La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Invitation(1932)

1930年、のちにブランドの看板となるジョイと並行してカクテルを上市した2年後に発売された
アンヴィタシオンは、マ・コレクシオンと同時期に再発されたものの、12本入のミニチュアセット
には入りませんでした(ちなみに同じ再発で選外だったものにDelices(1940)があります)。
所有しているのはパルファムですが、再発時オードトワレとあわせての発売だったのか、
パルファムだけだったのかは分かりません。殆ど参考になる文献がないので、購入先にて
記載されていた香調を下記に記します。ピラミッドは不明です。

埃っぽいトップノートと共に薬っぽいハーブとクローブなどのスパイスが香り、メンズライクな
立ち上がりの後は割合に底力が弱く、ふんわりとラブダナムやシダーウッドの清涼感と温かみを
併せ持った香気が身動きに応じ立ち上り、ラストは柔らかいアンバー系ムスクに落ち着くオリエ
ンタル・ウッディです。総じて良く言えば深淵、悪く言えば決め手となるイメージ像がないので、
同じコレクシオンの同軸線上にはど迫力のディヴィーヌ・フォリー(1933)が控えているとなると
選外になるのも致し方ない、といったところでしょうか。オードトワレ程度の濃度に感じますので、
パルファムといえど臆せず少し多めにつけたほうがより楽しめるかもしれません。
ミドルからラストにかけての消えるか消えないかのほのかな香りが一番雑味がなく心地よいです。

香調:シダーウッド、ホスタ、サンダルウッド、ムスク、タンジェリン、タイム、
   ミント、ラブダナム、ベルガモット 
 

パルファム


外箱と共柄のスカーフに包まれるボトル
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