La Parfumerie Tanu

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- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Une Fleur de Chanel (1998/2005)

ニューヨーク・シャネルで7年に一度しか発売されない限定品の香りです。
調香はジャック・ポルジュで、最初が1998年、次が2005年に再発、とくると
来年は丁度再発から7年後の2012年ですが、3度目は果たしてあるのでしょうか。
ニューヨークシャネルが他の香りや濃度でも用いている、薄い長方形の汎用型
35mlスプレィで、濃度はオードトワレ1種のみです。

香りとしては、シャネルというブランドが好きで、シャネルの香りをつけたい
けれど、5番や19番などのクラシック香水は敷居が高い一方で、最近のシャネルは
きつくて使えない、かといって巷に流行のフルーティフローラルではつまらない
という、シャネルをつけているという満足感と香り自体のつけ心地、双方を求める
お若い方にぴったりな、透明感の高いクリアーなフローラルブーケです。
最近のシャネルの香りのような挑戦的な部分がなく、大変上品で綺麗な香りですが、
何分対象年齢が20代から30代前半ではないかと思われますので、幾つになっても
つけられるといった香りではなく、今似合っても次の再発時には似合わなくなっている
可能性を含んだ香りです。今お若くて、運よく手に入るのであれば、1本位持っていても
損はないと思います。実際私も2005年版はぎりぎり満喫できましたが、2012年版が
でたとしても、既に時遅し、ではないかと思います。

香りもちはトワレ並みで、トップからラストまで主だった展開がないのも現代的です。

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