La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Entries from 2011-01-01 to 1 month

Divine Folie(1933)

1933年に発売されたディヴィーヌ・フォリーは、前年発売のアンヴィタシオンと多少類似点は あるものの、こちらの方がより女性らしく華やかで、立ち上がりにどっとクローブ香を感じ、 程なくふくよかなバニラムスクにスティラックスが交わるアンバーノートに…

Invitation(1932)

1930年、のちにブランドの看板となるジョイと並行してカクテルを上市した2年後に発売された アンヴィタシオンは、マ・コレクシオンと同時期に再発されたものの、12本入のミニチュアセット には入りませんでした(ちなみに同じ再発で選外だったものにDelices…

Cocktail(1930)

世界大恐慌が起こった翌年の1930年、ジャン・パトウが不況を嘲うかのように輩出したのが、 後世に残る名香、ジョイとこのカクテルです。サンフロランタン通りに面するパトウのメゾン には、ドレスを注文する女性に付き合いでやってきた手持無沙汰の男性が、…

Zibeline(1928)

毛皮ブランドのヴェイユが1909年に創立したパルファム・ヴェイユの看板香水、 ズィブリーヌのヴィンテージ・パルファンドトワレです。1997年まで長らく販売 後廃盤、2010年初頭に他の代表的な香りと共に再発売されましたが、再発品は 原料の都合もあり、オリ…

Moment Supreme(1929)

カルデアに続き発売された「至福の瞬間」の意であるモマン・スプレームは、 コレクシオン中最も特異な展開をする「一応」フローラルノートです。 まず、つけた瞬間はさわやかさが爆発するようなしゃきっとしたシトラスの アクセントがきいたラベンダーとゼラ…

Chaldee(1927)

トリロジーに続きジャン・パトウが発売したのは、香水ではなく世界初のサンオイル、 ユイル・ド・カルデアでした。まだ日焼けが富裕層のトレンドだった時代、蒼白な肌の 欧米人が憧れた、燦燦と降り注ぐ太陽に愛されて黄金に輝く美しい肌を彷彿とする、 古代バ…

Adeiu Sagesse(1925)

トリロジーの最後、アデュー・サジェスは、トップに少々かび臭い、それでいて 青々とも感じるさまざまな生花の香りが入れ替わり立ち代り立ち上った後は、 カーネーションを軸として甘くパウダリーに落着き、あまり展開せずにうっすらと ムスクが温かく長持ち…

Ques Sais-Je ?(1925)

【まえがき】 ジャン・パトウのマ・コレクシオンについて、総論と一部の香りについて簡単な解説を 述べましたが、その後所有するコレクシオンのボトルも増えましたので、今回より個別の 商品解説を時代順に追加します。香りのピラミッドは諸説ある中、アメリ…

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