La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Tea Rose (1972) vintage 'parfum' version with pink box

ティーローズは、パヒューマーズ・ワークショップ社初の香りで、同社が
香料会社であるフィルメニッヒ社のジャック・モーウェンに対し「バラ園に
迷い込んだような香りで、花びらから葉、手折った茎に到るまでバラのすべて
を彷彿とする、そして香り持ちの良い香水を」と依頼したそうで、まさに
100%依頼主の要望どおり、いい仕事をしています。

海外では今だに根強い人気を誇り、アメリカでは2004年アカデミー賞授賞式
の際、当時シャネル5番のミューズを務めていたN・キッドマンがティーローズを
つけていて、価格差1/10以下の大衆香水を、あの大女優が!と結構な話題に
なったのが記憶に新しいです。
日本でもパヒューマーズ・ワークショップという社名に聞き覚えがなくても、
シンプルな四角いボトルのティーローズは、香水に興味のある人なら
誰でも一度は手にした事があるのではないでしょうか。発売当時は学生
でも手の届く価格、入手のしやすさ、そして単純明快な香りで人気を
博しました。現在は日本未発売、オードトワレのみの展開ですが、並行輸入
通販などで平易かつ安価に入手できます。発売当時はEDPや'パルファム'
バージョンといってピンク色の箱に収められた、ちょっと謎めいたボトルも
ありました。ただこの「パルファム」、何故かアルコール度数が66°と、
パルファムは勿論フレグランスとしても低すぎますので、賦香率がどれだけ
なのか、本当にパルファムなのか、記載されている内容では判りません。

香りとしては、迷いのないバラ一直線の香りで、良いも悪いもない、と言った
ところです。一応調香にはユリやチュベローズ、ジャスミンやサンダルウッドと
いった香料が上げられていますが、それがどうしたと言う位バラでしかないので、
バラに触手の動かない方には良さをお奨めできません。ただ、上滑りでシアーな
フルーティローズではなく、しっかりベースノートに深みがあるので、
香水としての骨格はきちんとしています。また、ブランドの狙いどおり物凄く
香り持ちがよく、お風呂に入って体をよく洗わないと翌日違う香りをつけても
まだ立ち上がってくる程で、洋服への移り香も強いので、洗える服の時に
つけた方が良いかも知れません。これはパルファム版だけでなく、現行EDTでも
同様のようで、あまりの香り立ちの高さ、香り持ちのよさにアメリカでは
ゴジラ・ローズ」の異名すらある程です。全然可愛くないですね。