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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Chemists in a British small town : 3. Boots the Chemist, the leading chemist chain in UK

11. UK Chemists
Boots, your local pharmacy

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Boots : 前出のクラシック薬局、C.R.クルーズより20年以上も前、1849年ノッティンガムに創業した大手ドラッグストアチェーン、ブーツ。英国内店舗だけでも2,500店超、創業時は小さなハーブ薬局だったとは想像もつかない一大企業へと成長し、アジアやヨーロッパへの進出は勿論、調剤や販売だけでなく製品の自社開発にも力を入れており、解熱鎮痛薬の主要成分で世界に広く普及しているイブプロフェンも、ブーツの自社研究所にて開発された。トイレタリーやコスメのオリジナルブランドも充実し、中でも1935年から続くスキンケア&メイクアップブランド、No.7はその価格以上の品質から英国中の女性から今もなお絶大な信頼を寄せられている。香水は地方都市の小規模な実店舗にはない銘柄やアイテムが多数購入できるオンラインショップも充実。
 
実はこのブーツ、1998年に日本上陸を果たし東京と横浜に4店舗出店するも、自社オリジナル品の高級路線で勝負したいブーツ側と激安ドラッグストアとして展開させたい代理店側の意見相違に加え、他店舗との価格競争に破れ、たった2年で日本撤退したが、依然本国および周辺国では単なる薬局とは言い切れないポジションに君臨しています。他店舗の薬剤師さんがわざわざ
「香水ならブーツよ」と奨めてくれるほど、香水の取扱い店としてもまず思い浮かぶブーツ。さすがにバーバラさんおすすめのマクルスフィールド店には足を運べませんでしたが、C.R.クルーズから徒歩圏内のショッピング街、スプリング・ガーデンにあるブーツ・バクストン店に行ってみました。

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店内撮影禁止、さすがに個人商店とは違います。なので購入した商品をご紹介、英国老舗石鹸の数々

 
デパート系「場内」香水はレジカウンター背面、テスターはなし
 
日本で言うところのデパート系メジャー香水(ディオールやYSLなど外資化粧品メーカー系や、ブルーベルやインターモード川辺が代理店になっているブランド)はブーツでも定価販売で、かつ訪問したバクストン店にはテスターもありません。一般的に市販薬やトイレタリー製品、化粧品類が日本の物価に比べてかなり安いイギリスにおいて、香水は日本の国内販売価格と同等か割高なことを考えると店内では相当高額商品の部類なので、盗難防止のためか香水は絶対に一般客の手が届かないであろう、レジ背面の一番高い棚に陳列してあります。お客さんはレジに並び、自分の番で棚の上の香水を名指しで買う流れなので、あれこれ試してお奨めの1本をいただく、などという時の流れはブーツにはありません。バクストン店では背面の棚でしたが、ロンドン・センタパンクラス・インターナショナル駅店では鍵付ガラスショーケースに入っていました。あくまで買うのを前提に来たお客を、薬や洗剤を買いにきたほかの客と同等に流しているだけの店員さん、日本の香水売り場のような勧誘は一切ありませんが、ぼんやりしていると何も買えないのも事実。かといって、日本で買ったほうが安いデパート香水をここで買う事もないと、とりあえずレジの前でお喋りしていた店員さんの若い方(たぶん20代後半)に幾つか質問してみました。注)イギリスの店員さんは、昔に比べたらだいぶましになりましたが、観光地でもない限りこういう愛想も小想もないのが普通です。
 
-こちらで、ロングセラーの香水はなんですか?
「え?ブーツって結構歴史があるのよ、そんなのわかんないわ」
-(割とガチンコでくる店員さんだな・・・)じゃ、お店で一番売れてる香水ってどれですか?
「え?ブーツ全体で?そんなのわかんないわ」
-(うぐ)あ、いえこちらのバクストン店の売れ筋ですけど・・・
「そりゃ勿論レディミリオンよ!レディミリオンは皆さんよく買っていくわね」
-レディミリオンは日本でも売ってますが、そんなに人気だとは思いませんでした。でも、パッケージからして若い人がターゲットの製品ですよね?
「そんなことないわ。結構幅広い年代の方が買っていくわよ」
-さすがはパコラバンヌのヒット商品、息の長い人気になりそうですね。それじゃ、店員さん自身は普段何をお使いなんですか?
「私?私はシャネルとディオールが好きよ」
-王道!
「ディオールもシャネルも新作が出れば試したくなっちゃうわね」
-ミーハー!でもわかりやすくていいですね。バクストン店ではシャネル製品の取り扱いがありませんが、ディオールはレディスが多数揃っていますね。店頭にあるディオール品で、個人的にはジャドールが好きです。
「ジャドール、いい香りよね!私も大好きよ!!」
-ディオールの近作では割と対象年齢が上かと思ってましたけど、店員さんのお年でもお好きですか、嬉しいです。ありがとうございました。
 
《備考》
取扱い品はC.R.クルーズに比べセレブ系やファッションブランド系が主流で多少のトレンド感があり、幅広い年齢層の一般大衆受けラインナップをコンパクトに在庫している印象。
 

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ツイード。歴史のある英国香水ですが1960年代に大ヒットしました。現在もヴィンテージ品多数流通

 

ドラッグストア系「場外」香水はトイレタリーと一緒、テスターはやはりなし
 
レジカウンターに沿って垂直に何列も陳列棚があり、街のドラッグストアらしくシャンプーや洗剤などトイレタリー製品が所狭しと並んでいる一角にひっそりと居を構える、所謂ドラッグストア香水コーナー。レジカウンター内の「場内」香水の価格帯が£15~£100(≒2,800円~19,000円)なら、カウンター外の「場外」香水の目安は「£10以下」、円換算で小2枚でおつりコーナーといえましょう。場内香水が一応トレンドセッター系メジャー香水だとしたら、場外ではLPTでもおなじみのクラシック香水が生き長らえており、コティのレーマンがバスラインと共に幅を利かせていました。またイギリスでは既存品の巻き返しプロモーションが功を奏し、60年代に一大センセーションを起こしたブリティッシュ・クラシック、レンセリックのツイード(1933)も、製造元を転々とするうち零落、現在はテイラー・オブ・ロンドン社より£9.99で固定ファンのために踏ん張っているもののなんと中国製となっており、外箱にわざわざIFRAの名前を持ち出して安全に配慮していることを最大アピールする前に、オリジナルを知らずともこれは無いだろ、と即断せざるを得ない亡骸の粗い香りに諸行無常を感じます。
60-70年代イギリスの香水を覚えている年配の方で、グリーンフローラルアルデヒド系のレディスと言えばツイードの名が真っ先に挙がるはずなのに、現行品は完全にメンズ香に変化しており、しかも語尾に「臭」とつけたくなるような、グルーミング香と頭皮臭が入り混じった脂くどいおっさんに終始ぴったり横座りされているような居心地の悪さを覚えます。