La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Period E: Age of Powder Bomb (1980's)

Period E: Age of Powder Bomb (1980's)

 

Ombre Rose L'Original (1981/2001)

日本でも根強いファンの多いパウダリー・フローラルの金字塔、ジャン・シャルル・ブロッソーのオンブルローズ・オリジナルです。粉物といえばオンブルローズ、という方も多いのではないでしょうか。次々にクラシック香水の取扱がなくなる中、日本でもEDTとパルファムまで販売があるのは嬉しい限りです。

1981年にフランソワーズ・キャロン調香で発売後アメリカに渡ると「タルカムパウダー系フローラル=アメリカ人が想像するフランスのベル・エポック」というイメージが良かったのかアメリカで瞬く間に大ヒット、続き世界中で大流行しましたが、その後一旦権利が他社に流れ廃盤、改めて権利をブロッソー自身が買い直し、再処方して2001年「オンブルローズ・オリジナル」として再発されました。基本的に体感的には殆ど変わりないのですが、リニューアル版ではアルデヒドが抜かれ、ベースに何処となく漂っていた脂性のくせが収まり、透明感が増しました。その分若干軽めに感じますので、今までEDTをご愛用の方は日本未発売のEDPをお奨めします。

ロジャ・ダヴ監修ゴールドボトルEDPとパルファム

 

Lutece (1984)

ウビガン社より1984年に発売、その後ダナ社がライセンスを継承したルーテスです。現在ダナから発売されているものはオーデトワレですが、香りだちはウビガン時代のEDPの方が若干まろやかで、トップの甘酸っぱい芍薬とアルデヒドが際立ち、ミドルにはパウダリックで少し重めのローズに変ります。

先行すること3年、 1981年に発売されアメリカで大ヒットしたオンブルローズ(リニューアル前)にかなり雰囲気が似ています。実際アメリカの香水サイトでは「カジュアル価格のオンブルローズ」と評されていることも
多く、リニューアル前のオンブルローズの力強いパウダリックなアルデヒドがお好きな方には大変お勧めの香りですが、ダナ版も廃番になったのか、オンブルローズは順当に値崩れしてどこのディスカウンターでも値頃に買えますが、逆に廉価版と言われていたルーテスのほうを見かけなくなりました。

ウビガン製 

ダナ製

 

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