La Parfumerie Tanu

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Eau Sauvage (1966) / A Gentleman takes Polaroids chapter one:The Great Iconic, A Gentleman's chioce

Eau Sauvage (1966)
 
立ち上がり:
つけ始め シトラス系の香り 目覚めスッキリな感じですな。
 
着衣後:
同上
 
1時間経過:
1時間後 サー アイリッシュ モス系のグリーンティー系の香りが残り
 
5時間経過:
昼 ほとんど抜けてます 微かにグリーンティー系に香りが
 
10時間経過:
夕方 全く抜けた 汗臭い
 
ポラロイドに映ったのは:
見えたもの 茶室にいるオールバックの40代
 
Tanu's Tip : 

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名匠中の名匠であり、後続の調香師も数多く育成したエドモン・ルドニツカ。ミス・ディオールを生みだしたポール・ヴァシェがパルファン・クリスチャン・ディオールの芽吹きを司る庭師なら、ルドニツカは地を固め多くの巨木に花を咲かせた造園主といえましょう。ディオールで作ったメンズフレグランスはオーソバージュだけですが、その1作がその後の流れに多大なる影響を与えて続けています。シトラスのバーストを印象的に展開させる、ラベンダーやローズマリーなどのハーバルなアロマに、ガツンときいたへディオンが、戦後の香水はかくあるべし、という解放感と若干のあやうげな影と衝動を主張します。同じ爽やか路線でも、プール・アンノムのような「俺風呂入った」的清潔感ではなく、かなり異性幻惑系の要素がありますので、エッチなオヤジも使ってる、というのが正直な印象で、その辺をジェントルマンは過分にバブル世代の残光が見え隠れする自身の観念も多重露出しつつ「オールバックの40代」としてファインダー越しに見たのだと思います。ただし10時間後の汗臭いのは、オーソバージュの責任ではありません。
ところでジェントルマンがいきなり思い出した「サー・アイリッシュ・モス」というのは、オーソバージュとだいたい同じころにドイツで登場した、立ち上がりの武骨なハーバルグリーンノートから、いつまでも甘重いクマリンモッシーノートがもんわり続く、寒冷地仕様のアロマティック・ウッディノートの庶民派香水で、現在もモイラー&ヴィルツ社から発売中ですが、いかんせんオーソバージュはユニバーサル仕様、サー・アイリッシュ・モスはドイツ及び周辺欧州諸国のローカル香水ですので、ジェントルマンの数少ない引き出しから近似値を探したらマッチしたのがサー・アイリッシュ・モスでは、さすがのLPTとしても日本じゃあまりに知名度がなさすぎなので、少々戸惑いました。
閑話休題、最近のオーソバージュのボトルはマグネットが仕込んであって、はめるとビシッとボトルに装着されるのが、逆にダサい演出に思えるのですが、これはキャップの紛失防止対策でしょうか?シャネルやほかのメーカーでも最近よく見かけます。
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