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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

L'ame Soeur edition 2011 (2011)

XX. Archive

 これまで発売されてきた香りはすべてEDP濃度だったディヴィーヌが
2010年より既発のコレクションからパルファム濃度を再構築して発売
しています。第1弾はブランドの顔ともいえるディヴィーヌのパルファム、
ディヴィーヌ・エテルネル・フェミナンでしたが、昨年末には第2弾として
ラムスールのパルファム、ラムスール・エディシオン2011が発売されました。

 参りました、という程のアルデヒドを過積載した、ガツンとしたパウダリー・
フローラルアルデヒドのラムスールEDPに比べ、このエディシオン2011の
一番の違いは、トップノートに香るベルガモットの持続です。渋みのある
ベルガモットアルデヒドの金属質なリフト共にきりりと、かつ長めに香る
ので、EDPよりもドライなオープニングが楽しめます。ベルガモットの時代が
終わると、いよいよラムスールの真骨頂であるジャスミン、ローズ、イラン
イランを主軸とし、アンバーグリスやリアトリクスといったオリエンタル
ベースを持つパウダリックなフローラルへと展開しますが、さすがはパルファム、
肌馴染みがよく体温とうまく調和してEDPにはなかった温かみを感じながら
染み出るように、湧くように香り、落ち着きのある拡散性に「自分の知らない
過去が微笑む香り」というタイムレス・クラシックな印象のラムスールが、
さらにきめ細やかに美しくなった姿を感じます。
持続性はEDP、パルファム共にあまり変わりませんので、天花粉でむせ返る
ようなパウダリーがお好みならEDPを、温かみと時間差の展開を楽しみたい時は
パルファムと使い分けると良いでしょう。どちらも底力のある香りなので、
濃度違いを重ね付けする必要はありません。

 一昔前まで香水とは「調香師が言わんとするものが凝縮された作品」で、
濃度が薄くなるにつれ香りが簡略化していくものと定義されていましたが、
最近はパルファムが最初から作られる香りは滅多になく、むしろEDPの1濃度
から始まり、売れ行きを見て人気が出れば軽い濃度のもの〜EDT,オーレジェール
などのライトバージョン〜に作り進むのが主流となっています。ゲランのイディール
のように、EDP→EDT→Pと発売するのは、昨今余程の勝負だと思いますが、元々の
香りに大した骨格がないので、パルファムに作り進んでも面白味のないことが
多いのですが、ディヴィーヌの香りのように骨格のしっかりした香りならば、
後付であってもパルファムを作り直してラインナップに追加してくれるのは、
クラシック香水ファンとしては何とも嬉しい話です。ディヴィーヌの場合、
パルファムは調香師が最も表現したいもの、というよりはディープ(アンタンス)
バージョンですので、EDPがパルファムに比べ見劣りがする、という顛末には
ならないのも魅力です。

 今年は、いよいよランスピラトゥリスのパルファムの登場でしょうか。いや、
ランファントだろうか、全くの新作か…楽しみです。

画像:DIVINE Parfumsより提供、使用許諾済