La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Le Galion, about to relaunch in Japan : Interview with Nicholas Chabot, the owner of Le Galion / ÆTHER

 f:id:Tanu_LPT:20170629212430j:image
 
昨年6月に拙LPTで特集した、2014年復活の新生ル ガリオン。国内発売が決定いたしました。7月21日より阪急うめだ本店にて先行発売、なんと都内での販売拠点及び具体的な時期は未定とのこと。東京人の店主タヌには「初物の先行発売は新宿伊勢丹と相場が決まっている」と奢った思い込みがあるため、発売が決まっても店頭での試香が自分の縄張りですぐに叶わない…という、いつも首都圏以外の皆様が普通に感じていらっしゃるフラストレーションをダイレクトに受け止め、こういう形でひとの心がわかる人間に一歩成長させていただきました(笑)とはいえ国内総代理店は超大手・インターモード川辺なので、そう時間のかかる話でもないのでは?と期待を胸に、6月28・29日の2日間、新宿にて行われたプレス発表会に参加して参りました。
 
ル ガリオンの歴史はこちら

しかし、なぜ市井の一般人である店主タヌが、業界の新作発表会に参加?野良狸のくせに招待なんかされんの?
それは、たった1週間前の事…
 
先月私は、アンチ・パフューム系の先進ブランド、エーテル(ÆTHER)のサンプルセットを公式ウェブサイトで購入したのですが、その後エーテル兼ル ガリオンのオーナーである、ニコラ・シャボ氏から
 
「週末日本に行くんだが、君は練馬で香水店をやっているのか?君のお店にボトルを届けたいんで、会ってくれないか?エーテルで取り扱いものがあったら、一両日中に連絡が欲しい」
 
という、吃驚仰天な連絡が来ました。当然LPTは実店舗はなく、店はあってもネットショップで、しかも主力商品はムエットだのアトマイザーだの、香水小分け部材ばかり。ニコラ氏には速攻で「LPTはただのブログで実店舗ではありません。ル ガリオンについては昨年拙ブログで特集させていただきました」と丁重にお断りしました。それから数日後、なんとプレス発表会の招待状が代理店から来たのです。代理店には縁故なし。これには、本当に驚きました。ル ガリオンの日本発売も知らなかったし、ニコラ氏来日の目的も聞いていなかったので、寝耳に大洪水状態の驚きでしたが、代理店経由での正攻法な面会希望に応えるべく、心して会場に足を運びました。
 
ルガリオン ラ・コレクシオン紹介(2014年初出の9作)

 f:id:Tanu_LPT:20170629212503j:image
プレス発表会の一コマ。220㎡もあるスイートルームにて、司会進行役の方とニコラ・シャボ氏(45) 背後の書籍は1000冊もの東京に関するものを集めているそう。1泊866,250円、ギョエー
f:id:Tanu_LPT:20170629212705j:image
 プレゼンはニコラ氏が英語、司会進行役が日本語で訳しながら、途中香り付きカードムエットが配られる。通訳中の進行役に聞き入るニコラ氏
 f:id:Tanu_LPT:20170629212936j:image
豪華美麗プレスキット。たっぷり使える6.5mlサンプルアトマイザーは、日本の売れ筋厳選?ラ ローズ、イリス、ホィップ、222の4種。香りについては上記ラ・コレクシオンのレビュー参照。エーテルのサンプルボトルと同じ本体にスプレーヘッドをつけたもの。部材は共用がコスト管理の基本です
 
本日は、全く面識がない上、そもそもエーテルの件で問合せをしたにもかかわらず、ルガリオンの国内販売プレスレビューにご招待下さり、ありがとうございます。また、拙ブログLa Parfumerie Tanuは名前に「香水店(Parfumerie)」の文字がついている為、実在のショップと勘違いさせてしまい、それゆえご招待下さったのだと思いますが、誤解させてしまい申し訳ありませんでした。
 
ニコラ いやいやいいんだよ、それより是非ル ガリオンの発表会に来て欲しかったんだよ。来日前、昨年のLPTで特集してくれた記事を読んだんだ。きちんと紹介してくれてどうもありがとう。
 
- そうだったんですか。こちらこそ光栄です。そういいながら、今日はエーテルの香りをつけてきましたが(笑)
 
ニコラ ムスケタノールだね!もちろんわかったよ。
 
ル ガリオンのふんわりとしながらも洗練された普遍的な雰囲気とは違い、中々先進的な、エッジーな仕上がりですね。
 
ニコラ その通りだ、的確な感想をありがとう。ル ガリオンは、最高品質の天然香料にこだわり、洗練されたタイムレスなフレンチ・エレガンスを追及しているが、エーテルは全くコンセプトが違い、合成香料の限りない可能性を追い求めている。対極にあるコンセプトで双方成り立っているんだ。けれど、ル ガリオンも、ただ古いブランドを蘇らせただけ、昔の香りをそのままの形で再現しただけでは、将来的に長く愛されないだろう?そうではなくて、オリジナルのフォーミュラには限りなく敬意を表し誠実に処方を検討しながら、現代の香りとして生まれ変わらせたんだ。新処方に関しては、オーナー調香師だった実娘のドミニク・ド・ユレスティさん(1978年にメガラを制作後、サラ・リーにブランド売却するも、処方はすべて所持していた)にル ガリオンらしさがきちんと表現できているか、ひとつひとつ確認を取りながら、丁寧に再処方しているんだ。
 
確かに、和菓子でもそうですけど、老舗の味といったって、長い年月の間に、現時点の味覚で体感して「変わらぬ味」になるよう、ミリ単位での微調整を続けているからこそ、100年経っても変わらぬ味、と評価されるわけですからね、香りにしても、サスティナビリティがない復刻ものは、現代人の嗅覚に訴求せず一時の話題で終わってしまい、長く愛されない可能性がありますよね。
 
ニコラ まさしくその通りなんだ。今を生きる人に、タイムレスな魅力を、長く楽しんで欲しいんだよ。
 
ところで、新生ル ガリオンのご指南役であるドミニクさんは今おいくつなんですか。
 
ニコラ 75歳だ。いまだに現役で働いている方だよ。
 
75歳。まだまだお若いですから、今後も共同制作が可能ですね。
 
ニコラ そうなんだ。オリジナルブランドの関係者がご存命で、しかもまだまだ現役でアドバイスしてくれるというのは我々にとってラッキーなことだね。
 
今般の日本上陸について、一番の決め手になったのは何ですか。
 
ニコラ 自分は日本が大好きだし、アジアにはまだ販売拠点がないので、まず最初に日本で販売したかったんだ。これからシンガポール、韓国へと進出していく事になると思うが、まずはいの一番に日本、と決めていたんだ。
 
日本に対してそんな思いで上陸してくれて、一ル ガリオンファンとしても嬉しいです。そして国内販売価格が、ヨーロッパ流通価格が100ml140ユーロ(≒18,000円)と比較して、税抜18,500円と設定したのは、非常に良心的だと思うし、日本の購買者にとってアクセスしやすい価格帯でスタートしていただけるのはとてもありがたいです。
 
ニコラ どうもありがとう。そもそもル ガリオンは、かつて1960年代後半に日本上陸している。我々は日本に戻ってきたんだ。昨日の発表会では、当時日本で発売されたソルティレージュのヴィンテージを参加者の一人に提供してもらった。会場で回覧していた日本の業界誌は、初めて国内発売した際の紹介記事が掲載されているものだが、そこに当時の販売価格も載っているので、参考にしてほしい*。
 
私も、1960年代初頭に、イギリスで製造されたソルティレージュのオーデコロンを所有していますが、海外にライセンス製造拠点まで設けて流通させていたんですから、いかにソルティレージュが世界的に人気だったか推して知るべしですね。そのコロンを嗅ぐと、私の母方の祖母を物凄く思い出すというか、実際うちの婆さんはソルティレージュみたいな良いものなんか絶対使ってなかったはずなんですが、それでも婆さんの姿が目に浮かぶというのは、ソルティレージュがどれだけ当時の日本で流行っていた香りに影響を与えていたか、という事にもつながりますね。
 
ニコラ イギリス版のヴィンテージを持っているのか!それはすごい。そして日本ではソルティレージュが君のお婆様を彷彿とする、時代を象徴する香りだったというのも嬉しいね。
 
ただの婆さんでしたけどね。日本では滞在中どのようなご予定で?
 
ニコラ 日本には6/25に来たんだが、これから、大阪、京都、広島と幾つか都市を訪問する予定だ。
 
そうですか。あいにくの梅雨時期ですが、どうぞ残りの滞在を楽しんでください。本日は短い時間でしたが、お話を伺えて光栄です。今後、LPTでもエーテルとあわせル ガリオンの近作を都度紹介させていただきます。日本での再びのご成功を心より祈っています。ありがとうございました。
 
 
【お知らせ】昨年紹介した初出9作のレビューに続き、その後発売された6作品のレビューおよび今回のインタビュー実現のきっかけとなった、エーテルの5作品を近日中にご紹介いたします。どうぞそれまでお楽しみに!
 
*国内初上陸時の記事については、あいにく会場で手に取る事ができなかったので、もし後日確認できたらこちらのページで追記させていただきます。
 
  

Le Vetiver (2009)

立ち上がり: 普段つけてるベチバと同じ系統の香りですがこちらのほうがやや甘さが強い
昼: やや苦い感じの香りが出てきました
15時位: 朝とは別の甘い感じが現れてきました
夕方: 15時位の印象のまま弱くなりました
ポラロイドに映ったのは: 見た目はノーブルなんですが実は下の毛を剃毛してるおじさん。(意味不明)
 
Tanu's Tip :
 
2016年10月「ベチバー、ベチバー、ジェントルマン」の回で、ジェントルマンが愛してやまないベチバー系メンズフレグランスをご紹介した際、何度撮影にトライしても露出不足(≒持続とイメージが弱く、印象がつかめない)のため、最後はPFMのジャケ写が念写されてしまった、カルヴェンのオリジナル版ベチバー。

ご記憶にない方のためにリンクを貼っておきましたが、その際同時に取り寄せていて「オリジナル版より良い」と既に高評価を得ていた2009年版のル・ベチバーをご紹介します。
 
 f:id:Tanu_LPT:20170625165333j:image
ル・ベチバー オードパルファム 100ml まだ沢山並行輸入品が出回っています
 
カルヴェンのベチバーは、世界3大ベチバーのうち最初に発売された元祖ベチバー香水ですが、2009年、わざわざ能書きに「1957年に発売された、オリジナル版ベチバーと同じ処方で作っています」というフィルメニッヒ社のお墨付きを箱裏に印刷しているのに「ル・ベチバー」と改名し、しかもあっという間に廃番となったうえ、2014年には再び「ベチバー」と冠詞の付かないオリジナルネームに出戻ったものの、処方についてはこちらもオリジナルの再発という以外情報がない…という、なんとも不可思議な変遷を遂げています。
 
 f:id:Tanu_LPT:20170625165349j:image
箱の裏にフィルメニッヒ社の処方証明。その前にボトルの品質保証をお願いします
 
香りとしては、確かにジェントルマンの言う通り、オードパルファム濃度なだけにオリジナル版ベチバーよりこちらのル・ベチバーの方が「根性がある」というか、ガツンとグリーンが香って逃げ足が速いオリジナル版より複雑な構成で、甘さも苦みもあり、おっさんらしい胸板もあり、ベチバーらしさも充分、香りも長持ち…と、すべてにおいてワンランク上。しかもフィルメニッヒのお墨付き。ただ一つ難を言えば、こちらのボトルもオリジナル版と同じく、スプレィヘッドの首がボッキリ折れて届いたことです、しかも液漏れ。フレグランスは正規店で買おうと通販で買おうと、百歩譲って香りの劣化が始まっている可能性があるにしても、ディスカウンター通販店で買ったから首根っこがボッキリ折れていても良い訳がなく、むしろシュリンク包装未開封のまま、余剰在庫から横流ししている通販店のボトルが、このメーカーに限りいつもスプレィヘッドが折れている(注:別々のショップで買いました)、というのは、そもそもこのメーカー(の委託先)が製造している製品の品質に問題があると思いますし、長年海外通販を有効利用し、数えきれない本数を購入してきましたが、シュリンク包装未開封品で首根っこが折れて届いたのはカルヴェンの商品だけです。
 
f:id:Tanu_LPT:20170625165402j:image 
首根っこ、ボキッ そして液漏れ


それとは関係なくポラロイドに映ったのは「剃毛している上品なおじさん」。何の因果でそんなおじさんが?と思った瞬間、私は数年前ジェントルマンと一緒に参加した、とある暑気払いを思い出しました。ジェントルマンの旧友10数名でちょっとこじゃれた居酒屋に集まり、長机向かい合わせで会話をしていたところ、長机の一番端にいた一人が、私とはほとんど面識のない、汗もかかなそうなうりざね顔のIT系実業家で、突如「自分は剃毛しているんだ」と言い出したところ、その人の斜め向かいに座っていた、これまた音楽系実業家が「うちも夫婦で剃ってるよ」「剃り始めたら、生えているのが不自然でね」と言い出し、二人でワイワイ剃毛話で盛り上がり始め、会話に取り残されたもう片方の端側にいた私やジェントルマンは違う意味で相当な納涼になりました。あのものすごく寒い暑気払い以来、話を切り出したIT実業家には一度も会っていません。今でもきちんと下の毛までお手入れして、スタイリッシュに生きているのか、風の噂にも聞こえてきませんが、私の印象としてはそういう人はル・ベチバーどころか「完全に無味無臭」な気がします。

Givenchy Gentleman (1974)

立ち上がり: アラミスと似た感じ。でも少しスキッとした感じでしょうか。
昼: ベチバー系の香りが出てきました。
15時位: 大分薄くなってきましたがレザー系が薄っすら
夕方: 前と変わらず
ポラロイドに映ったのは: 夏でもネクタイしめてスーツ着てるけど汗っぽくない人(うらやましい)
 
後世に影響を与えた偉大なる名香のひとつとして名高いジバンシイ・ジェントルマンは、アナイス・アナイス(1978)を共同制作した調香師の一人、ポール・レジェが手掛けていますが、アナイスとジバンシイ・ジェントルマン以外知られていない方で、名香でも調香師とセットに語られることが殆どない香りだと思います。
 
 f:id:Tanu_LPT:20170624220732j:image
ジバンシイ・ジェントルマン オードトワレ100ml 当時のいい男の香りがします
 
ジェントルマンはベチバー系と言っていますが、どちらかというとワイルドなパチュリ感が強く、ベチバー主体の香りよりもっと男ましましな感じがします。オークモスやレザーなど、当時男を表現するには欠かせない香調に、体臭と親和性の高い動物性香料で、逆転の発想で「生身の男がそこにいる」という存在感をアピールしながらも、ボタンを閉めてもシャツの下は裸で胸毛がうっすら透けて見えるが、決して嫌らしさにはつながらず、むしろ正しいセックスアピールが完成するという、清廉と淫靡の狭間という絶妙なバランスを保っています。70年代の洋画のエロいシーンで登場するカッコいい男性は、脱ぐ前は1ミリの隙間もないスーツ(三つ揃い)をビシッと着ていて、きっとこの辺りの香りがするんだろうな、というシンプルな想像が働きます。
 
 f:id:Tanu_LPT:20170624220744j:image

さてこのジバンシイ・ジェントルマンはジバンシイのメンズとしてはベチバー、ムッシュー・ジバンシイ(共に1959)に続く3作目ですが、ジバンシイはその後色々メンズのバリエーションも増える中、最初のドジョウ、ジェントルメン・オンリーが登場するまで39年もかかっており、その後堰を切ったようにジェントルメン・オンリーのドジョウがバカスカ出ています。よく「ジバンシイ・ジェントルマンを現代的に解釈…」みたいに語られるジェントルメン・オンリーシリーズですが、香りとしては現代的解釈とは言えないくらい現代的な上、よく見るとオリジナル版は「ジェントルマン」と単数ですが、ドジョウは「ジェントルメン」、つまりもはやひとりの男を際立たせるのではなく、最大公約数の群衆としての男性向けに方向性がシフトしており、このオリジナル版とは別物として考えたほうがよいでしょう。セクシーの解釈も全然違い、どこか汚れた匂いも混在した清潔感に異性は本能的に惹かれる、というジバンシイ・ジェントルマンの抗えない魅力を捨てた時点で、ジェントルメン・オンリーシリーズは現代に生きる男性と共に別の道を歩んでいると思います。
 
 

Eau de Fleurs de Cedrat (1920)

A Gentleman takes Polaroids chapter twelve : Gentleman in rainy season
 
立ち上がり: レモン系の爽やかな香り。複雑さはないですな。単純明快でいい香り。
昼: 朝香水つけ忘れてたっけ?
15時位: 上に同じ
夕方: 上に同じ つけて10分もすれば消え去ります。思い切りが良いねー
ポラロイドに映ったのは: こじゃれた茶店なんかで出てくる レモン少し絞ったお冷。
 
Tanu's tip :
 
香水の出来不出来を測るうえで、日本ではさほど重要視されませんが、欧米では香りの良し悪しと同じくらい、いやそれ以上に重要視されるのが「香りの持ち」。香水の消費量が日本人のそれとは比較にならない欧米では、いい香りでも長持ちしなければつけ直すことになるし、つけ直す分減りも早い、よって不経済だ、不経済な香水はよくない…あれ?さっきまでいい香りだから気に入ってたんじゃないの?という視点の違う論法で評価されてしまいます。ただし、そもそも外出用に使うものではなく、衛生状態が今よりずっと悪く良い薬もなかった中世には殺菌剤や気付け薬として発明されたオーデコロンはまったく別。シャワーを浴びて、バッシャバシャ浴びて、ああさっぱりした風呂入った、で出かけるころにはもう香りが消えていてもかまわない、むしろ消えてくれて上等、だって出かける時はそれこそお気に入りのオードトワレやオードパルファムをつけるんだから。
 f:id:Tanu_LPT:20170624213542j:image
「セドラの花」オードフルールドセドラ オードトワレ100ml
 
でも、このジャック・ゲランが1920年、ミツコを発売した翌年に発表した、つけた後の香りがゲラン史上最速で消失するオードフルールドセドラは「オードトワレ」なんですよね。欧米の香水コミュニティでも「いい香りなんだけど、こんなに持たなくてこの値段はないよね」「瞬間消えるね」とその二点ばかりフォーカスされているオードフルールドセドラ。つけた瞬間、針やデジタルが豪速で回るストップウォッチの文字盤が目に浮かぶ程、瞬殺で香りが飛んでしまう驚くべきその速さは、体感したものでなければわかりません。肌の上よりも保香性の高いムエットにたっぷり含ませても、10分後には何も香りません。ゲランの他の「オー」と名の付く一連のオーデコロン、オーインペリアル(1853)やオーデュコック(1894)、近作のコローニュデュパフュマー(2010)と比較してもなぜこれでオードトワレと呼ぶのか、猛烈に逃げ足が速い上、ゲラン公式サイトでも「服の上からスプレーしてさっぱり」「ほかの香りと重ね付けしてもグッド」と、シャツクールかよ!!ともはやこれ1本で楽しめるフレグランスとは別物として扱われていることから、これ1本でひと夏過ごそう、など思っている方には「オードフルールドセドラは用途が違う」と耳打ちしてあげたくなります。ちなみに国内販売価格は100mlで12,312円です。
 

 

熱中対策シャツクール 冷感ストロング 100ml
ジェントルマン 梅雨から夏場の必需品、シャツクール 類似品は妙に香料が残るので、できればこれか無香料のものをお勧めします。ちなみにオードフルールドセドラには「汗をかく度にひんやり持続」の効果はありません

なぜこんなに持続しないのか?それは、原料が「天然レモン、ベルガモット、セドラ、以上」だから。たちあがりのレモン感は、今から40年くらい前に日本でも大ブレイクした「ラブズフレッシュレモン」というレモン一発のオーデコロンを思い出しますが、さすがに桁1個違うので、同じレモンだったら前者はOPP・TBZ・イマザリルといった農薬バリバリで転がしておいても絶対腐らないレモン、後者は千疋屋で売ってる契約農家から取り寄せた高級柑橘類のバスケット、みたいな格があります。レモンのほかにビターなベルガモットとセドラが出てくると、もうストーリーは後半戦。ジェントルマンのポラロイドにも、シャレオツなベーカリーカフェかなんかで出てくる、レモンスライスと氷をたっぷり入れたでっかいカラフェから、素敵なエプロンをしたかわいいお姉さんが注いでくれるお水を一飲みしたあの瞬間が映っています。そういう店、経費節減なのかずいぶん減りましたね。
 
 
 
 

Parfum magazine no. 182 coming out

一作年6月よりスタートいたしました店主タヌの連載「忘れられない香り-The Unforgettable Scent-」掲載の老舗香水専門誌、パルファムの最新刊・182号が、今月6月20日(火)発売となります。

季刊誌であるパルファムは、日本を代表する香水評論家、平田幸子先生が長らく編集長をつとめ、基本的には国内発売される新作香水紹介やショップインタビューを中心とした専門誌ですが、掲載テーマは香水にとどまらず、芸術、文化、シネマ、ファッションなど各方面から力量確かな執筆者の多岐にわたる寄稿が、美しく印象的な画像満載のフルカラーページで堪能出来るのが特徴です。

今回の本誌特集のテーマは「夏こそチェンジ&チャレンジ」。開放的な気分になる夏、香りも冒険のススメ!高温多湿の厳しい気候に負けず、え、こんな時期にこの香り?みたいな逆転一発大勝利な1本、夏からはじめる新しい香り…夏イコールフレッシュなシトラス系、なワンパターンなチョイスはもう卒業!香水一筋40年の専門誌、パルファムならではの視点やセレクションでご紹介いたします。また今号に限らず、新作香水のご紹介に合わせ、記事中の香りを抽選の上惜しみなくプレゼントしているのも見逃せません。記事を読んで気になった香りは、迷わずプレゼントコーナーに即応募!というお楽しみがあるのも、パルファムの大きな魅力のひとつです。

「忘れられない香り - The Unforgettable Scent」は、数と香水名にまつわる「ちょっとすべった」クラシック香水を2選ご紹介。オーナー同士ちゃんと話し合ったはずなのに、挙句の果てには改名を余儀なくされた戦前のあの香り、本社の番地から名づけただけなのに、いつまでもパクリだと誤解され続けた残念な戦後の名香…今回も心と記憶にこびりついて離れない「香り」と、香りにまつわる千夜一夜を、店主タヌが語り部として綴ります。ブログ同様、パルファムでの連載も是非お楽しみ下さい。

今回で連載3年目に突入、第9回目となる「忘れられない香り」ですが、是非とも定期購読のご継続(または電子版によるご購読)をお願いいたします。連載継続もひとえにLPTファンそしてパルファム愛読者の皆様の暖かいご支援によるものと感謝し、これからも心をこめて「忘れられない香り」をご紹介してまいります。

パルファムは定期購読(年4回分前納/送料込2,400円)にてお手にとっていただけます。

f:id:Tanu_LPT:20170616134859j:plain

パルファム182号表紙 ずっとブロンド続きだったので新鮮な、ダークカラーの髪が素敵

 

【パルファムは電子版でもご購読いただけます】

※連載「忘れられない香り(The Unforgettable Scent)」開始号である174号より紙媒体の本誌にあわせ電子版がスタートしました。普段オンラインベースでご愛読いただいているLPTファンの皆様へ、本誌と併せ電子版での購読もお奨めいたします。閲覧用無料アプリはiOS・Android双方対応。※パルファム誌購読コンテンツ料としてアプリ内課金が発生します。

《ダウンロードはこちら》  2017年6月20日(火)以降配信開始

f:id:Tanu_LPT:20160319213206p:plain Androidユーザーの方

f:id:Tanu_LPT:20160319213511j:plain iOSユーザーの方 

f:id:Tanu_LPT:20151220175610p:plain
《購読のお申込みは、上記パルファム画像をクリック》

 

※購読お申込みの際、備考欄に「LPTブログ(またはLPTのFacebookページ)を見た」とお書き添えいただけると幸いです。