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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Paco Rabanne pour elle (2003) parfum

XX. Archive

カランドル、メタル、ラニュイといった、戦後の香水史に名を残す逸品を
輩出したパコ・ラバンヌですが、日本では2009年末に倒産したわかばが国内代理店
で、翌年川辺が業務移管したものの、移管の際パコ・ラバンヌはあえなく脱落。
その後フィッツ・コーポレーションが代理店となり現在に到りますが、既にその時
プールエルは本国でも廃盤だったようで、現在国内流通しているのはデッドストックです。
プールエルは最近の、しかもカジュアル系にしては珍しくパルファムの展開が
あり、私が入手したのは悲しいかな、わかばの倒産処分品で、貼られた定価の
1/10程度で投げ売られていました。わかばもよく国内発売したものだと感心する、
堂々30ml18,000円のワンサイズで、パコ・ラバンヌが新作発売の際パルファムまで
展開したのは、これが最後ではないかと思います。

それでは、ジャック・キャバリエとオリヴィエ・クレスプを調香師に迎え、
パルファムまできちんと作り上げてまで打って出た香りはどうかというと、
立ち上がりの瓜臭を耐えれば後は普通に心地よい普通のホワイト・フローラルで、
フリージアやジャスミンなどの強香な白い花が割りと肌馴染みよく主張して、
さすがにパルファムなので「軽くて、薄くて、きつい」という昨今のフレグランス
特有の香り方ではなく、じわりふわりと漂います。ベースが軽いので香り持ち
はEDP+α程度ですが、EDPほど拡散しないので却って使いやすいと思います。

名前にしても、香りにしても、奇をてらわず堅実に作り、ブランドの看板で
あるプールオム(1973)の彼女役として息の長い定番にしたかったのではないかと
察しますが、当時のパコ・ラバンヌの購買層にとって30mlのパルファムに存在価値が
あったかどうかは疑問で、結果として5年ほどで生産終了となったところを見ると、
ブランドのシグニチャーを背負って立つにはセールス的にも香り的にも少々役不足
だったようです。まあ、個人的には、立ち上がりに瓜が出てきた時点で定番を
背負って立つのは無理かな、と思いましたが、瓜さえ目をつぶればそこそこ汎用性の
高い無難で現代的なフローラルなので、もしまだどこかでカゴ盛り投売りされて
いたら、お値段以上の仕事はしてくれると思います。