La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Odalisque (1989)

Odalisque (1989)

パルファム・ド・ニコライ初出の香りで、同時発売されたナンバーワンは発売早々リムヌ・オゥ・パルファム(フランスフレグランス協会)1989年度ベスト・パフューム・クリエイター国際賞を受賞した鳴物入りですが、このオダリスクも大変評価が高く、発売20数年たった今も廃盤になっていません。EDP1濃度の展開です。オダリスクとは、オスマン帝国の宮廷ハレムに仕える女奴隷を意味し、アングルが全裸の美女姿で描き残したオダリスクやトルコ風呂が有名ですが、実はあんなアングルの絵に描かれているような裸天国のようなハレムなど歴史的にあり得ないそうで、ハレムに遊ぶ縁もゆかりもない、一西洋人アングルの妄想特急であると、美術史では釘を刺しています。香りとしては、品格があり知的な大人の女性を髣髴とするクラシックなグリーン・フローラル・シプレで、グリーンを感じるのは主にスズランで、ジャスミンとオリスがオークモスに支えられ、ラストはしっとりとしたムスクに落ち着きます。ニコライ特有の、チュベローズ様でそこはかとなく脂性のベースが温かみを加えていて、終始穏やかに香ります。オードパルファムですが持続はそれ程長くなく、消え入り方も綺麗なので、日本の高温多湿な気候でも心地よく楽しめると思います。日本未発売。アングルのオダリスクみたいにもち肌でむっちりしているというよりは、もう少しスレンダーで、他のニコライの香り同様、スクエアで無駄口はきかない分別を感じます。

100ml旧ボトル。はっだっか〜、てんごっくぅ〜!って、古くてわかんないよね…

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