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La Parfumerie Tanu

The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes

Colony(1938)

パトウの没年である1936年にヴァカンスが発売されてから2年後、フランスから遠い南方の
植民地に思いを馳せ、トロピカル感満載のコロニーが発売されます。

パイナップルをキーワードとしたクラシック香水としてはキャロンのアカシオサ(1929)が
最も有名ですが、それから遅れること9年後、アカシオサのパイナップルはあくまでキャロン
ノートに則ったスイートフローラルの一端に香るかけらのようなもので、それほど主張しない
のに対し、コロニーはパスッと切ったパイナップルの香気から、どっしりしたオークモスと
時折煌く甘いフルーツとスパイスが絶妙なフルーティ・シプレで、酸味の強いパイナップルや
トロピカルフルーツが全面に押し寄せてくる点ではコロニーに座布団を一枚やって欲しいところです。
クセジュ(1925)にも若干通じるものがありますが、情緒不安定感はありません。ラストでようやく
オポポナックスやムスクのまろやかな甘さに落ち着きます。

ちなみにコロニーはコレクシオンの中でもあまり人気がなかったらしく、つい最近までかなり廉価で
ディスカウンターに出回っていましたが、それももう今では見かけません。個性が強い分長きに渡り
愛される香りというよりは、若干のネタ的要素も感じられるので、その辺が理由かもしれません。
他にディヴィーヌ・フォリー、ルール・アタンデュー、カルデアは今でも手の届く価格でデッドストック
が流通していますが、ディヴィーヌ・フォリーのような個人的に気に入っている香りがいつまでも
売れ残っているのは嬉しい反面、ちょっぴり納得がいかなかったりもします。勝手なものです。

トップ:パイナップル、ベルガモット
ミドル:イランイラン、イリス、カーネーション、オポポナックス
ベース:オークモス、レザー、ムスク、ベチバー