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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Interview / Ca'Natura

05. Great Perfumeries

Ca'Natura(イタリア/日本)/オーナー 松井絵美さんインタビュー

続いてご紹介するのは、在伊5年のオーナー、松井絵美さんが2010年ミラノにてオープンしたCa'Naturaです。イタリア語で「自然の家」を意味するCa'Natura(カナトゥーラ)は、イタリアの自然派化粧品やオーガニック化粧品の個人輸入代行オンラインショップです。欲しい商品のURLをメールして見積もり後、決済して発送してもらう一般的な個人輸入代行サイトと違い、基本的には普通のオンラインショップ形式で、かつ現地価格で購入でき、また気になる送料と配達日数も日本とイタリアに2拠点の発送ポイントがあるため、配送日数と送料のバランスを購入者が選択できるのも大きな魅力です。さらにウェブサイト上に掲載されていないものでも、イタリア製品は勿論、イタリア以外でも取寄せ可能というきめ細かい対応は、やはり日本人オーナーならでは。最近は航空貨物の禁忌品として香水が目の敵にされ、言葉の壁ならぬ配送の壁に悩まされる事が多い中、こういう頼れるショップを1店知っているのと知らないのとでは、ヨーロッパの香りに接点を持ちたい時、大きく違うと思います。一時帰国中のオーナー、松井さんへインタビューする機会に恵まれましたので、取扱商品などについて伺いました。

イタリアでは絶大な信頼を誇るレルボラリオ

LPT Ca'Naturaの取扱商品で屋台骨といえばレルボラリオだと思いますが、日本未発売のレルボラリオについて教えて下さい。

松井 1978年に創業された、イタリアの自然派化粧品メーカーでは1,2を争うメジャーなブランドで、お子さんからお年寄りまで幅広い年齢層に支持されています。例えば、イタリアではクリスマスにプレゼントを交換するのですが、そのプレゼントの中には必ずといっていいほどレルボラリオの商品があるんですね。価格帯としても、高額商品でせいぜい20ユーロほどの庶民的なブランドなので、贈る方も頂く方も負担なく、かつもらって嬉しいブランドですね。これだけメジャーになった現在も全製品イタリア国内で生産し、自社菜園のハーブを製品に使用しているのですが、創業者家族に代々伝わるハーブのレシピを元にしたスキンケア製品からスタートしたブランドだけあって、香りのラインナップも充実している一方で、スキンケアの効能や安全性には定評があり、イタリア人の絶大な信頼を得ています。

LPT 香りのラインナップが豊富でメジャーな自然派化粧品というと、イヴロシェを髣髴します。また日本発売のあるロクシタンやボディショップ、サヴォンにも近い気がしますが。

松井 レルボラリオは、直営店のほかにイタリア全国のエルボリステリア(erboristeria=薬草専門店、ハーブ薬局。体調に合わせたハーブティーの調合、自然派化粧品や食品、手作りコスメ用品が手に入る。イメージとして漢方薬を扱う薬局に近い。イタリアでは、体の不調を感じた時、まずエルボリステリアでハーブを処方して貰い、それでも芳しくない場合にはじめて病院に行くのだそう)で取扱がある、効能として信頼のある自然化粧品であるという点が、いわゆるイメージだけの自然化粧品との一番の違いだと思います。また、ロクシタンやボディショップがどちらかというとティーンズや若い女性向けという印象の一方で、レルボラリオには年齢を重ねた方にも似合う香りや男性向けのラインナップが充実しています。価格帯としては、挙げていただいた4社と同等か、若干安めだと思います。

LPT 効能も定評があり、かつ値頃なラインナップのレルボラリオなら、日本でも人気が出そうですが…

松井 レルボラリオは、商品数が400以上と非常に多いのと、特に香りのシリーズですが、新商品がどんどん出てくる一方で、結構すぐ廃番になってしまうんですよね(笑)。私も日本進出のお話を頂いた事がありますが、改廃のスピードが日本で在庫販売するには早いのと、中々全アイテムを販売するのも難しく、またイタリア製品を日本で在庫販売する場合、諸経費の都合上どうしても国内販売価格が高くなってしまい、折角の値頃感が失われてしまうこともあり、オンラインショップ形式でご紹介することにしました。

LPT 確かに、仕入れた途端に現地で廃番、では、リピートしたい方も残念ですよね。そういう意味では、イタリアと同時進行で紹介でき、注文に応じて新鮮な製品を発送できる現在のスタイルは、レルボラリオのような商品群が多く頻繁に改廃するブランドにはぴったりですね。それでは、日本のお客様は何がきっかけでレルボラリオを知って、どんな風にご注文されますか?

松井 やはりイタリア旅行の際、イタリア中で手に入り、値頃なレルボラリオの商品をお土産に買ったり、またイタリア旅行土産で頂いて…というのが一番多いですね。きっかけはハンドクリームで、日本にはない濃厚なフローラルの香りが気に入り、探しているうちにCa'Naturaに辿り着いた、という方が多いです。全ラインナップの中では同じ香りでトータルボディケアが楽しめる「香りのシリーズ」の、オーデコロン、ボディクリーム、デオドラントが良く出ます。その中で特にホワイトティー、トレローザ、メアレス(砂漠のオアシス)、ネロリが人気ですね。

LPT 日本人好みのさわやか系に混じって、いきなりメアレスが意外(笑)やはり、フレデリック・マルの「身を焦がすムスク」にそっくり、とネット上で炎上したからでしょうか。

松井…かもしれません(笑)実はレルボラリオの香りって、流行の若年層向けの香りではなくて、うまいことニッチ系の香りやクラシック香水を思わせる、絶妙な香りを出してくるのがうまいんですね。

LPT 確かに、アイリスはロレンツォ・ヴィロレーシのタンドネージュを思わせる、アイリスというよりはベル・エポック的なパウダリーノートですし、フィオリスクーリ(ダークカラーフラワー)は昨今ついぞお目にかかれない昭和の奥様系な濃密クラシックフローラル、ペタリフィオーリ(フラワーペタル)は同じ粉物系でもアイリスとは事務所が違うという感じのアカシア系パウダリーで、やはりフレマルの「カシーの花」を思い出しました。うまいうまい。レルボラリオのコロンは流行を追ったファッション・フレグランスのコピーではなく、なかなか絶妙にニッチな香りやクラシック系統を打ち出してくる、優秀なジェネリック香水として評価できますね。母親世代、祖母世代が普段使いには国産香水、お出かけのときは舶来香水、ときちんとハレとケを使い分けていたように、昔と違って海外製品がさもなく入手できるようになった現在、レルボラリオのような庶民派ブランドは使い分けとしても日常使いのクオリティをぐっとあげてくれますね。話を戻して、イタリア本国ではどの香りが人気ですか?

松井 お話に出たイリス、フィオリスクーリ、アンブラリクイダ(リキッドアンバー)ですね。ネロリも人気があります。日本人が好むさわやかで誰からも好かれる、どこかで嗅いだことのあるような安心感のある香りとは180度違って、豊満で母性や女性らしさをきちんと感じる、濃厚な香りが人気です。イタリアでは伝統的にタルコ系といって、タルカムパウダーのような香りやベースにパウダリーノートのある香りが根強く人気があります。やはりマンマの香りにつながるからでしょうか。 

カナトゥーラでも人気のサンタマリアノヴェッラ製品 

LPT 粉物系、バンザイ!!ですね。粉物好きの私としては、俄然イタリアが身近に感じられるようになりました。さて、取扱ブランドの中でもうひとつの柱といえば、日本でも大人気のサンタマリアノヴェッラ薬局とカルトゥージアですが、こちらも日本と地元での売れ筋は違いますか?また、取扱い以外のブランドでお問い合わせの多いものは何ですか?

松井 日本からのご注文で、SMNの一番人気はコロンならフリージアですね。カルトゥージアでは断然メディテラネオです。どのブランドでも日本での人気はやはり、シトラスからフルーティ、フローラルといった、ライトで誰からも好まれる香りに集中しています。一方地元イタリアでの人気は、SMNのコロンではアイリス、ザクロ、タバコトスカーノですが、イタリアでも5月から9月くらいまでは爽やかなサンタマリアノヴェッラとオレンジフラワーが他の香りを抑えて一番出るようです。カルトゥージアではフィオーリ・ディ・カプリ、ヴィア・カメレーレ、コラッリウムが人気です。お問い合わせが多いのはイルプロフーモ、プロフーミ・ディ・パンテレッリア、ミレ・フィオーリ、ロレンツォ・ヴィロレーシも多いです。イタリアでは、直営の路面店ではなくデパートに出店できて初めて一流と認められる風潮があるのですが、そういう意味でロレンツォ・ヴィロレーシは直営店だけでなくデパートに出店している、文字通り一流のイタリア人調香師と言えますね。ロレンツォ物ではイェルバマテが一番人気です。何故かイタリア物でないフレデリック・マルや、もはやヨーロッパでもないアメリカのボンドNo.9も問い合わせがあります。

LPT ボン9ですか。あまりCa'Naturaに依頼する利点がなさそうな(笑)でも、やはり日本語で注文や問い合わせができるのは心強いし、有難いと思うお客様が多いのと、何より松井さんの、メールひとつにしても文体からにじみ出る誠実なお人柄と、きめの細かいご対応が、何でもお願いしてみようと思ってしまう一番の魅力だと思います。為替変動、国際郵便・宅配便規約の改定など、国内取引にはない課題も多々あるかと思いますが、どうぞこれからも日本とイタリアの架け橋として頑張って下さい。

松井 ありがとうございます。ところで、香りのつけ方がお上手ですね。パウダリーでとてもいい香りです。タンドネージュですか?

LPT レルボラリオのアイリスですよ(爆笑)この度はありがとうございました。

 

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