La Parfumerie Tanu

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Polo (1978) / A Gentleman takes Polaroids chapter three:A Gentleman in Autumn

立ち上がり:サー・アイリッシュ・モスに似ている。70年代の男の匂い
 
昼:ややモス臭さは抜け甘い感じが出てきます
 
15時位:昼の感じを持続。モス臭さは昼から変わらず
 
夕方:甘い匂いが微かに残る程度、モスさは消滅
 
ポラロイドに映ったのは:3ピースのスーツを着た髪をポマードで撫で付けたお父さん

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Tanu's tip :
アメリカの良心、ラルフ・ローレン最大のヒットと言えば、1978年発売のこちらでしょう。ホルストン(1975)を筆頭にレッドドア(1989)やホワイト・ダイアモンド(1991)などのアメリカン・メガヒットをはじめ、エタニティ・フォーメン(1990)、ピュアプアゾン(2004)、ブルガリ・ジャスミン・ノアール(2008)など、数々の大衆香水を手掛けてきたカルロス・ベナイム調香の、このポロでしょう。1978年に発売以来、アメリカの高校生マストハブになり、数多くのドジョウも生まれました。香水をお使いにならない方でも、あの印象的な緑のボトルとは、必ずどこかでニアミスしているはず。つけた瞬間、にがっ!!とのけぞるパワフルなパインニードルの消毒系ハーバル・バーストにジェントルマンは70年代にタイムスリップしていますが、70年代と言えば、健康志向のアメリカだって、まだまだタバコスパスパ、煙もくもく。タバコノートはとっても親しみやすいアクセント。そして革ジャンのレザーノートもオーバーラップして、清潔感とちょっぴり背伸びのハーモニーがヤング・アメリカンのハートをわしづかみにしたのは容易に想像がつきます。しかし、その姿は今、70年代から80年代の映画を見ると「ふ、古くさ…」とちょっぴり失笑してしまうのと同じく、レトロにもモダンにも進めない、タイムレスにも届かない、時の側溝にはまった感のある時代感を感じるのは、そのギンギンに拡散する少々独りよがりな香り方にも起因するのではと思います。若い人に人気の香りだったはずなのに、ジェントルマンのポラロイドに映ったのは、ポマードのお父さん。スタイルそのまま、カメラの前で年を取ってしまったのでしょうか。まあ、確かに70年代の映画は3ピースのスーツが頻出していましたね、しかも当時のお父さんは、たばこ臭いのが当たり前でした。
さて、今回も彼の盟友である幻のドイツ安香水、サー・アイリッシュ・モスが登場、いよいよそっちの方をポラロイドで映すのが急務となってきました。只今鋭意取り寄せ中ですので、今しばらくお待ちください。
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