Rasasi
country : UAE
アラビアン･フレグランスのファッションリーダー的存在と言われる1979年創業のラサシはUAE最大の都市ドバイに本拠地を置き、他のアラビアン・フレグランス･メーカーと同じく家族経営を誇りとしています。16,000㎡のオリエンタル（中東風)フレグランス工場及び5,000㎡のオクシデンタル（洋風）フレグランス・デオドラント専門工場で製造と、3大メーカー（アジマル、アル・ハラメイン、スイス・アラビアン）と比較して小規模で、例えば資生堂が所有する15の自社工場のうち、最新のベトナム工場(2010年4月稼動開始）の規模が敷地面積100,000㎡、建物面積25,000㎡という事を考えると、決して世界規模の企業ではないですが、世界50カ国に輸出、湾岸諸国においては115ものショールームを主要ショッピングモールやホテルなどに展開していることから、訴求力の強いメーカーと言えましょう。ウエスタンスタイルの香水に特化した工場を新設するだけあって、西欧化に注力していますが、一方でド演歌な怪獣系アラビアンボトルも健在なので、もとは結構ベタなメーカーだったんだと思います。高級ライン、インスパイア系もありますが、屋台骨であるミッド・マーケット向け香油は立上がりの酸味が強く、割と人工的なミクスチャーの香りが多いので、独特のケミカル感も含めて異国情緒を味わって欲しいメーカーです。
Al Ward Al Musk
ユニセックス、アニマリックハーバルローズ。
英訳するとシンプルにローズムスクとなるアル・ワルド・アル・ムスク、ボトルもバラの絵が描かれていたりしてめっぽうファンシーなので、ふわふわ柔らかホワイトムスクと甘いローズを想像したら痛い目に合いそうな、強面のアニマリックローズ。結構ごついアニマリックなブラック・ムスクにドライでハーバルなサフラン、酸っぱいマンダリンやシャープなローズが乗っかり、その下に硬いウッディノートがある上、やたらと拡散するので取扱注意。時間がたってもいつまでもまろやかにならず、持続時間もかなり長いので、オリエンタル系でつけたてのシャープ感が持続してほしい方にはおすすめ。
商品説明が尻切れなのがインシャラー
価格CPO15ml,$20
ウー度★★★☆☆
Amber Oudh
ユニセックス、アラビアン・ウッディフローラル。
ラサシの中でもかなりの人気と見えて、通販サイトでは2個セット、3個セット販売を良く見かけます。アラブ香料の東西横綱、アンバーとウードを合わせ、その名も直球の「アンバーウード」ですが、アンバーもウードも香りません。何だかわからないが付けごこちの良い、ただの良くできたいい香りのウッディフローラルです。とはいえヨーロッパのオリエンタルとは趣きが違うので、異邦人ムードは楽しめる、初心者向けアラビアンに仕上がっています。ボトルが素直にアラビアンなので、お土産向き。何も言わずに渡したら、難しくない良い香りだし案外ちゃんと使ってくれると思います。
価格CPO14ml,$15
ウー度☆☆☆☆☆
Maisam
レディース、アラビアンメインストリーム系ウードミックスフローラル。
アラビアン･フレグランスを初めて嗅いだ頃は、その微妙な違いがわからず、オリエンタルといっても今まで慣れ親しんでいた欧風オリエンタルとは全く違う、独特のエキゾシズムにたじろいだものでした。馴れてくると素材の良し悪し、ブレンドの違いなどが見えてきて、未知の世界へ大きく扉が開いたのですが、これは初体験の印象そのままのアラビアン･メインストリーム系。若干キリキリ香るオリエンタルで、フローラル要素は酸味の強いローズが中心なのであまりまろやかにならず肌馴染みは遅め。ラストはまったりとしたスキンムスクになります。
価格CPO20ml、$22
ウー度★★★☆☆
Sonia
レディース、パウダリーソーピーフローラル。
一言で言えば、どこか硬さのあるキャメイ石鹸昭和風（笑）ASQですらわざわざキャメイ風と謳う新作を出してくる位だから、いかにアラブでキャメイが人気かわかる香調。よってキャメイ好きにはたまりませんが、永遠の風呂上がりみたいなケのムードが溢れがちなので、フォーマルな場には役不足かもしれません。ミドル以降は良くあるのっぺりしたパウダリームスクローズになり、全般的にアラブ感ゼロ。こういう香りが未だに売れ筋と聞いて、粉ものに時空も国境もないと感慨しきり。
価格CPO15ml、$15
ウー度☆☆☆☆☆
