La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Ambre Imperial (2015)

A Gentleman Takes Polaroids chapter twenty six :
Ambre Gentleman
 

立ち上がり:アンバー系と聞いていましたが、最初にそんな感じはしますが即強烈な甘い香りに襲われます。甘い・・・身体のどこかにお菓子でも隠してるかのようだ

昼:甘い香りは持続中、ただ重さは無いのでそれほど嫌ではありません。自分からこの香りが出ているのは違和感ありますが。


15時位:ちょっとウッディな感じが出てきました。これならまあ付けててもそれほど変な感じはしなくなってきたような。持続性強いですね


夕方:まだ香りは強めに残ってます。粉でもかけたような感じ。悪い香りではないんですが私はつけるのが少々恥ずかしいです。


ポラロイドに映ったのは:酒は飲まない(飲めない?)好物はケーキ。休みの日でも履物は革靴。ジャージで外出絶対しない。てな感じの中年入り口お兄さん。
酒飲まなくてもお前の未来は糖尿病!

 

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Tanu’s Tip : 

今年も残すところあと1か月となり、12か月中あっという間感№1の師走に突入しました。朝晩の冷込みと共に何かと物入りで懐も寒くなる季節ですので、心も体も温まるアンバーの香りを、今年1月のジェントルマンコーナーに引続き「アンブル・ジェントルマン」と題しご紹介します。2018年はアンバーに始まり、アンバーで締めくくります。
 
本年を持って日本撤退したヴァンクリーフ&アーペル。VC&A版プレステージライン、コレクシィオン エクストラオーディネーの1つから、2015年に発売されたアンブル・アンペリアル(国内表記:アンバー・インペリアル)をご紹介します。2017年10月開催のイセタン・サロンドパルファンでは、ブルーベル・ジャパンの限定販売ブースに鎮座し、ボワ・ディリスとオルキデ・ヴァニーユが人気で(国内価格22,680円)、後者は完売していたのを記憶していますが、欧米では普通に現行販売しているプレステージラインです。LPTではおなじみのインターパルファンがライセンス会社で、このシリーズもディープディスカウントを享受できる(2018年10月現在実売価格:ボワ・ディリスはUS$68.00、アンブル・アンペリアルは少々高くてUS$96.50)のが嬉しいポイントです。
 
調香は、先日のキャバレーでも大評判だったB683(マルク=アントワーヌ・バロワ)を手掛けたジボダンのホープ、クエンティン・ビッシュです。香りとしては、シュッとスプレーした瞬間は、おっアンバー!と思いますが、すぐに10年位前に沢山出てきた、パチュリで完熟の果物を束ねたようなピーチュリまたはフルーチュリ系の、温かいオリエンタル寄りのフルーティフローラルに落ち着いて、これが案外肩に力が入っていなくて、心地よく楽しめます。個人的にはロベール・ピゲのヴィザ、MDCIのプロメッス・ド・ローブを彷彿しますが、そこまでエッジは効かせていません。ですがアンブル・アンペリアルという大風呂敷な名を冠しながら、そこにアンバーの存在はまるでなく、極めて裏方のベースに徹し、アンブルでもアンペリアルでもないのは何故でしょう。ゴリゴリのアンバー押しだと「趣味の世界」に行ってしまうのを懸念したブランド側の意向でしょうか。これをアンバー系オリエンタルと呼ぶには少々無理があると思います。メインストリームの香水ブランドが、パッケージだけニッチ風にお揃いのシンプルボトルでずらっと並べたものの、中身はいたってアクセスしやすい最大公約数にしました路線(幹線道路級、6車線)を快走していると言えましょう。香りは何が何でも「名は体を現す」じゃないと満足できない人以外には、まずは21世紀のフルーチュリ系がお好きな方だったらブランド名・シリーズ名そして香水名抜きで試して欲しい作品です。ちなみにジェントルマンが今回ご紹介するアンバー作品で最も高評価だったのがこのアンブル・アンペリアルで「香り持ちが3作中一番良かった」との事でしたが、一方で「整髪料の香りに負けて輪郭がつかめない」とも言っていたので、好意的にとらえれば、持続性は良いが拡散性は低い、と言う事でしょう。確かに香り立ちは控えめなので、アンバー不在ということは棚に置いて、使いやすいさという点でもお奨めです。
 
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さて、VC&A終売について、去る10月23日、輸入代理店であるブルーベル・ジャパンの公式オンラインストア、L'ATELIER DES PARFUMSと、ヴァンクリーフ&アーペル公式サイトアンバサダーに確認をとったところ、照会時点でのコレクシィオンエクストラオーディネーライン取扱店舗は
 
東京ミッドタウン/ガレリア 1F サロン デ パルファム (D-0124) /TEL:03-5413-0093
銀座三越/地下1階 ギンザコスメワールド フレグランス/TEL:03-3561-0788
伊勢丹新宿店/本館1F=フレグランスコーナー/TEL:03-3341-0364
(在庫の変動があるので来店前に要在庫確認との事)
 
の3店舗のみで、製品別の終売状況として
●在庫がなくなり次第、販売終了
*ボワ ディリス オードパルファム
*オーキデ ヴァニーユ オードパルファム
*ガーデニア ペタル オードパルファム
*カリフォルニア レヴェリー オードパルファム
■販売終了:
*アンバー インペリアル オードパルファム
*ムーンライト パチョリ オードパルファム
*プレシャス オード オードパルファム
*ローズ ベロア オードパルファム
 
VC&Aはこのコレクシィオンエクストラオーディネーラインをはじめ全フレグランスの日本撤退が決まり、ブランドの顔であったファースト(1976、ジャンクロード・エレナ作)、フェアリー(2008,アントワーヌ・メゾンデュー作)などのレギュラーラインともお別れです。
公式サイトアンバサダーのコメントとしては「ファースト、フェアリーにつきましても、Extraordinaire同様に廃番になっております。私どもといたしましても、大変残念でございます。既にご存知かと存じますが、ヴァン クリーフ&アーペルは、ジュエラーとして初めてフレグランスを発売いたしておりました。お客様におかれましては、メゾンのフレグランスをお引き立ていただき、嬉しく存じます。なお、今後のご参考までに、なお、ヴァン クリーフ&アーペルでは、eブティックでのフレグランスの取り扱いはいたしておりません。何卒ご了承いただきますようお願いいたします。また私どもでは海外の在庫状況がわかりかねます。直接お問い合わせいただけるご連絡先はご案内いたしておりますので、ご希望に際してお申しつけいただければ幸甚です」と、惜しむ言葉の中にも「出来ない事は出来ない」ときっちり仕事の線引きをしているのが判ります。そういうわけで、国内通販サイトには今度相当量のVC&A品が流入してくると思われますし、既に海外のディスカウンターでは冒頭でお伝えしたエクストラオーディネーな価格で入手可能ですので、過去に試香して気になっていた方は今がチャンスだと思います。さてジェントルマンが実装すると、私がつけた時より圧倒的にマットな粉物感が漂い、人が変われば随分と印象が変わるものだなと思いました。ジェントルマンはお酒も嗜む甘党ですが、今のところ糖尿病は大丈夫です。
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