La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -


L'Eau de Caporal (1985)

立ち上がり:なんか不思議な香り。柑橘系フルーツと紅茶混じったような感じがします
昼:かなり薄くなってきた。肌に鼻を近づけると甘い感じが残ってる。嫌な感じではない
15時位:大分弱い。残光はベチバーを思わせるか
夕方:お亡くなりになりました。惜しい方をなくしました。
ポラロイドに映ったのは:若いころはパンクやらオルタナ聴いていたが中年以降はやっぱビートルズ、ストーンズだよ!と言い出したおっさん
 

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ロード・カポラル EDT 100ml 廃番
Tanu's Tip :
 
3)買収された、または廃番になって市場流出したもの
 
安物買いのジェントルマン、最終日の本日は「買収/廃番になって旧デザインの在庫処分品がディスカウント市場へ流出して安い」という、何とも諸行無常なアフォーダブル要因をご紹介します。
 
現在巷にあふれるメゾンフレグランスブランドの先駆けの一つといえば、1976年創業のラルチザン・パフューム。日本でも一部で絶大な人気がありました。過去形なのはわかりやすいもので、2015年プッチに買収され日本法人が解散、「ニッチの皮をかぶったメジャーブランド」になったからで、日本人はそういう自分たちが応援して育てたのに感がバッサリ切り捨てられると、二度とそのブランドには戻ってはきません。たとえ、どんなにそのブランドがいい仕事をし続けてもです。まあ、いい仕事をし続けるというのは単なる仮定または幻想あるいは希望であって、たいがいは「マルちゃんは魂を売った(J.E.フォス社長)」方面に転げていきます。
ラルチザンは、ラインナップ整理による旧デザイン品の処分&大量廃番が進み、ワンランク上のラインだったエクスプロージョン・オブ・エモーションシリーズもラペルトワとアムールノクチューン以外廃番後統一ボトルに集約、たっかいお金で買った方はご愁傷さまです。日本だと125mlで3万位しましたよね?現在の本国価格はどちらも100mlで122€。でももっとご愁傷様なのはディスカウント流出価格。旧ボトルのラペルトワが送料込みでUS$57前後で流出しています。自分はつい2,3年前、店頭でこってり販売員さんにコンセプトの浴びせ倒しにあってクラクラと買ってしまったのに、こんな末路、見るのも嫌ですね。

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今となっては懐かしい、色ラベル・金キャップ ラルチザン本店の販売員さんはフエギア1833に転職したと漏れ聞きます
今回ご紹介するロード・カポラルは、ラルチザンのラインナップとしては古いほうで1985年発売、日本上陸前からあった香りですが、買収&廃番のダブルパンチを食らった香りです。日本でもつい最近までネット上では紹介されていましたが、ついに消失。もし廃番にならなければフランスでの100mlEDTは定価€110なのでロード・カポラルも同様だと思いますが、日本では税込19,008円で販売されていたものが、現在アメリカのディスカウンターでは同じ100mlがUS$44.99(≒5,000円)と、それは大変な事になっています。LPT基準でいくと、50ml換算なら堂々アフォーダブル入りというところですが、EDTが100mlで5,000円なら相当お買い得と言えるでしょう。
 
そもそも、ラルチザンの国内正規代理店は、メゾンフレグランスに関して販売価格が本国価格の1.5倍前後と、実売価格に乖離していると思います。この代理店が扱う他のメゾンブランド、メゾン・フランシス・クルジャンを例にとると、バカラルージュ540のEDP 70mlはMFKの公式オンラインストアだと€195(≒27,000円、送料無料、選べるサンプル付)のところ37,692円(税込)と、1万円以上の開きがあります。もう少し本国の価格に近付けないと、ニッチ系ブランドは代理店も全国展開しないだけに、所詮店頭で試香できない地方の購買層が海外取扱店のオンライン通販や、日本に正規代理店を置きながら発送対応するメゾン・フランシス・クルジャンのような公式オンラインストアに流出すると思いますし、東名阪でもデパートで試香→オンラインで購入、と家電量販店がアマゾンなどのショールーム化するのと同じ現象が起きてしまいます。残るは「この店(人)から買いたい」と思わせる香水店および販売員の質にかかっていますが、それも日本ではむしろ不安材料のひとつです。
 
Scared To Get Happy A Story Of Indie-Pop 1980-1989 (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)香りはというと、この時代と同時進行またはもう少し前から始まっていたネオアコブーム、すなわちザ・パステルズショップ・アシスタンツヴァセリンズなどブリティッシュ(スコティッシュ)・インディーポップを髣髴する、極端に歌の下手なポップソングに顕著なバッドバランスぶりが際立つシトラス・アロマティックで、別の意味で耳が離せないというか、気になってしょうがない。ヘタウマのウマもないんだけれど、それでだんだん聴いているうちにハマってしまって結局ライブまで見に行ってしまった in London、だけど結局あれって何だったんだ?ロード・カポラルも、常に神経が香りに引っ張られて、心地よいと思えるところまで展開しない、薬臭いシトラスハーバルノートとグリーンシプレのクレバスから蚊の羽音が聞こえてくるような、どこまでいっても安心して身を委ねられないものを感じます。まあ、これなら「100あるところ70にしろ」とか「40あるところ28にしろ」と言われたら、私が担当でも真っ先に廃番にするかな…と妙に納得の一本です。ネオアコを20代に聴いていたような人も、結構50過ぎると急に「やっぱロックは〇〇だ」と、ジェントルマンのポラロイドに映ったようなおっさん化する事が多いのですが、タヌ家では左上のコンピレーションを喜んでかけるジェントルマンという専属DJのおかげで気分は上々、万年バッドバランスです。