La Parfumerie Tanu

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I'm a Stranger in Arab 3 : Swiss Arabian

Arabian mainstream house 3 : Swiss Arabian (UAE)

スイスアラビアンは1974年創業、本年創業45周年のアラブ最大手級メーカーですが、やっぱりここも家族経営!じいちゃん、父ちゃん、僕アラブ。親子三代インシャラー!ほかのブランドとの一番の違いは、原料を自社調達ではなくスイスのジボダン社から一括調達している点で、それで社名にスイスってついているんですね。ジボダンといえば1895年の創業で、いくつも合併吸収を繰り返した結果世界最大手になった香料会社で、スター調香師を沢山輩出していますね。まずは大御所、①ダニエラ・アンドリエ。プラダやブルガリ作品を一手に引き受けています。まあジボダンCEOの奥さんですからね。次にエラケイのオーナー調香師、②ソニア・コンスタンはジボダンのシニアパフューマーです。去年日本に2回も来日していて、昨年の伊勢丹サロンドパルファムにも来てました。ビッグインジャパンかもしれません。ついでにこの方、現在エルメスの専属調香師、クリスティーヌ・ナジェルの義理の妹さんなんですよ。ご主人がナジェルさんの弟ね。そして若手ですがLPTでは頻出のこの人、③クエンティン・ビッシュ。これは英語読みで、彼はフランス人なので正しい発音はカンタン・ビシュです。なんかキャバレーに毎回出てきますね。世界的に品質が認められた信頼のジボダン原料で最高品質を提供するというのが旗印ですが、その割に結構ケミカルな香りが多いのも特徴です。年間生産量はアジマルの2倍。世界80カ国で販売されていますが、日本は上陸していない貴重な国の一つで、何度お問合せ窓口に聞いても金輪際返事をくれません。鼻もひっかけられない、全くもって歯が立たないのがスイスアラビアンです。中東におけるトレンドセッター的ポジションにいるもう一つの理由は「デザイナー・インスパイア系」と呼ばれる、所謂欧米人気フレグランスの香油版も間髪入れず出している事で、案外そっちの方が屋台骨だったりしそうな売れ行きで、しかも原料はジボダンですので間違いがありません(笑)うっかりパチモンとか口を滑らせたらジハードされかねません。実際良くできているのも事実で、販売店もインスパイア系香油を自信を持って「100%オーセンティック・スイス・アラビアン製」と堂々販売して利益を上げています。インスパイア系については後半でじっくりご紹介しますね。

 


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6.Mukhallat Malaki

スイスアラビアンの最多価格帯を代表するムハラット・マラキは、湾岸諸国では不動の人気を誇るベストセラーです。練り香やバフール、お香ですね、ギフトセットなど色々ライン展開しています。5年前にはなかったですが、この5年の間にローズ・マラキとムスク・マラキという二匹のドジョウが登場したほど人気が衰えません。ローズはコクのあるタイフローズ系、ムスクはもちろんトレンドのしみにならないホワイトムスクですね。パッケージも真っ白。ムハラット・マラキは英語でロイヤルブレンドの意味です。ボトルがシンプルできれいですよね!怪獣のようなボトルが多いアラビアン・クラシック系としては一際美しく見えます。香りは重厚で、演歌で言ったらサブちゃん系の安心感があります。正装感も充分有り、メンズよりのユニセックスですが、ローズとサフランをきちんと感じることが出来る滑らかなブレンドなので、女性でも例えば織の着物に合わせてふんだんに香らせたら相当色っぽい演出になると思います。奇をてらわずまじめに作っているのが良くわかる、アラビアン・タイムレスですね。ウー度は星4つ(★★★★☆)。

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ムハラット・マラキとそのドジョウたち。手前からムスク・マラキ、ムハラット・マラキ、ローズ・マラキ

7.Jannat al Firdous

実は、スイスアラビアンが創業当時から一度も廃番にせず、最も誇りに思っている作品が、この携帯用うがい薬みたいな瓶に入ったスイスアラビアン中最も安い香油、ジャナット・アル・フィルドゥスです。この瓶1本6.5ドルなんですが、ここまで安くて、なお方々でコピー品が出回り「偽物に注意」とわざわざ保証書まで箱に入ってるんですよ。凄い念の入れようです。しかも他社のほうが高い場合も多々あります。

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ジャナット・アル・フィルドゥスのボトルと同封の保証書。コピー品の方が概してお高い


この「至上の楽園」を意味するジャナット・アル・フィルドウスと「湾岸のバラ」を意味するザーラ・アル・ハリージという名前がついているものは、アラビアン・フレグランスでは安物の代名詞で要注意です。あまり高いものは趣味の世界ですが、あまりに安いものはこの世に存在しない物でできている香りがします。初めて嗅いだ時、鋭いケミカル臭にのけぞって、別の意味で「至上の楽園」に行きました。まるで超音波を発しているような破壊力のある、何でできているかわからないウッディグリーンフローラルで、これだけ嗅ぐと基材臭を香料でマスキングしきれていない強力洗浄剤のようです。一度嗅いだら二度目はないと思われる位、日本人には難易度の高い香りですが、5年ぶりに、新品のボトルから嗅いだら、あれだけ驚いたのが嘘のように「あれ?まあ、ありかも」と素直に思って、自分の鼻の成長に我ながら驚きました。だからって自分じゃ絶対使いませんけどね。ウー度は星ひとつ(★☆☆☆☆)です。

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Official website : https://www.swissarabian.com/

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