La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

ASQ Misk Jism (Body Musk) eau de parfum, limited edition (2015)

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久しぶりに言いたくなりました、インッシャッラ~!!

昨年、日本のblogでは前代未聞のアラビアン・フレグランス大特集を行ったLPTですが、その後も五月雨式にこれはというものをご紹介していきたいと思っています。

サウジアラビアの最高級アラビアン・フレグランスメーカー、アブドゥル・サマド・アル・クラシ(ASQ)は、昨年より「アラブに売るなら俺に聞け、アラブが売るのも俺に聞け」のラグジュアリー・フレグランス仕掛人、ロジャ・ダヴ率いるコンサル会社、RDPRにビジネスモデルをつくってもらったようで、RDPR定番の戦略、1)公式ウェブサイトで世界対応の通販を始め 2)FacebookやInstagramなど画像に強いSNSを多用し、日に何度も更新し 3)そこで商品のコンセプト展開をするだけでなく、四季折々著名人とのツーショットを連発してプレステージ感を強調し 4)湾岸諸国だけでなく欧米をターゲットに(ここは欧米ブランドの場合、湾岸・東欧・ロシアに置換)5)最初はまずまずの価格展開から徐々に高価格へとスライドし、都度原料などの希少性ゆえの価格であると客に刷込み、浸透したらさらなる高価格帯の商品を出す階段セールスを行う、というダヴ氏自らが範となす定型モデルに笑っちゃうほど真面目に乗っかっています。

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これがまたちいせえくせに、重いんだ 現物はおはぎ1個分くらいの大きさ

今回ご紹介するのは、スラッティは勿論スイスアラビアンやアジマルなど湾岸各社がこぞってインスパイア品を輩出している「純白のクリーム香油」ことASQのベストセラー香油、ミスク・ジスム(欧米向け名称:ボディムスク)が(多分)欧米向けに発売した限定版のEDPです。30mlと50mlの2サイズあり、アラブらしく小さくても足に落としたら青あざになりそうな重厚ボトルで、パッケージはアムアージュの2割引的なゴージャスさ、価格は香油自体が値頃なボディムスクらしく直販サイトでUS$50以下(30ml)の良心的価格とその辺は好感が持てます(ただし送料が日本向けだと80ドルほどかかるのでご注意)。

 

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トップの写真が暗めなので、撮り直しました

香りとしては、価格帯がそれこそ松竹梅鶴亀狸と振れ幅が大きいアラビアン・フレグランスの世界で、中庸価格帯のメインストリーム版、ウードなし部門の金字塔とも言うべき、一点の曇りもない美しきホワイトフローラルと透き通ったムスクが花開く、香油のボディムスクそのままの印象ですが、「香油に比べて根性ない」ともっぱらの評判な他のASQアルコールベース香水と同じく、香油と比べてかなりライトな仕上がりで、持続もせいぜい3,4時間といったところです。しかし拡散が香油の良さを引継いで柔らかめで、一般的な欧米品のEDTと比べて尖ったところがなく、アラブフレグランス初心者にも優しいアプローチなので、アラブの入り口としても魅力です。香油のボディムスクは、もともと彫りが深く派手な女性ががっつり化粧をしてどこを向いてもこっちを見てる風ですが、アルコールベースのボディムスクは、地顔が派手な人の薄化粧といった印象で、良さはそれぞれ、どちらが良いかはお好みですが、個人的にはベタベタして扱いに慣れが必要なものの、ひとたび肌に乗せると洗い流すまで肌から花が咲きこぼれるようなボディムスクの良さはやはり香油ならではだと思いますし、メーカーもそうわかっているからこその限定版なのでは、と思います。EDPを定番化するなら100mlまたは200mlとするか、もう少し賦香率を上げてむっくりまとわりつくようなスタミナがほしいところです。量も少ないので、この夏、ひとときのお楽しみとしては素敵な一本です。
 
香油版ボディムスク紹介はこちら ↓

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