2010年11月にスタートした「架空の香水店」ラ・パルフュムリ・タヌ。おかげさまで無事本年も6周年を迎えさせていただきました。今年は本当に「人の縁、街の縁、国の縁」に生かされ、数々のチャレンジに挑んだ1年となりました。
ひとつは、LPTが長らく居を構える東京の城北、桜台にオープンした大人の図鑑図書館、Fumikuraとのご縁。これは、店主タヌが誕生日を迎えた翌日の２月4日、開店したばかりのお店へふらりと立ちより、しばらく店内でゆったりとした時間を過ごしたはずなのに、脳裏・眼下には、今行ったばかりのお店を貸切り、自分が白衣を着てスライドショーを行い、お客様にムエットで試香していただきながら香りの説明をしている姿が、それはありありと見えたのです。それが、そのたった3か月後、LPT初のリアルイベント、キャバレーLPTとして実現しました。誰だかわからない、ただ近所の人というだけで、快く企画を受け入れてくださり、その後も様々な形でLPTを盛り上げてくださったFumikura井守店長に、この場を借りて御礼申し上げます。また、平日の夜にもかかわらず足を運んでくださいました参加者の皆様にも、心より感謝いたします。
ふたつめは、元来LPTは店主タヌ単独レビューで形成されており、またほぼ女性ものの香りに限定していましたが、香水評論には全く縁もゆかりもないジェントルマンに協力を仰ぎ、メンズフレグランスのクロスレビューを男女ペアで行うという、多分他ではこんな危険な(?)香水評論は過去にも先にもないであろうA Gentleman takes Polaroidsの連載が、すでに半年続けることができ、LPTはメンズもフォローできる香水ブログに成長することができました。
そして最後に、イギリスのウィットネル夫妻に大きく後押ししていただきながら、初めてヨーロッパ大陸へ足を運び、長年の夢だったオランダのピュアディスタンス社とリアンヌ・ティオ・パルファムの単独訪問及び取材が叶いました。帰国後も交流はさらに深まり、これまでも海外の取材は幾度か行いましたが、オランダツアーはLPT史上のハイライトともいえる出来事でした。
香水は、誰のためにでもなく、自分のために着けるものです。普通に生きる市井の人ならば、1年にそう幾日もない、一日だってないかもしれない華やかな場のため、または誰かによくみられるための道具に使うのではなく、あなたが正しいあなたであるための、365日必要な、毎日揺らぐその日のあなたにちょうどいい、時に温め時に冷ます、下着のようなものです。私は、常に主流を目指しません。ただひとつ、今までも、今も、これからも良い香りを、自分の心に尋ねながら大事に紹介してまいります。是非これからも、店主タヌに忌憚なきご意見、ご要望をお寄せくださいます様、楽しみにお待ち申し上げます。
Perfume is, in my own opinion, something what you wear for yourself, not for someone else. Not for making you bigger than yourself, not for bluffing, not for seducing rich or good looking men at a party for your benefit. People who live their lives humbly have hardly got a chance to join some glittering parties which glossy paper or celebrities suggest.
Perfume is what you wear to keep yourself right - like a right underwear - it keeps you warm up, keeps you cool down, it encourages you, supports you, it soothes you to be what you are.
I am not going on the mainstream. I just follow my inner voice and listen to whisper of perfumes. This is LPT philosophy.
Thank you very much for your support through this year and hope you and yours have a happiest new year 2017. Warmest regards, La Parfumerie Tanu
