La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

無断転載禁止

Les creations de Monsieur Dior: Dioressence (1969), Diorella (1972)

Les creations de Monsieur Dior: Dioressence (1969), Diorella (1972)

2009年、世界中のディオールファンの熱望に答え、エドモンド・ルドニツカ作中心に過去の名香5点をまとめたクリスチャン・ディオール・ヨーロッパ専売のコレクション・Les creations de Monsieur Diorが発売になりました。

Les creations de Monsieur Dior line up :

  • Eau Fraiche (1953)
  • Diorissimo (1956)
  • Diorella (1972)
  • Dioressence (1979)
  • Forever and ever Dior (2002)

日本ではこのうちディオリッシモとフォーエヴァーアンドエヴァーしか発売されていない上、このコレクション自体ヨーロッパ圏外には輸出規制がかかっており、海外通販で見かけても日本には発送してもらえず、中々に入手困難なのですが、正攻法として免税店での購入をお奨めします。全5種がスモールサイズでコフレになっているものを羽田でも成田でも免税店で見かけますので、海外旅行、またはどなたかが海外にお出かけになる際は入手のチャンスです。コレクションのうち最重要2点を簡介します。

Diorella(1972)エドモンド・ルドニツカ調香

名匠ルドニツカをしてわが最高傑作と言わしめたディオレラです。名香オーソバージュ(1966)をさらに磨きをかけ、どこかディオリッシモにも通じるジャスミンのまろやかさとフルーツのはじけるさわやかさ、そしてしっとりと肌に馴染むオークモスやパチュリなどのベースノートのバランスが良く、さらにフレッシュシプレ系としてはかなりの香りもちも備えています。オーソバージュがもう少し骨太でなかったら使いやすいけれど、という方には男性にも女性にも心からお奨めします。

Dioressence(1979)ギィ・ロベール調香

ゼラニウムやバイオレットのフレッシュでパウダリーなトップノー トに始まり、やがてスパイシーなシナモンとパチュリがどことなくよどみをかけてくる、甘さがなく少し物憂げなオリエンタル・シプレです。ロベールの作品では一番つかみどころのない気がしますが、そのとらえどころのない魅力が逆に人々を捕らえて離さない、熱烈なファンの多い隠れた名香です。

  ディオレッセンスEDT,ディオレラ(現行品)EDT

contact to LPT