La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Eau de Guerlain (1974)

立ち上がり:これも夏向きの爽やかな感じです、シトラス系かな。でもスパイシーな感じも強い。
昼:最初の印象とあまり変わらず。少しウッド系のニュアンスが出てきたような気がします
15時位:昼と変わらぬまま弱くなってきた。
夕方:あまり香り残っていません。
ポラロイドに映ったのは:ウスバカゲロウ
 

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オードゲラン EDT50ml 非売品(国内販売は100ml、税込11,440円)

 

Tanu's Tip :
 

国内ゲランカウンターでは「オー」シリーズの一つとして、先月ご紹介したオードフルールドセドラやオーインペリアル、オーデュコックなどと共に通年手に取ることができる、オードゲラン。オーインペリアルが1853年発売ですから、ゲランの「オー」の中ではモダンな部類に入ります。先代のゲラン専属調香師、ジャンポール・ゲラン37歳当時の作品ですが、20世紀における燦然と輝くキャリアと比較し、21世紀に入ってからのJPG氏は残念ながら老害と思しき言動が目につく場面が多く、フランス国内テレビ局のインタビューで黒人差別的発言をして住民にボイコット運動を起こされ罰金刑を食らったり(フランスはアフリカ諸国を多数植民地にした影響で、沢山のアフリカ系フランス人が住んでいます)、昨年はご自身名義のブランド、マイ・エクスクルーシヴ・コレクションを中東市場向けに立上げ(というか、どっかの企業が用意した神輿に乗せられたんだと思いますが)御年80歳の本年、今春のモン・ゲラン発売に合わせるかのように行われたプレス向けパーティでは当世白人美女を侍らせてご登場していましたが、肝心の「コレクションは、いつ発売されるのですか?」の質問には明確な答えはなく、なんだか潮時という選択肢がない人生もしんどいなあ、と生暖かい目で見守っています。

ジャンポール・ゲラン作で何が好きかと聞かれたら、①シャマード ②ベチバー 3,4がなくて⑤オードゲランまたはアビルージュ、と答えると思いますが、シトラス勝りながら持続もよく、しっかりとしたオークモスの下支えもあるので奥行きもある、気品のある男性を彷彿するオードゲランは、実際ジャンポール氏が手掛けた香水の中では、もっとも完成度と普遍性の高い作品ではないかと思います。前回のユズマンと比較して、シトラス類が伝統的なベルガモットやレモンなのと、ベースにもんわりとオークモスがある分、シトラスアロマティックなシプレ感が強く胸板が厚く感じられ、男らしさが勝りますが、決してオレオレ系の男らしさではなく、真正ジェントルマン-「白いハットをかぶり、麻のジャケットをまとい、木陰でほほ笑むジェントルマン」-われらがジェントルマンには、そんな男性が目に浮かぶそうです。女性がつけても、シャネルのクリスタルやオードロシャスなど、70年代のシトラスシプレのように、どこか凛とした知的な印象で素敵に香ると思います。

 

けれど、ポラロイドにはウスバカゲロウ。幼虫時代、蟻地獄を作ってほかの地を這う昆虫を恐怖のどん底に陥れる、あのアリジゴクの大人版です。成虫になったら、こんな虫も殺さぬトランスペアレントな、トンボともガガンボともつかぬ「薄い」大人になってしまうなんて、子供時代が濃すぎるんでしょうか。オードゲランは、さすがにウスバカゲロウよりはパンチがありますが、透明感、という点でその羽が映った、といえば納得です。

 

 


ウスバカゲロウ 寿命は結構長くて1か月以上だそうです

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