La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -


Skin on Skin (2013)

立ち上がり:クニーシェ・テンより甘い感じ。お菓子っぽい甘さかな?あまり得意じゃない香りだ。
昼:レザー香出てきましたが甘さの方がまだ強い。
15時位:ようやくレザー香がメインになってきたか…結構持続力はあります。でもなんか鼻が疲れる感じです。
夕方:ようやく落ち着く香りになってきましたがもうお家帰るよ。風呂入るしお別れだ。
ポラロイドに映ったのは:髪バシっとセットしてメガネかけた兄ちゃん。声高め。意識も高め。私はなるべく仕事以外の会話はしないように努めます!
 
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スキン・オン・スキン EDP 125ml
 
Tanu's Tip :
 
ラルチザン・パフュームがプッチに買収される2年前、ブランドの高級ライン、エクスプロージョン・オブ・エモーションシリーズの第一弾として登場し、2015年の買収時あっさり廃番になったスキン・オン・スキンです。4年前、簡単なアンケートや好きな香りを記入し、後日お奨めの香りを教えてもらうオンラインのフレグランス・コンサルテーションに応募したところ、普段愛用している香りにクラシックものや粉物が多かったからか、このアイリスレザーの香りを薦められました。
 
このラインは感情の爆発とある通り、既存の概念にとらわれず、自由な感情の炸裂により誕生した、情念の開放…みたいな、わかったようなわからないような押しのコンセプトで誕生し、計6作すべて売れっ子調香師、ベルトラン・ドシュフュールが手掛けていますが、登場した時期が悪かったのか、どの作品もどことなく考えすぎなコンポジションで不調和音気味の香りが万人受けしなかったのか、当時飽和状態だった作品数の棚卸に引っかかり、2勝4敗で廃番。125mlで3万位したこのシリーズの生き残り、アムール・ノクチューン(2013)とラペルトワ(2014)はレギュラーラインに吸収され、統一ボトル(100ml)で価格は2/3以下(19,500円、税抜。フランスでは122€:約16,500円。2018年2月現在)になりました。数年で販売価格が約30%上昇している香水業界にとって、発売から5年で定価が30%下落した稀なケースだと思いますが、ブランド側が過剰なプレステージ感を払拭し、購買層に歩み寄る姿勢は好感が持てますし、同じ香りを廃番→再発するたび名前を変えては価格を吊り上げたエクスクルーシブラインを乱発するゲランにも見習ってほしいです。
 
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8角形のボトルに、7角形のキャップ…この香りのバランスを暗喩している
 
香りとしては、一言で言って「しらけた香り」。レザーノートで名前が「スキン・オン・スキン」だったら、もっとムラムラ来るかと思いきや、甘いウイスキーのように糖度の高いシュガリーな雲に包まれたグレーのスウェードと低体温のスキンムスクに冷めたアイリスが絡み合い、布団の中ですり寄せてくる足が冷たくて興ざめ、みたいな図が浮かびます。このスウェード感は中東香でも基本のサフランで演出しており至って冷静。肌の重ねあいなら、もう少し汗と体臭で張り付くようなパッションを感じる香りであってほしいのですが、スウェード感もほどほど、アイリスもほどほど、そして常に微弱なモスキート音のような酸味が付きまとうので、肌から立ち上る香りに体温を感じない…というのは、よほどお相手の方は冷え性なのかなと思います。肌に乗せた時の香りより、ムエットから拡がる香りのほうがナチュラルで好感度が高かったので、カードムエットに穴をあけ、リボンでも通して栞にしてたっぷりスキン・オン・スキンをスプレィし、本を開くたびに冷涼なアイリスと洋酒、そして滑らかなスウェードの香りが…その際に、できるだけきわどい内容の小説などに挟めば、内容とのアンバランスで化学変化が起こり、激しい感情の爆発が味わえるやもしれません。せっかく似合う香りだとプロに薦めていただいた上に1瓶125mlもあるので、どうにか使いこなしたいですが、そもそもきわどい内容の小説は読まないので、何に挟もうか思案中です。ジェントルマンのポラロイドにも、正直あまりお付き合いしたくない「意識高い系」の紳士が登場、交わした会話はひと風呂浴びてキレイサッパリ忘れたようです。
 


スキン・オン・スキンなのに、頭の中ではどうしてもボディ・トゥ・ボディと変換され、このPVが脳内エンドレス再生 
ジェントルマンの勤務先にも今年3回忌になる森岡賢(Key.)が折々商談に来ていたそうです

こういう過剰な期待、つまりコンセプト云々は横に置き、淡々とした少し個性的なアイリスレザーを値頃にお探しという方、発売当時手が出なかった方には、今ならまだデッドストックがいい感じで出回っていますので今がチャンスです。
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