La Parfumerie Tanu,
an Imaginary Haute Parfumerie living in your Heart
2010年11月29日よりスタートした「架空の香水店」ラ・パルフュムリ・タヌ。早いもので本年7周年を皆様と共に祝う事ができました。今年はこれまで撒いた種が大きく芽吹き、予想もしなかった花が咲いた、LPTとしても驚きの一年になりました。
白眉は、何といっても本年創業10周年の節目を迎えたオランダのメゾンフレグランスブランド、ピュアディスタンスのスタッフ来日とプロモーションイベント"Puredistance on tour Tokyo"の開催(2017年4月29日)でしょう。日本では輸入代理店のない、すなわち日本上陸前のブランドが、プロモーションイベントを行う事は極めて稀で、通常は輸入代理店主催でホテルや瀟洒な街のイベントスペースで発表会を行うものですが、ブランドの1ファンと来日スタッフ2名で行った場所は、店主タヌの地元・桜台でリアルイベント・Cabaret LPTを貸切開催していた大人の図鑑カフェ、Fumikura。10人も入ればぎゅうぎゅうの小さなカフェに駆けつけた読者やピュアディスタンスのファンが集い、この街、この店、この空間でしかできない、あたたかく和やかでふたつとないイベントとなりました。このささやかなイベントからピュアディスタンスは、未だ代理店がない中でじわじわと話題が拡がり、2018年1月4日からは日本向けオンラインストアがスタートするまでに成長しました。
Cabaret LPTの開催は、特集記事が重なり一旦休止しましたが、8月と12月に台本も予約も要らないファンミーティング、Meet LPT&PuredistanceをFumikuraで開催、これもLPTとしては初めての試みで、ライブショー的要素の強いキャバレーLPTと違い、カフェのテーブルを囲みながらそれぞれが話したいことを話す、緩やかな時間を楽しむことができました。
そして、かねてよりLPTブログ上やCabaret LPTにて販売していたムエットなどの試香素材、香水小分け部材をより簡便に、便利にお使いいただきたく、LPT e-storeをオープンしたのも、大きなチャレンジの1つでした。探しているけれど身近に売っていないもの、売っていても業務ロットで買いづらいものを、ワンストップ・小ロットかつ適正価格で手に入れられるLPT e-storeは、吹けば飛ぶような小さなオンラインストアですが、便利な香りの交換ツールを提供する場として、香水愛好家の皆様に多少なりともお役にたてたのではないかと思います。輸送時にも破損しにくいポリプロピレンアトマイザー、保香性の高いカードムエットや専用OPP袋など、定期ユーザーを獲得しているのがその証です。
LPT annexでは、Team LPT－ジェントルマン、ハンブルサーバント1号、そして店主タヌの3名で、LPTを形成しているすべての事柄を綴る、3本の連載を始めました。2015年のスタートより、三者三様好き放題書き連ねて参りましたが、何故か秋口より突如爆発的にアクセス数が増え、LPT本編に匹敵するまでになりました。来年もこの調子で映画や音楽、冥途の土産話や残念猫紹介を続けていきたいと思います。
LPTそして私は、おかげさまで国内外の読者と海外香水会社からの信頼を得る事が出来ました。また、香水専門誌「PARFUM」でも連載を続けさせていただくなど、沢山の方々に支えられ、ここまで成長してまいりました。しかしながら私は今迄もこれからもクラシック香水・モダンクラシック香水に心酔する一般愛香家(General Perfumophile)であり、それ以上でも以下でもありません。これからも「思いつきと、多少の努力」で続けていきたいと思います。LPTは、あなたの心に住んでいる架空の香水店です。最後に、今の気持ちを伝えるのにちょうどいい歌詞を引用して、本年最後のご挨拶とさせていただきます。
Quite content now a little bit older
Because I could be nothing at all
Because I should be nothing at all
I wish I could be nothing at all
I wish I could be nothing at all
Time goes by so slow
When your stuck to me
Time goes by so slow
When your stuck to me
(Mirror People, Written by: DANIEL GASTON ASH, DAVID JAY, KEVIN HASKINS)
