La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

How to Wear Your Favourite Perfumes, When Perspiring Excessivelyin Sultry Summer

汗が止まらなくてムンムンな日本の夏にお奨めする香水のつけ方

How to Wear Your Favourite Perfumes, When Perspiring Excessivelyin Sultry Summer - LPT's Method

 

年々最高気温を更新、最低気温が30度を下回らない日も出てきて、熱中症で命を落とす方も増加の一途で、いよいよ日本の夏は過酷になってきました。アフリカやアラブなど、日中40度を越す地域の方も、そこまで気温が上がらなくても湿度が伴う日本の夏は、相当にしんどいと皆口々に仰います。日本において、自他共に一番香りに対して敏感になるのは梅雨入りから秋のお彼岸頃までの3ヶ月間でしょう。他の季節は気の向くままでよいと思いますが、夏だけは少し配慮が必要です。この3ヶ月をいかに香りと乗り切るか、皆さんと考えてみたいと思います。

英語のsultryは「蒸し暑い、ムンムンする」という時に使う言葉ですが、一方で艶かしく「お色気ムンムン」な女性の事を直球で指す言葉でもあり、要はどちらも体から熱気なりお色気なり、目に見えないものがもわわ〜んと出ている、熱源反応陽性の状態を指します。

香水の記事では、判で押したように「夏場は柑橘系の香水が自分も回りも心地よい」と書かれていますが、日本のような高温多湿で朝起きたら寝汗でびっしょり、みたいな夏に、幾ら爽やかな柑橘系の香水をつけても、家から駅に着く頃にはすっかり汗で流れてしまうでしょうし、ナチュラルな柑橘系ならトップノートで瞬間消え入ります。逆にこの時期不自然に長持ちする柑橘系の香りは(例:Zest de rose / Parfums Rosine, Un Jardin sur le Nil / Hermes)拡散性が高く、体験的に人がつけていて癇に障る、香り酔いを起こしがちです。普段柑橘系の香りがさほど好きでもないのに、一般論で柑橘系の香りを選んであっさり流れてなくなるか、いつまでも人工的にしつこく香り、余り寛げないよりは、普段自分が一番体が楽に感じる香りを選ぶ方が、疲労の溜りやすい日本の夏場にはよいと思います。

一方で、香りのタイプは柑橘系と書かれても、香りをどこにつけるかは殆ど書かれているのを見た事がありません。夏には夏のつける場所があります。まず基本として、夏場は下半身中心につけるほうが香りが柔らかく、かつ長持ちします。つける量は他の季節と同じ('how to wear nice perfumes - LPT's method'参照)ですが、上半身につけていた分を下半身のポイントに移行します。夏場だけは、内腿よりもウエストを第一ポイントに持ってきた方がより長持ちし、肘の裏につけない分ウエストから多めにふんわり香らせます。目だって汗をかきやすい上半身はきちんと汗を取る下着を身につけ、こまめにハンカチで汗を押え、下半身から汗が交わることなく立ち上る香気で包みます。理想は、上半身にはつける香りと同じラインのダスティングパウダーを重ねる事ですが、中々クラシック香水でラインで揃うものは数多くないので、香りのぶつからないベビーパウダーやタルカムパウダーを使ったり、無香性のデオドラントで腋の下の匂いを押さえておくのもよいでしょう。

 オーデコロン…上半身1:下半身2、全身浴びるようにスプレィする
 オードトワレ…8〜12プッシュ:[ウエスト2⇒内腿2⇒足首]×左右 の順
 オードパルファム…4〜6プッシュ:[ウエスト2⇒内腿⇒足首]×左右 の順
 パルファム…2〜4ポイント:[ウエスト⇒内腿]×左右 の順

夏場は、香りがよく立つ体温の高いポイントでも汗腺の多く走っている肘や膝の裏は、香りが汗で流れてしまうので外します。特に肘の裏は半袖やノースリーブを着た時直射日光に当りますので、シミになる恐れもあるでしょう。同じ意味で、一般的な香水の本で奨めるうなじ、耳の裏、手首も鼻に近く衣服にも隠れない場所なので避けます。

ちなみに男性の場合は、女性と比べて汗臭くなりがちなので、あくまで清潔第一、香りは少し量を控えめにして、普段胸にスプラッシュさせている方もつけるポイントを下げ、上半身はデオドラントに注力した方が、日本の場合はよいでしょう。

是非今年からは、脇から制汗スプレィの香りしかしない毎日から脱却して、熱気半分、お色気半分の美しくムンムンな夏をお過ごし下さい。