンブルローズ、ルーテス

period F:粉物系リターンズ(2000年〜)

特徴:80年代以降急速に衰退したアルデヒド系香水が、21世紀に入り突如若い調香師の手によってリバイバル。様々な時代へのオマージュとなっており、アルデヒドを使わず、パウダリー感を表現の中心に据えた、ベル・エポックを髣髴するものも多い。現行販売品につき、精力的に紹介。

代表作:タンドネージュ、ダイア・ウーマン、バガリ(リニューアル)、ラムスール、アルデヒド44、オンブルローズ(リニューアル:period Eで紹介)、プタン・デ・パレ、トムオブフィンランド、ムーランルージュ、カリプソ(リニューアル)、レックレス(第3章で紹介)、オパルドゥ(同左)

periodX:シャネル5番

1921年の誕生後、元祖としてだけでなく、近代香水の頂点に君臨し続ける永遠の香り、5番。その現行販売濃度及び姉妹品を全紹介。