La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Rose Intense (1998-2008)

さきにローズ・ピヴォワンヌとして発売されたEDTのアンタンス版です。
名前からピヴォワンヌが消えていますが、香調にはしっかり芍薬の青さが
残っていて、立ち上がりは青々としてさっぱりしたローズのシングルノー
になっています。最初は甘味も酸味も前に出ず、ただ「青い」朝露のような
ささやき系ローズで、何とも面白みに欠けるシングルノートだな…と思いきや、
じわじわと肌と一体化して丸みが現れ、香水をつけているというよりは、
あれ、誰かいい匂いのする人がいるけど、私か?みたいな、自分がつけたと
記憶しているローズとは少々違う雰囲気の、往年のニナ・リッチや、最近
ではテオ・カバネルの一連の香りのように身体が香気のある肌呼吸をして
いるようなクリーミーなブーケに変わります。ミドル以降もつけた所に鼻を
近づけると、たしかにローズと芍薬なのですが、ラストまで身体は何とも
心地よいクリーミーなブーケに包まれます。アンタンスと言っても、ローズ・
アンタンスの場合、強さや濃度があがった「ストロング」ではなく、クラス感が
向上した「ハイグレード」版の感があります。EDPにしては薄口で、持続も
短め。これで持続が長ければいう事なしなのですが…。芍薬の青さがフレッシュ
なのと、香りの粒子がとても滑らかなので、サマーフレグランスにお奨めです。
公式サイトでは30ml・100ml・250mlの3サイズあり。
国内ではオリジナルのローズ・ピヴォワンヌ(EDT)が30mlサイズのみ販売有、
定価5,500円。オークションサイトでは6,500円(値下げ交渉有)で出品中。

 

香りは長もちしないけど、そこはつけ直しでカバー可能な部分。出来が良くて心地よい。これもお奨め

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