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Grossmith London, the Greatest revival ever : day 3

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Episode two - Discovery
エピソード2:先祖探しの旅
昔、ルーツってアメリカのテレビ番組、大ヒットしましたよね。クンタ・キンテね。あれは黒人奴隷の話でしたが、先祖供養の概念がないキリスト教社会の人々も、結構気にしてるんですよ、自分の先祖はどんな人だったかって。前世は生まれ変わる前の話だから科学的には調べようがないけれど、先祖探しなら資料を基に辿っていけば何とかなる、イギリスの歴史は長いからー階級社会が根強く残るイギリスでは、もしかしたら自分は貴族の末裔かも?みたいな夢が描ける普遍的なテーマで、現在も堅調な人気のある「先祖探し」。調べていくうちの何代前の先祖に、当時としては接点がないはずの身分出身者がいたとか、どこまで調べても貧乏人ばかりだった、とか、案外聞くと身近な人の一人や二人は先祖探しをしたことがあるイギリスで、ファミリーツリーブームを決定的にしたのは、2004年にスタートし、現在も続投中であるBBCの長寿テレビ番組、Who do you think you areでしょう。


実際の番組はこんな感じです 国民的歌手、アニー・レノックスの回

 

番組では毎週セレブが地元の教会の洗礼名簿とかたどって、何代も前の先祖がどういう人だったか探していくんですが、もし先祖調査の問合せが第三者から来たら協力する、と公益団体みたいのに登録している人も多く、これが結構なネットビジネスにもなっていてある日突然知らない人からメールが来て、どこどこで苗字から調べたんだが私と先祖が一緒のようでした、協力してもらえませんか?という内容で、メールの内容からして心当たりがあったりして協力の返事をすると「詳しく家計図を作ったのですが、年間いくらの契約でPCからの閲覧が可能です」とセールスにつなげられてしまうケースもあるそうです。何でも商売ですね。ヨーロッパ、特にイギリスにはそんな土台があるというのを踏まえたうえで、これからグロスミスのリバイバル・ストーリーをご紹介いたします。

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先祖さがしで父方のいとこにたどり着いたら、家督のレシピが詰まった処方ノートが!

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ブルックさんの曾祖母、アメリアさん。この時代に肖像写真が残っているのは、ブルック家が良家の証

先祖探しをしていた不動産業で、マンチェスター出身のサイモン・ブルック氏(1952年生)が、ブルック家側の曾祖母の実父(つまり高祖父=ひいひいおじいさん=4代前の先祖ですね)が、1860年に社会改革に関する本”Government Upon First Principles”を著作した社会改革主義者だという事は、その本が家にあったので知ってはいましたが、同時にグロスミスという香水メーカーの創業者で、19世紀にはたいそう成功していた事を先祖探しをしているうちに知りました。

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グロスミス家の家系図。たどっていくと右下にサイモンさんの名前がある

同じく先祖探しで曾祖母であるアメリア・エライザ・グロスミス(1847-1932)の実家、グロスミス家側のいとこを探し当てたら、そのいとこの家に1851年、ロンドン万博で貰ったメダルと、ぼろぼろの革表紙のノートがあって、それが創業者の息子であるジョン・リップスコム・グロスミスが書いた手書きの香水の処方箋だったもので、ブルックさん、なんと2007年末には休眠会社だったグロスミスの権利を買い戻すという仰天行動に出てしまいます。そんなブルックさんを、雲の上からご先祖様が見ていたのでしょうか、会社の権利を買い戻すやいなや、ものすごいチャンスが到来します。そのチャンスとは…

 
会社の権利を買い戻したら、いよいよ復刻。次は新生グロスミス誕生までのストーリーです。
 
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