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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Putain des Palais (2006)

知的エロの殿堂、エタリーブルドランジュから2006年に発売された
「高級ホテルの売春婦」プタン・デ・パレです。
調香はエルメスのメルヴェイユシリーズ、アムアージュのオナー・マン、
過去には廃盤後結構なプレミアの付いているシェレルのニュイ・ド・
インディエンヌ等を手掛ける重鎮、ナタリー・ファイストハウアーで、
2006-7年に発売された他のエタ物(デリシャス・クローゼット・クイーン、
ノンブリル・イメンス)の調香にも携わっています。

香りとしては、後発となるトムオブフィンランド(2008)の姉貴分とも
いうべき、一筋縄ではいかないパウダリックなフローラル・レザーノート
で、トムオブフィンランドに何らかの影響は与えたのではないかと思われる
程、佇まいが似ています。トムほどは展開も強烈ではなく、窒息しそうな
粉まみれのパインニードルとレザーが迫ってくることもないのですが、
ローズやバイオレットといった、どフランスなフローラルにレザーやアニマル
ノートが重なり、時折ちらっとスズランのような爽やかな煌めきすら放つ香りは、
超マットな白粉で毛穴一つ見当らないすべすべの肌に擬態武装し、ずぶずぶと沈む
黒革のソファに横たわり、次なる客をダウナーなスタンドライトの灯ひとつで
手ぐすね引いて待っている姿を良く描いています。オンブルローズのパウダリックな
部分だけをクローズアップして粉滑りするほどドライに仕上げた風でもあり、
粉ものファンには納得の逸品でしょう。弟も弟なら姉も姉、エタリーブルらしい
いい姉弟コンビです。
トムオブフィンランドが好きだけど、香りに振り回されるようでつけこなせない、
という方には、香り立ちが柔らかく残り香が永遠に残る事もないプタン・デ・
パレが女性にも男性にもお奨めです。

個人的には、この辺りがディタ・フォン・ティーズのイメージなのですが、
ハマり過ぎなのもイメージが固定されてしまい「完全なる女性(ファム・トタル)」
には却って不都合なのかもしれません。