La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -


Ambre Topkapi (2003)

A Gentleman takes Polaroids chapter seventeen : Amber Gentleman
 
立ち上がり:落ち着いた香りの中に少し甘さが潜むかな…一瞬ケミカルな感じするけどすぐ消えた
昼:甘さが背景に微かに残ってますが重いアンバーな香りが前面に出てきました。重いけど嫌な感じではない
15時位:印象変わらず
夕方:かなりまだ香ります。重厚な感じは最後まで崩れず
ポラロイドに映ったのは:小顔で白髪、ヒゲも生やしてるがそれも白い、が胸筋が無茶苦茶発達してる50代半ばの叔父さん、あんた…そんな筋肉どこで活用するんだ…
 
Tanu's tip :
 
2018年1月22日、大寒を2日過ぎた東京は64年ぶりの大雪に見舞われました。早期退社のタイミングを僅かに逸し、セミ帰宅難民化した店主タヌ。これまで東京に生まれ東京に暮らした幾年に何度も大雪にはでくわし、その度に都市機能が麻痺するのを見てまいりましたが、まさかの帰宅時にヒットしたのは長い社会人生活でも初めてでした。さてそんな厳冬にふさわしい香り、それはアンバー。甘く暖かく、時に渋く、苦みすら感じるアンバーノートに心まで温かくなって欲しいと、普段は青い香りがお好みのジェントルマンが、1月は年末からの忘年会だ新年会だで懐寒い、あるものでなんとかしようと家の中をひっくり返して出てきたアンバーの香りに体当たり!嫌いじゃないが、慣れてない。その上1つは女性物。題して「アンバー・ジェントルマン」。さて、ポラロイドに映ったのは…
 
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"類稀なる香り、希少なフラコン パルファムMDCI"

最初にご紹介するのは、メゾン・フレグランスメゾンの重鎮・パルファムMDCIの処女作、アンブル・トプカピです。調香は、現代調香師を代表するマスター・パフューマー、ピエール・ブルドンで、手がけた作品が膨大な故にLPTでも選ばずしてブルドン作品は度々登場していると思いきや、これまで紹介したのがクーロス(1981)とクールウォーター(1988)だけで、しかもどちらもジェントルマンコーナーかつ微妙なレビューだったので、ようやくこの人の作品でポジティブなご紹介ができると思うとちょっとほっとしています。メンズ香ですので、ボトルにはカラカラ帝をモデルにした男性のバスト(=頭、写真左)がついています。

 f:id:Tanu_LPT:20180126165305p:plainアンブル・トプカピは、ヨーロッパと中東の汽水域であるトルコが、今よりもっと中東していた時代に思いをはせたオーナーのクロード・マーシャル氏が、オスマン帝国のトプカプ宮殿から名づけた香りで、濃度はEDP1種類。到ってベーシック、いたってオーセンティックなメンズ香に仕上がっており、ジェントルマンも新年早々「これはいい、これはいい!」と絶賛しておりました。しかし名前ほどアンバーは主張せず、ラベンダーやハーバルテイストがしっかり利いているので、むしろ印象としては「おっさん、まいるの~」なアロマティックウッディ・フジェール系の香りです。持続も良く、MDCIの作品としても根強いリピーターが多い香りだそうで、仕立の良いスーツを着た、胸板の厚い要職のおじさんが目に浮かびます。力こぶに小さなお子さんが2~3人ぶら下がっても涼しい顔をしていそうな品格は、ボトルデザインは好き好きあるにしても、誠実な作品作りで定評のあるこのブランドの初出を飾るのにふさわしいと言えましょう。表層にシャンパンのようなプチプチはじけるかんきつ類の爽やかさや、華やかなダージリン・ファーストフラッシュのようなティーノートも見え隠れしていて、単なるおっさん香には終わっていないのも匠の技でしょう。お若い方には「まだ早いのでは」と言いたくなりますが、色々香りを使ってきて、やっぱりアロマティック・フジェールが一番しっくりくる、という方には、男らしい極上の一本として長く愛用していただけると思います。

MDCIの香りには、一貫して奇をてらわず王道に徹する信念がありますので、作品に打上げ花火のような目新しさはなく、斬新なものを探している方には単なる浪費に感じるかもしれませんが、モダンクラシック路線のメゾンとしては、信頼のおける数少ないブランドですので、デッサンのしっかりした、またはパターンと縫製のしっかりした飽きのこない香りをお探しでしたら、ひとつかふたつは必ずお好みのものが見つかるのではないかと思います。 

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サンプル・プログラム。2015年当時は頭付きボトル1個につき8個のサンプルが貰えた。つまりサービスがアップグレードしている

ちなみに、ボトル価格(公式サイト)は2018年1月現在、75mlで225€(頭なし)、350€(頭付)、100mlで320€(シルクロードボトル)と中々のものですが、以前にも紹介しましたが公式サイト限定の「サンプルプログラム」なら、シンプルなプラキャップのボトルに入ってたっぷり12ml入りの選べるサンプルが5本で90€、10本で150€(日本までの送料込)と、拍子抜けするような価格で入手できる上、フルボトルを購入すると頭なしならこの12mlサンプルが5本、頭付/シルクロードボトルなら10本タダでついてくるという、クロードさんが只の儲け主義でボトル価格を設定しているのではなく「良い香りは良いボトルに納められていなければならない」という美学が行き過ぎた結果、ボトルに予算をかけすぎているのだという事がよくわかります。

そういうわけで、タヌ家にも写真の通りほぼ全点踏破状態でサンプルが集まってきました。確かに正直おいそれと手の届く価格ではないので、このサンプルを大事に大事に使っています。
 
公式サイト http://parfumsmdci.free.fr/ (メール&Paypalで支払)
 
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